正しいビジネスメールを作成できていますか? メールの最後に締めの言葉を入れることはビジネスマナーの基本です。
「取引先」「上司」「同僚」「部下」と相手に合わせて、締めの言葉を使い分けられるようになれば、相手に良い印象を与えられて信頼関係が築きやすくなります。逆に、締めの言葉が上手く使用できなければ、ビジネスマナーが理解できない人だと思われてしまうでしょう。
今回はビジネスメールの締めの言葉について解説します。この記事を読めば、相手に送るメールをブラッシュアップすることができるため、ぜひ参考にしてみてください。
ビジネスメールの締めの言葉とは
締めの言葉とは、メールの要件を伝えた後に締めくくるための文です。
メールを送る相手に見合う言葉を選ぶことで、相手に配慮しながら仕事を進めていることを伝えるために存在するものです。逆に要件だけを伝えるメールでは、素っ気ない印象を相手に与えてしまいます。
そのため、社外だけでなく、社内の人に送るメールにも「締めの言葉」を添えるようにしましょう。
ビジネスメールの締めの言葉の重要性
締めの言葉を添えなければいけない理由は、以下の2つです。
相手に好印象を与えるため
メールの末尾の締めの言葉は記憶に残りやすいです。それだけでなく、締めの言葉を省いてしまうと、一方的な印象を与えてしまい、勘違いされてしまう恐れがあります。
このようなトラブルを防止するために、「取引先」「上司」「同僚」「部下」など相手、状況に見合った言葉を選ぶことが大切です。
相手に次のアクションを促すため
締めの言葉は、相手にリマインドするために書くこともあります。例えば「お手隙の際にご確認をよろしくお願いいたします」「お忙しいところ誠に恐縮ではございますが、来週月曜までにご返信いただけますと幸いです。」と感じ良くアクションを促すことも可能です。
とくに、企業の管理職、経営者は1日に何十通とメールを受け取っているケースが多いです。そのため、催促をしなければ、読まれるだけで返信がもらえない場合があります。このような業務ロスを防ぐために、相手に次のアクションを促すのです。
ビジネスメールの締めの言葉の鉄則アイデア
締めの言葉を使用する重要性は理解して頂けたと思いますが、相手に好印象を与えるためにはどうすれば良いのでしょうか? 次に、相手に好印象を与えるメールの締めの鉄則アイデアをご紹介します。
相手と状況に応じて使い分ける
締めの言葉は相手と状況に応じたものを使う必要があります。
「取引先」「上司」「同僚」「部下」によって、言葉は変えることが大切です。例えば、同僚や部下に対して「何卒よろしくお願い申し上げます」と畏まった言葉は不自然です。逆に取引先に対して「以上、報告です」と簡略な言葉は失礼にあたります。
相手と状況に応じた言葉を使い分けられないと「ビジネスマナーについて理解していない人だ」と思われてしまいかねません。そのため、相手と状況に応じて使い分けるようにしましょう。
クッション言葉を使う
メールはテキストのみで表現してやり取りをします。顔の表情や声のトーンなどでニュアンスを伝えることができないため、相手がメールを受け取って、どのように感じるかを考えて文章を選ばないといけません。
そのため、メールで相手に催促する場合はクッション言葉を使用して配慮する必要があります。
「お手数ですが、ご確認をよろしくお願い致します。」「大変恐れ入りますが、ご連絡をお願いいたします。」などクッション言葉を使用すれば、次のアクションを促しやすくなります。
メールが長くなったことをお詫びする
相手に伝えたい内容が多くあり、メール文が長くなることがあります。このような場合は、メールの末尾でお詫びをしておくと、悪い印象を与えずに済みます。その際は「メールが長くなってしまい申し訳ありませんが、ご確認の程よろしくお願いします。」「長文になってしまい申し訳ございませんが、ご検討のほどよろしくお願いいたします。」などの言葉を使用するようにしましょう。
メールの長文は、一般的に10行以上を指します。そのため、メールの内容が10行以上になった場合は、お詫びを伝えておくようにしましょう。
返信不要と伝えるときも締めの言葉を使用する
業務報告をしたり単純に感謝を述べたりしたりとき、自分からメールを終わらせたいケースがあります。
メールの返信が不要だと述べたいときは、相手への気遣いだとしても「返信不要です」と書くのは辞めましょう。なぜなら、「返信不要です。」は無作法になってしまうためです。
「お忙しいと存じますので、このメールへのお返事はお気を遣われませんように。」「ご不明点がなければご返信には及びません。」などと柔らかく丁寧な言葉を使用するようにしましょう。
