BtoBマーケティング 用語には難解なものが多く、意味や定義をよく知らないまま使っているものも多いかもしれません。
そのひとつが「MQL」。さらに、よく似た言葉に「SQL」があります。
今回はマーケティングの基礎知識として、意外と知られていない「SQL」と「MQL」について解説します。それぞれの意味や定義、SQLとMQLの違いについて図で理解すればわかりやすいです。
MQLとは?SQLとの違いは何?
MQLはMarketing Qualified Leadの略で「エムキューエル」「マーケティング クオリファイド リード」と読みます。MQLはマーケティング部門が育成したリードという意味で、購入意欲の高い見込み顧客のことを指します。
SQLはSales Qualified Leadの略で「エスキューエル」「セールス クオリファイド リード」と読みます。SQLは営業がフォローすべきリードという意味です。MQLから選別され、案件化を狙いにいくリードのことをSQLといいます。
MQLとは?
メルマガ配信やオウンドメディアなどのマーケティング活動を通じて、興味関心を持ってもらうところからマーケティング活動が始まります。より広い層に向けて情報発信し、見込み顧客の行動や属性に応じてスコアリングを行います。
この時点ではターゲット層の数が多いので、MAツールを導入して、リードナーチャリングやスコアリングを行い、リードの購入意欲を高めていきます。
SQLとは?
SQLとは上記の通り、営業がフォローすべきリードのことです。MQL対して提案やヒアリングを行いながら、さらに選別してSQLに引き上げ、より確度の高いリードを探っていきます。
「上司に交渉するので見積もりをください」「30名で使用した場合の月額料金を教えてください」など、購買意欲が明らかな引き合いもSQLといいます。
SQLはMQLと似ている用語なので、混同しないように両者の違いと関係性を理解しておきましょう。
MQLとSQLを図で理解する
MQL/TQL/SAL/SQL とは?
MQLとは「Marketing Qualified Lead」の略で読み方は「エムキューエル」です。
リードナーチャリングによって一定以上の購買確度になったリードのことを指します。
MQLはマーケティング部門からセールス部門に引き継がれ、商談へと進みます。
SQLは「Sales Qualified Lead」の略で読み方は「エスキューエル」です。
営業がフォローすべきリードのことを指します。
「MQL の次の段階にいるリード」と考えればわかりやすいでしょう。
TQLとは「Teleprospecting Qualified Leads」の略で読み方は「テーキューエル」です。
インサイドセールスがフォローする見込み顧客のことです。
フィールドセールスに引き渡す前の段階にいるリードですが、インサイドセールスだけで成約をめざすこともあります。
SALとは「Sales Accepted Leads」の略で読み方は「エスエーエル」「サル」です。
フィールドセールスにパスされた見込み顧客のことを指します。
SALは商談から成約へとつなげていく段階の重要度が高いリードなので、マーケティング部門は多くのSALを獲得・育成するための効率的な施策を展開しなければいけません。
よく似た言葉のMQL、SQL、TQL、SALの違いを覚えておきましょう。
◆関連用語
MQLとSQLを定義づけるメリット
近年のBtoBビジネスでは、より見込み度の高いリードを育成するリードナーチャリングを重視した施策に力を入れる企業が増えています。
リードナーチャリングの一環としてインサイドセールスを導入するケースも非常に多く、フィールドセールスが訪問する前にインサイドセールスがアプローチする「分業制」によって効率的に運用します。
MQLとSQL の意味と定義を明確にしておくことで、マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス(営業)の役割も明確になります。他にも以下のようなメリットがあるので、ぜひ知っておきましょう。
・営業の効率が高まる
適切なナーチャリングが行われたMQLから、さらに見込み度の高いSQLに絞り込むことで効率的な営業活動が行えます。
MQLの基準を定めておくことで、セールス部門がフォローすべき工数が増えることもなくなります。また、SQLの基準も明確にしておくことで、安定的に成果を上げることができます。
改善点も見つかりやすくなるため、MQLとSQLの定義についてはマーケティング部門とセールス部門でよく話合うようにしましょう。
・リピーター獲得につながる
MQLは自社商品やサービスに対する関心が高いので、成約後はリピーターにつながりやすくなります。
新規顧客の獲得にフォーカスして多額の広告費用を使うよりも、MQLの創出にコストをかけた方が費用対効果が高くなるケースは少なくありません。
・問題改善にも有効
