BtoBマーケティングにおいて、ホワイトペーパーを活用する企業が増えています。
Webページを閲覧していると「お役立ち資料を無料ダウンロード!」「売り上げをアップする方法」など、様々なダウンロードコンテンツを見かけることも多いのではないでしょうか。
今回はホワイトペーパーマーケティングを始めたいという企業担当者に向けて、ホワイトペーパーとは何か、ホワイトペーパーを活用したBtoBマーケティングの仕組み、ホワイトペーパーの作り方についてわかりやすく解説します。
ホワイトペーパーとは?
ホワイトペーパーは「サービス説明資料」「カオスマップ」「調査結果」などのデータや独自のノウハウが掲載されている資料のことで、思わずダウンロードしたくなるような魅力的なコンテンツが用意されています。
BtoC企業はもちろん、BtoB企業においても効果的なマーケティング施策のひとつとして活用されています。
どんな端末やOSでも閲覧できるように、汎用性の高いPDF形式のファイルで作成されることが一般的です。また、ダウンロードするには無料会員登録やメルマガ購読などと引き換えになることが多く、良質な営業リストを獲得する方法として活用されています。
ホワイトペーパー とは?
ホワイトペーパーとは、本来は政治や公的機関などの年次報告書である「白書」を意味します。
近年では、企業が解決すべき課題と要因を分析し、解決まで導く自社ソリューションの紹介などが記載されたダウンロード資料のこともホワイトペーパーと呼んでいます。
ホワイトペーパーはリードジェネレーションの施策として活用されることも多く、ホワイトペーパーのダウンロードと引き換えに企業情報や連絡先などの情報を得るという手法が一般的です。
Webサイトからリード情報を得ることはもちろん、役に立つ情報を発信することで、企業との関係強化を図るリードナーチャリングも可能になります。
◆関連用語
ホワイトペーパーマーケティングの仕組み
ホワイトペーパーは、BtoB企業が新規リードを獲得するツールとして活用されています。ホワイトペーパーを使ったリード獲得やリードナーチャリングなどの活動をホワイトペーパーマーケティングといいます。
サービス紹介資料、ノウハウ提供、事例紹介などをPDFデータで公開し、無料ダウンロードと引き換えにメールアドレスや企業情報を入力してもらうことでリード情報を獲得するという仕組みです。
ホワイトペーパーのテーマによっては、潜在顧客からのアクセスを広く集めることも可能です。さらにマーケティングやインサイドセールスの活動を通じて、潜在顧客から顕在顧客へ転換するアクションが続きます。
ホワイトペーパーの目的
ホワイトペーパーを作る目的は、新規顧客の獲得、さらには見込み顧客の育成にあります。また、受注確度やエンゲージメントを高めるためにも活用できます。
- 新規見込み顧客の獲得(リードジェネレーション)
- 見込み顧客の育成(リードナーチャリング)
- 受注確度を上げる・エンゲージメントを高める
新規見込み顧客の獲得(リードジェネレーション)
ホワイトペーパーのいちばんの目的は新規見込み顧客の獲得(リードジェネレーション)にあります。より広く潜在顧客にアピールするため、リスティング広告やSNS広告などに出稿するのも有効です。
ここで重要になってくるのは、ホワイトペーパーの「テーマ選定」。成約に近いリードを獲得するには、課題やニーズのリサーチが必要になります。
例えば、課題解決方法をまとめたノウハウ集を配布することで、自社ソリューションとマッチ度の高い、良質な見込み顧客を獲得することができるでしょう。
見込み顧客の育成(リードナーチャリング)
ホワイトペーパーは、見込み顧客の育成(リードナーチャリング)にも活用できます。
ホワイトペーパーダウンロード後、メルマガ配信やダイレクトメールなどで定期的にアプローチすることで、少しずつ関係構築をしていくことができます。
ひとつ注意したいのは、自社ソリューションが必ずしも見込み顧客の課題解決と直結しないことです。ニーズや課題が明らかでない段階で自社ソリューションをいくら提案しても、商談に至るケースは少ないでしょう。
そのため、ノウハウ集や調査結果などをホワイトペーパーとして積極的に配布することで、ニーズ顕在化のきっかけを作ることも大切です。自然な流れで自社ソリューションを選んでもらえるようにしましょう。
エンゲージメントを高める・受注確度を上げる
見込み顧客にとって有益な情報がまとめられているホワイトペーパーは、エンゲージメントを高めることもできます。
業界情報や調査結果をまとめたレポートは、自社の専門性の高さを示すこともできます。そのためホワイトペーパーをブランディングのために活用する企業も多いです。
