BtoB営業・マーケティング

BtoB企業のリード獲得手法|最新のBtoBマーケティング事例をわかりやすく紹介!

近年、BtoBマーケティングが大きな注目を集めています。

「BtoB」とは企業が企業に向けて商品やサービスを提供するビジネスモデルのことをいいます。また、そのような企業のことをBtoB企業といいます。

なぜいま、BtoBマーケティングが重視されているのでしょうか? BtoBマーケティングの基礎知識をはじめ、BtoB企業ならではのリード獲得手法について解説します。

BtoBマーケティングとは

BtoBマーケティング とは?

BtoBマーケティングとは、Business-to-Businessマーケティングの略で、企業(Business)が他の企業(Business)に向けて行う製品やサービスのマーケティングを指します。
B2Bと表記されることもあります。
対して、企業が消費者(Customer)に向けて行うマーケティングのことを、BtoC(またはB2C)マーケティングと呼びます。
対消費者に比べ、対企業では、一般的に商品を購入する際の予算規模が大きく、検討プロセスも長くなります。
また、商品の購買者が直接利用者とならないケースも多く発生するなど、消費者を相手取る際と状況が大きく変わるため、マーケティングにおける戦略にも大きな違いが発生します。

◆関連用語

BtoB企業の例

BtoB企業とBtoC企業の違いは、顧客が企業(Business)か消費者(Customer)かという点にあります。

そのため、BtoB企業では商材にマッチする企業を絞り込み、ターゲティングをした上でマーケティング営業活動を展開します。BtoC企業では性別や年齢などをある程度は絞り込みますが、基本的には不特定多数をターゲットにします。

以下は代表的なBtoB企業になりますが、不特定多数向けのテレビCMはほとんど見かけることはないでしょう。

キーエンス/センサ、測定器、画像処理機器、制御・計測機器
三菱ケミカル/機能商品、素材
昭和電工/石油化学、化学製品
村田製作所/電子部品
セールスフォース・ジャパン/クラウド型ビジネスアプリケーション

BtoB企業のリードの定義

リードとは、これから顧客になる可能性が高い見込み顧客のことです。

リードの詳細な定義は企業によって異なりますが、「Webサイトから資料請求をした」「展示会で名刺交換をした」など、連絡先がわかっていてアプローチができる状態になれば「リードを獲得した」といえるでしょう

BtoBマーケティングでは、このリードを獲得するための活動を行います。

リード獲得にBtoBマーケティングが必要な理由

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BtoBマーケティングが注目されるようになった背景には、インターネットでの情報収集が簡単になったことが挙げられます。

インターネットを活用することで情報収集や比較検討ができるため、顧客側の購買行動が大きく変わったことが「BtoBマーケティング」に注力する大きな理由です。

従来の手法では法人のリード獲得が難しくなった

従来型のBtoBビジネスモデルでは、訪問営業やテレアポによるリード獲得が一般的な手法になります。例えば以下のように、アウトバウンド型のアプローチで「きっかけ」を作ってリードを獲得します。

  • 時間をかけて信頼関係を構築する
  • ルート営業で定期的に接点を作る
  • 飛び込み営業
  • 接点のない企業へのテレアポやDM

しかし、従来型の営業活動では、商談までのプロセスが属人的になりがちです。また、打ち手も少なく、新規でリードを獲得したいと思っても手詰まりになってしまうでしょう。

従来型の営業手法では新規リードの獲得が難しくなったという背景から、BtoBマーケティングを導入するBtoB企業が増えてきています。

オフラインだけでなくオンラインでのリード獲得手法も進化

インターネットが普及したことで、オンラインによるリード獲得手法も進化しています。

これまでのアウトバウンド型に加えて、競合他社との競争の手段にSEO対策リスティング広告など、インバウンド型のアプローチが加わりました。

従来はリードを獲得して商談まで繋げるのは営業の役割でした。しかし、BtoBマーケティングを導入することで、営業は商談のみに注力することができるようになります。

営業プロセスの分業化という点でもBtoBマーケティングが注目されています。

Googleも情報収集を前提としたマーケティング戦略を重視

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▲Google『WINNING THE ZERO MOMENT OF TRUTH』より引用