MQLは、自社に期待と信頼を寄せている質の高い見込み顧客なので、問題点に対する適切なフィードバックが期待できます。通常のアンケートでは得られない貴重な情報は、企業全体の課題改善と新しいビジネスのヒントにもなるでしょう。
BtoBマーケティングにおけるMQLとSQL
MQLとSQLの概念を活用するためには、獲得した見込み顧客の「ステージ」を事前に決めておくことが大切です。一般的なステージの分類は下記となります。
ステージ | 定義 | 担当部門 |
Subscriber (サブスクライバー) | メルマガやブログの定期購読者など | マーケティング |
Lead (リード) | 資料のダウンロードなど | |
MQL | お問い合わせ・質の高いリードなど | |
SQL | 営業のアプローチ対象 | 営業 |
Opportunity (オポチュニティ) | 見積もり | |
Customer (カスタマー) | 受注 |
見込み顧客へのアプローチ方法はステージごとに異なるため、マーケティング部門と営業部門の連携は不可欠と言えます。
たとえば、Subscriberの段階で営業に引き継いでも現場の負担が増えるだけで、成約率の向上にはつながりません。効率的に商談へとつなげるためにも、ステージを事前に決めておき、マーケティングと営業の両部門で認識を統一させておきましょう。
MQLの創出手順
リードの獲得からMQLを創出するまでの手順は「デマンドジェネレーション」とも呼ばれます。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.リードジェネレーション(見込み顧客の獲得)
セミナーや展示会での名刺交換や、オンラインでの会員登録などで見込み顧客を獲得します。効率的にMQLを創出するためには、リードジェネレーションに取り組む前にMQLの定義を明確にすることが大切です。
なお、ターゲットの幅が狭すぎるとMQLの創出数が少なくなりますが、広げ過ぎると本来の目的とズレが生じる恐れがあります。
2.リードナーチャリング(見込み顧客の育成)
獲得した見込み顧客の大半は、自社商品やサービスに興味があっても購入までは検討していません。そのため、ナーチャリング(育成)を実施して見込み顧客の購買意欲を高める必要があります。
具体的な方法としては、「定期的なメールの配信」や「無料セミナー・ウェビナーの開催」などが考えられるでしょう。
3. リードクォリフィケーション(見込み顧客の選別)
育成した見込み顧客を選別して、購買確度の高い見込み顧客をMQLとして営業部門にパスします。選別基準は企業によって異なりますが、「商品購入に関する問い合わせをした顧客」や「見積もりを依頼した顧客」など、客観的に判断できる基準を設定することが重要です。
さらにTQLとSALに分類することもある
企業によっては、見込み顧客をさらに細かく分類して対応するケースがあります。
その際に使われる用語が「TQL(Teleprospecting Qualified Leads)」と「SAL(Sales Accepted Leads)」です。それぞれの概念も覚えておきましょう。
TQLとSALはインサイドセールスならでは
TQLとはTeleprospecting Qualified Leadsの略で、インサイドセールスなど「電話」を使ってフォローすべきリードのことをいいます。
この段階では、インサイドセールスによってリードナーチャリングを行い、フィールドセールスに引き渡す活動を行います。場合によってはインサイドセールスのみで成約をめざすこともあります。
SALとはSales Accepted Leadsの略で、TQLによってフィールドセールスにパスされた見込み顧客のことをいいます。
MQL・TQL・SAL・SQLの違いを知っておこう
潜在顧客がリード化するまでの流れとリードの分類方法について、図解で確認しておきましょう。
獲得した見込み顧客は、ざっくりいうとMQL→TQL→SAL→SQLという順番で育成されていきます。
企業によって異なりますが、リードの「状態」を詳細に分けることで、インサイドセールスとフィールドセールスによる適切なタイミングでのアプローチが実現するでしょう。
リードの定義についても企業ごと、部署ごとに概念が異なる場合があります。リードの定義方法については、以下の記事に詳しくまとめました。
まとめ
組織におけるマーケティングの役割は、いかにリードを創出するかにあります。そのため、効果的にマーケティングを行うために、メンバー全員の認識を合わせておくことが大切です。
MQLの概念を導入すれば、最適なタイミングで質の高いリードを営業部門にパスできるようになり、BtoBビジネスの営業活動効率化が実現します。MQLに引き上げる施策に注力すれば、利益の最大化にもつながるでしょう。
マーケティング部門と営業部門のシームレスな連携も意識しながら、TQL・SAL・SQLなどの概念を取り入れた新しい営業スタイルへの移行も検討してみてください。
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