また、ホワイトペーパーを興味関心の度合いに応じて作り分けることで、どの程度ニーズが顕在化しているのかを推測することができます。アプローチ方法も考えやすくなるため、精度の高い営業活動も可能になります。
ホワイトペーパーの種類
ホワイトペーパーの最終的なゴールは自社ソリューションという点は共通です。
いかに興味を持ってもらうかがポイントになるため、どんな切り口のホワイトペーパーを用意するのかも戦略のひとつになります。
代表的なホワイトペーパーの種類をまとめました。
課題解決型 | 課題の解決を目的としたノウハウをまとめたホワイトペーパーです。潜在層の見込み顧客を獲得する際に有効で、要因の分析や解決策を提示しつつ、自社ソリューションを紹介します。 |
調査レポート型 | 業界や市場の調査レポート、トレンド情報、アンケート結果などをまとめたホワイトペーパーです。定期的に情報をアップデートする必要はありますが、需要が高い内容です。 |
事例紹介型 | 自社ソリューションの導入企業を取材し、記事にまとめたホワイトペーパーです。検討段階にある見込み顧客に効果的にアプローチできます。 |
ホワイトペーパーと営業資料の違い
ホワイトペーパーは「営業資料」と混同されやすいですが、ホワイトペーパーと営業資料の違いはその目的にあります。
ホワイトペーパーは商談に至る前の段階の見込み顧客へ向けたものです。営業資料は商談のための資料なので、料金説明や導入フロー、キャンペーンオファーなど、具体的なクロージングに向けた内容がまとめられています。
明確に分ける必要はありませんが、マーケティング戦略や商材の特性にあわせて最適な資料を用意するようにしましょう。
ホワイトペーパーの作り方
ホワイトペーパーはMicrosoft社のパワーポイントやGoogleスライド、Canvaなどの無料のツールで作ることができます。プレゼン資料などを作る要領で作成し、PDF形式で保存するだけでOKです。
あとは、PDFファイルを自社サーバーにアップし、ダウンロード用の入力フォームを用意すればOKです。
入力フォームの作成もGoogleフォームやformrunなどのツールを使えば、獲得した見込み顧客リストの管理まで簡単にできます。SFAやCRMとの連携もしやすいでしょう。
ホワイトペーパーを作るときのポイント
ホワイトペーパーを作るときはまずは「目的」「ターゲット」「目標」を明らかにしておきましょう。
ホワイトペーパーの目的によって、ホワイトペーパーのテーマも代わってきます。より多くの新規見込み顧客を獲得するなら「調査レポート型」、商談化数を上げるなら「課題解決型」など、ターゲットのペルソナを意識してコンテンツの内容を決めます。
内容が薄いホワイトペーパーは「がっかり」される
ファストマーケティングの調査によると、「タイトルやメールの件名とのギャップにがっかりしたことがあるか」の質問に対し、約7割もの人が「ある」と答えています。
内容が薄く参考にならないホワイトペーパーは、見込み顧客に悪い印象を与えてしまいます。タイトルで煽りすぎていないか、タイトルと内容は見合う内容になっているか、十分に気をつけるようにしましょう。
ホワイトペーパーの事例
ホワイトペーパーマーケティングに取り組んでいる企業の事例を紹介します。
クラウド会計ソフト「freee」
クラウドERPの紹介資料をはじめ、Salesforceやkintoneと連携した業務効率化の方法、IPO事例集、工数管理ハンドブックなどの資料が充実しています。
URL:https://www.freee.co.jp/cloud-erp/resources/
マーケターのよりどころ「ferret」
ferretのサービス紹介資料のほか、独自のマーケティングメソッドをまとめたホワイトペーパーがダウンロードできます。
URL:https://ferret-plus.com/useful-items
バックオフィス業界専門メディア「オフィスのミカタ」
クラウドサービスの業界相関図(カオスマップ)や社内ポスターなど、ユニーク、かつ役に立つコンテンツが無料ダウンロードできます。
URL:https://officenomikata.jp/document/
まとめ
ホワイトペーパーの目的は新規リードを獲得することです。そのためにはダウンロードの導線を作り、がっかりされない有益なコンテンツを用意することは必須です。
また、ホワイトペーパーダウンロード後にどんなアクションをするのかも重要です。ホワイトペーパーマーケティングによって得られた見込み顧客リストに対して、どのようにアプローチし、どのようにナーチャリングしていくかもあわせて考えなければなりません。
BtoBマーケティングの施策のひとつとして、ホワイトペーパーもぜひ検討してみましょう。
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