インターネットが普及したことで、「商品購入前にインターネットで情報収集をする」「インターネットで商品の下調べをする」など、意思決定前の入念なリサーチはもはや当たり前になりました。

企業の購買担当者が営業担当と接触するころには、情報収集も比較検討も済んでいることが多いでしょう。

このような購買行動に対する概念について、Googleは2011年に「ZMOT(ジーモット) =Zero Moment of Truth」を提唱しています。顧客が購入を決めるのは、購入前の「Zero」の状態であるという意思決定モデルです。

このZMOTによって、購入前に情報収集することを前提としたマーケティング戦略が求められるようになったのです。

BtoBマーケティングでリードを獲得する手法

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ここまでの解説からわかるように、BtoBマーケティングの基本は「選ばれる仕組みを作る」ことにあります。具体的にBtoBマーケティングはどのように行えばいいのか、考えてみましょう。

BtoBマーケティングでは商談にこぎつけるまで、集客→リードジェネレーション(リード獲得)→リードナーチャリング(リード育成)といったプロセスが基本になります。

BtoBビジネスでリードを獲得する手法について、オフラインとオンラインに分けて解説します。

オフラインでのリード獲得手法

すべての企業がオンラインに移行しているわけではないので、オフラインでのリード獲得手法も重要です。オンラインでのリード獲得手法と組み合わせて行うと効果的です。

1.テレアポ

電話をかけて自社の商品やサービスを紹介する活動です。営業リストトークスクリプトがあればすぐに始められるのがメリットですが、見込み度も不明な企業へ架電するため、受付ブロックされることも多いです。

テレアポとよく似たテレマ、インサイドセールスとの違いについては以下の記事で詳しく解説しています。

テレマ・テレマーケティングとは?仕事内容と業務をわかりやすく解説
テレマ とはテレマーケティングの略で、電話を使ったマーケティング手法のことをいいます。具体的にどんな仕事内容なのか、どんな業務を行うのかに...
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Akala Note

2.展示会

オフラインで見込み顧客を多数獲得するには、展示会への出展が効果的です。一度にたくさんの人と接触でき、その場で名刺交換や商品説明ができるため、見込み度の高いリードを獲得しやすいです。

首都圏では幕張メッセや東京ビッグサイト、中部ではポートメッセなごや、関西ではインテックス大阪などで催されています。会場規模に関わらず、準備にコストがかかるのがデメリットです。

3.セミナー

展示会と同じく、オフラインで見込み顧客を多数獲得でき、商談に結びつきやすいのがセミナーです。展示会と同じく準備にコストがかかる点がデメリットです。

オンラインでのリード獲得手法

オンラインでのリード獲得手法のメリットは、少ない予算や工数で実施できることです。より多くの人にアプローチできるので、リード獲得のチャンスが広がります。

1.Web広告

オンラインでのリードジェネレーションは、GoogleやYahoo!もしくはSNSなどのWeb広告が始めやすく手軽です。いくつか種類があるので、目的に応じて使い分けたり、併用したりします。

また、広告をクリックしたときに表示されるページをランディングページ(LPといい、訴求内容に最適化した1ページ完結型のページで、次のアクションを促します。

【リスティング広告】

検索エンジンの検索結果ページに表示される広告です。検索キーワードに関連して表示できるので、興味関心度の高いリードを獲得できます。

【ディスプレイ広告】

属性に応じてサイト内の広告枠に、画像やテキストで広告を表示します。検索キーワードとは紐づかないので、潜在顧客にもアプローチしやすいです。

【SNS広告】

Facebook、Instagram、X(旧:Twitter)、YouTubeなどのSNSのタイムラインなどに広告を表示します。ユーザー属性を絞り込んで広告配信ができるので、ターゲティング精度が高く、広告効果が高いのがメリットです。