ビジネスメールの締めの言葉例文集
最後に実際に使用できる、締めの言葉の文例をご紹介します。ぜひ、ビジネスメールに利用してみてください。
定番フレーズの例文
ビジネスメールで頻繁に使われる定番フレーズには、以下のようなものがあります。
取引先・顧客 | ・この度の件につきましては、謹んでお礼申し上げます。 ・今後も変わらぬご厚誼を賜りますようお願い申し上げます。 ・何卒、よろしくお願い申し上げます。 ・引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。 |
上司 | ・まずはご報告させていただきます。 ・以上、何卒よろしくお願いいたします。 |
同僚・後輩 | ・以上、報告です。 ・よろしくお願いします。 |
上記のように「よろしくお願いいたします」で締めるのが基本ですが、この締めの言葉こそ好印象を残す重要な部分になります。
季節に合わせた一言を添えた例文
暑中見舞いや寒中見舞いなど、取引先や顧客に気遣いの言葉を含めることで、相手からの印象アップを図れるでしょう。季節に合わせた一言は、基本的に社内の人には使用しません。
取引先・顧客 | ・今年度も〇〇様には、大変お世話になりました。暑い日が続きますが、どうぞご自愛ください。 ・寒暖差の激しい時期になりますが、〇〇様のご健勝を心よりお祈り申し上げます。 ・梅の便りが聞かれる昨今、〇〇様のご健勝を心よりお祈りいたします |
対面の約束があるときの例文
相手と対面の約束があるときこそ、感じの良さが重要になります。定番のフレーズに加えるだけで、ぐっと好印象になるので覚えておきましょう。
取引先・顧客 | ・お会いできることを楽しみにしております。 ・お会いできることが今から楽しみでございます。 |
対応のお願いをするときの例文
相手には、仕事関連の依頼はしづらいです。このような場合には、締めの言葉を書くことで謙虚な印象を与えられます。
取引先・顧客 | ・ご検討いただけますと幸いです。 ・お忙しいところ大変恐縮ですが、ご連絡をお待ちしております。 ・ご査収のほど、よろしくお願いいたします。 ・勝手なお願いで大変恐縮ですが、よろしくお願い申し上げます。 |
上司 | ・ご検討をお願いいたします。 ・お忙しいところ申し訳ありませんが、ご連絡をお待ちしております。 ・ご確認のほど、よろしくお願いします。 ・お手数ですが、〇月〇日までにご返信いただけますと幸いです。 |
同僚・後輩 | ・ご確認をお願いします。 ・ご連絡ください。 ・ご協力をお願いします。 |
謝罪・お詫びをするときの例文
相手に謝罪やお詫びをしたい場合は、印象が残る締めの言葉にもお詫びを添えておくようにしましょう。
取引先・顧客 | ・心よりお詫び申し上げます。 ・この度は、ご迷惑をかけてしまい、誠に申し訳ございませんでした。今後は二度と問題が発生しないように、再発防止に全力で取り組む所存です。 ・何卒ご容赦くださいますよう、お願い申し上げます。 |
上司 | ・ご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。二度と問題が発生しないように、再発防止に努めます。 |
同僚・後輩 | ・ご迷惑をおかけしました。 ・誠に申し訳ございません。 |
お断りをするときの例文
相手の提案をお断りするときは、柔らかい印象を与えられる締めの言葉を選ぶようにしましょう。
取引先・顧客 | ・大変、魅力的な内容ではありますが、〇〇のため、貴社のご要望には応えかねます。またの機会がございましたら、ぜひよろしくお願いします。 ・ご期待に添えず誠に申し訳ございません。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。 |
上司 | ・とても興味深い内容ですが、他のプロジェクトが進行中で対応できません。 |
同僚・後輩 | ・またの機会にどうぞよろしくお願いいたします。 |
まとめ
ビジネスメールの締めの言葉とは、メールの要件を伝えた後に締めくくるための挨拶です。メールを送る相手に見合うものを選ぶことで、相手に配慮しながら仕事を進めていることを伝えられます。
この記事では、締めの言葉の重要性から、使う際のポイント、文例をご紹介しました。ぜひ、この記事を参考にしながら、締めの言葉を使用してみてください。
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