インサイドセールス

BtoBビジネスの受注確度を上げる!リードナーチャリングの手法とは?

インターネットの普及により、顧客自身で商品を「検索」「比較」「検討」できるようになりました。その結果、顧客の購買プロセスは複雑化しており、商品購買までの期間は長期化しています。

従って、企業は見込み顧客との接点を持ち続け、他社に顧客が流れないように注意しなければいけません。 

見込み顧客と適切に接点を持ち続け、良好な関係を構築していく際に役立つマーケティング手法がリードナーチャリングです。今回は、BtoBビジネスの受注確度を上げるリードナーチャリングについて詳しく解説していきます。

リードナーチャリングとは

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リードナーチャリングとは、見込み顧客が商品やサービスを「検索」「比較」「検討」している最中に最適なコミュニケーションを図り、購入や契約に繋げるためのマーケティング手法です。

リードナーチャリング とは?

リードナーチャリングとは、マーケティングや営業の施策で獲得したリード(リードジェネレーション)を育成して、成約に繋げるマーケティング手法のことをいいます。
リードナーチャリングは単にリードの購買意欲を刺激するだけでなく、リードがどんな課題を抱えているか理解し、ニーズを顕在化した上で、それに見合ったソリューション(解決策)を提供することをいいます。
リードナーチャリングの手法として一般的なのは、メルマガ、セミナー、Webコンテンツ、テレマなど中長期的なコミュニケーションを継続し、検討度が上がったタイミングを判定して商談に繋げるというものです。
SNSやオウンドメディアを積極的に活用する企業も増えています。

◆関連用語

リードナーチャリングのメリット

リードナーチャリングは、商品購買までの期間が長いBtoBビジネスにおいて有効なマーケティング手法です。

BtoBビジネスでは、商品購入の意思決定に複数名の関係者が関与していることが多く、商品購買までの期間が長くなります。また、BtoCと比べてBtoBビジネスの対象となる見込み顧客の数は限られています。そのため、きめ細かなフォローをして信頼関係を構築し、競合他社に顧客が流れないように工夫しなければいけません。

見込み顧客をフォローすることで、休眠顧客を掘り起こして優良顧客化するなどの効果も得られます。 

リードナーチャリングの手順

見込み顧客と接点を持ち関係を構築していくリードナーチャリングは、基本的には5つの手順で行われます。

  1. 見込み顧客の情報を一元管理する
  2. 見込み顧客の情報をセグメント化する
  3. セグメント化した見込み顧客の課題を把握する
  4. コンテンツを作成する
  5. 見込み顧客に有益な情報を提供して信頼関係を構築する 

1.見込み顧客の情報を一元管理する

見込み顧客の情報を獲得する機会は、ホームページからのお問い合わせや展示会での名刺交換などさまざまです。そのため、見込み顧客の情報はあちこちに分散しがちです。

リードナーチャリングの第1歩目は、分散した情報を1つにまとめることです。管理項目を決めて、各チャネルで得た見込み顧客の情報を一元管理する必要があります。

 2.見込み顧客の情報をセグメント化する

見込み顧客の情報を整理できたら、属性や行動フェーズに応じてセグメント化してください。セグメント化の方法には、以下のようなものがあります。

  • 地理的変数:国、気候、人口密度、文化、生活習慣、宗教
  • 人口動態変数:年齢、性別、職業、所得、学歴、世帯、属性
  • 社会的心理的変数:性格、価値観、嗜好、ライフスタイル
  • 行動変数:購買状況や経路、頻度、商品に対する知識や態度、使用場面 

BtoBビジネスの場合には、「行動変数」でセグメント化するとナーチャリングが行いやすいです。

3.セグメント化した見込み顧客の課題を把握する

セグメント別に顧客が抱えている課題を把握していきましょう。

具体例をあげると、Webシステムを検討する際に、検索段階の顧客は「システムの選び方がわからない」と悩みを抱えているかもしれません。その一方で、検討段階の顧客は「成功事例など導入の決め手となる情報が欲しい」と悩みを抱えていることが多いです。

このように、セグメント別の課題を把握して提供すべき情報は何かを考えていきます。

4.コンテンツを作成する

セグメント別に提供すべき情報を明確にしたら、コンテンツへ反映していきます。コンテンツと一括りに述べても種類はさまざまです。後で詳しく説明しますが、メールやWebコンテンツ、SNSなどがあります。そのため、顧客の課題や自社の運用方法に合うコンテンツを作成します。

 5.見込み顧客に有益情報を提供して信頼関係を構築する

見込み顧客に提供するコンテンツを配信したら、最適なタイミングで情報提供していきます。デジタルツールの登場により、見込み顧客の動向追跡(トラッキングが行えるようになりました。Web閲覧履歴など各顧客の行動が可視化できるようになったため、精査して適切なタイミングで情報提供し、見込み顧客と信頼関係を構築していきます。