2.ホワイトペーパー

ホワイトペーパーとは役立つ情報を資料としてまとめたもののことをいい、ダウンロードと引き換えにリード情報を獲得するというものです。

ホワイトペーパーによるリード獲得手法については、以下の記事をご覧ください。

3.ウェビナー

オフラインでのセミナーに代わって、ウェブを使ってセミナーを配信するウェビナーもリード獲得手法として活用されています。

Zoomなどのツールを使うことで、比較的かんたんに参入できます。ウェビナーについて詳しくは以下の記事でまとめています。

リード獲得後はリードナーチャリングによって商談化

リードナーチャリングとは、獲得したリードの興味関心度合いや購買意欲を高めていくための活動のことをいいます。

リードナーチャリングのメリット

リードを獲得できたとしても、まだ顧客になるかどうかはわかりません。

BtoB企業の特徴として、商談や受注までの期間が長期化しやすく、機会損失しやすいというデメリットがあります。そこで継続的にリードナーチャリングを行うことで、リードとの接点を持ちつつ、意欲が高まったところで営業部門へ引き渡し、商談に繋げることができます。

営業に引き渡すべきリードかどうかは、興味関心度合いを点数化するリードスコアリングによって選別するため、営業効率を上げられるというメリットがあります。

リードナーチャリングの手法

リードナーチャリングの手法は、リード獲得の手法とよく似ています。目的に応じて使い分けましょう。

メールマーケティング

リード獲得施策で得られたリードに対して、定期的なメール配信によって購買意欲を高める施策です。

メルマガはもちろん、カスタマージャーニーマップを作成の上で、段階的に関係を深めていく「ステップメール」「シナリオメール」も有効です。

セミナー・ウェビナー

リード獲得を目的とするセミナーやウェビナーとは異なり、より顕在化した課題解決がテーマになります。商品やサービスの使用方法や導入事例など、意思決定をサポートすることを目的にします。

リターゲティング広告

Web広告のひとつで、自社のWebサイトを閲覧したユーザーを追跡し、GoogleやYahoo!、広告枠のあるWebサイトに広告を表示する方法です。

リターゲティング広告を利用すれば、接触回数が増えるため、比較検討時にも目に触れやすくなります。検討期間が長いBtoBビジネスとの相性が良いといえます。

オウンドメディア

自社サイトでブログや読み物などの有益な情報を発信することをオウンドメディアマーケティングといいます。

コンテンツを訪れたユーザーが、資料請求や問い合わせをすることをCV(コンバージョン)といい、リード情報を獲得できます。そのためには、質の高い記事を掲載することはもちろん、SEO対策も必要になるため、中長期的な戦略設計とコンテンツの確保が必要になります。

インサイドセールス

リードに対して電話でアプローチをすることで、購入意欲を高めます。単なる営業電話ではなく、ニーズのヒアリングや課題解決方法の提示を経て商談を獲得するのがインサイドセールスの役割です。

また、営業に引き渡すべきかどうかの絞り込みをする役割も担うので、より効率の良い営業活動ができるようになります。

まとめ

BtoBマーケティングはインターネットの進化とともに必要とされるようになりました。

BtoBマーケティングの大きな役割はリード獲得(リードジェネレーション)リード育成(リードナーチャリング)にあります。これまで営業パーソンが担っていた活動のうち、商談以前の部分をマーケティング部門が担います。

そうすることで営業パーソンは商談にのみ注力することができ、さらに属人化を防ぐことで、効率の良い営業活動ができるようになります。

さらに業務効率化をめざすならMA(マーケティングオートメーション)SFA(営業支援システム)などのツールの導入も欠かせません。マーケティング部門と営業部門の連携強化にも役立ちます。

もちろん、商材によってもBtoBマーケティングのベストプラクティスは変わってきます。どのような手法を選択するか、仮説を立てながら少しずつ実践してみましょう。

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Akala Note編集部


右も左もわからないままIT企業に入社。研修でテレアポ、テレマーケティングのおもしろさにはまり、インサイドセールス部門に配属を希望。法人営業、マーケティング部門も経験し、いまでは新人研修も担当する。BtoB営業・マーケティングのオールラウンダーをめざして奮闘中!

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