リードナーチャリングの3つのポイント

リードナーチャリングを行う際、3つのポイントを抑えるようにしましょう。

  1. 効果・検証をしてPDCAサイクルを回す
  2. 営業部門と連携を取る
  3. 自社に見合うデジタルツールを活用する

1.効果・検証をしてPDCAサイクルを回す

リードナーチャリングは、情報提供して信頼関係を構築して終わりではありません。ナーチャリングの各施策の効果測定を行うことも重要なポイントになります。さまざまな施策を試して、どれが効果的であるかを見極めることで、施策の費用対効果を上げていけます。 

2.営業部門と連携を取る

リードナーチャリングを行う場合は、営業部門がどのような見込み顧客の送客を希望しているか想像しながら見込み顧客を育成しなければいけません。

このような想像力が足りなければ、営業部門から「トスアップされた見込み顧客の質が悪い」など非効率な営業に陥ります。この問題を解決するために営業部門と連携を取り、どのような顧客を獲得していくべきなのかを話し合う場を設けてください。

3.自社に見合うデジタルツールを活用する

リードナーチャリングは、見込み顧客の情報を一元管理したり、セグメントに応じた情報提供をしたりします。これらの各業務はデジタルツールを活用することで効率化できます。

  • CRM…見込み顧客の情報を一元管理する
  • SFA…営業プロセスを一元管理する
  • MA…セグメント化した見込み顧客に対して情報を配信する
  • 通話アプリ…見込み顧客との通話の自動録音や、担当者別の営業手法を比較できる
  • オンライン商談ツール…オンライン上で商談ができる

デジタルツールの各製品には特徴があるため、導入前に無料トライアルで試してみることをおすすめします。

リードナーチャリングのアイデア6選

リードナーチャリングでは、コンテンツを用意することとアプローチ方法を考えていくことがポイントになります。どのようなアイデアがあるのでしょうか? ここでは、代表的なリードナーチャリングのアイデアをご紹介します。

1.インサイドセールス

インサイドセールスとは、LP閲覧や資料請求時など、適切なタイミングで電話をかけて見込み顧客と良好な関係を築いていく営業手法です。デジタルツールの登場により見込み顧客の動向追跡(トラッキング)ができたり、オンライン商談が一般的になったことから注目を集めています。

 

2.メール

見込み顧客に役立つ情報をメール配信して、リードナーチャリングを行います。メール配信は目的に見合う配信方法を選んでください。

  • ステップメール…見込み顧客の購買プロセスに対して段階的にメールを配信する手法
  • セグメントメール…特定の属性の顧客に絞り込みメールを配信する手法

3.Webコンテンツ

Webコンテンツを配信することで、見込み顧客との接点が持てます。Webコンテンツには以下のようなものがあるため、自社に見合った方法で役立つ情報を配信してみましょう。

  • オウンドメディア…お役立ちコンテンツなどを定期的に提供できる
  • YouTube動画…文字や画像では伝わりにくい情報が伝えられる

4.イベント

イベントを開催すれば見込み顧客と交流ができ、信頼関係を深められます。見込み顧客とコミュニケーションが図れるというのがイベントの大きな魅力です。その他のアイデアとの相乗効果も見込みやすいため、定期的にイベントを開催することをおすすめします。

  • セミナー…成功事例など全体に公開できない有益な情報を提供する
  • 展示会…商品やサービスを体験してもらうために開催する
  • 交流会…感謝の気持ちを込めて交流会に招待する

 5.SNS

SNS(Facebook・X(旧:Twitter)・Instagram)で、見込み顧客と繋がることで、商品やサービスの認知度向上が期待できます。

SNSはBtoCビジネスのみ有効なマーケティング手法と勘違いされがちですが、BtoBビジネスでも効果が出やすいです。身近な存在としての立ち位置を確保できれば、商品購入の際に声をかけてもらいやすくなります。

 6.リターゲティング広告

自社サイトや商品ページを閲覧した見込み顧客を追跡して広告を表示させていけば、より効果的にアプローチができます。その結果、顧客の記録に定着しやすく、興味が高まった段階で商品購入してもらいやすくなります。

まとめ

BtoBビジネスの場合は、商品購買までに複数名の関係者がいて、購入プロセスが複雑化・長期化しやすいです。また、インターネットの普及により、顧客が「検索」「比較」「検討」ができるようになりました。そのため、商品選定の誘導権は顧客側にあります。

インターネットの普及により購買プロセスは大きく変わったため、企業側は見込み顧客と接点を持ち信頼関係を築いていく必要があるのです。ぜひ、これを機会に、見込み顧客の育成を目的としてリードナーチャリングに取り組んでみてください。

Akala Note編集部


右も左もわからないままIT企業に入社。研修でテレアポ、テレマーケティングのおもしろさにはまり、インサイドセールス部門に配属を希望。法人営業、マーケティング部門も経験し、いまでは新人研修も担当する。BtoB営業・マーケティングのオールラウンダーをめざして奮闘中!

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