新規顧客開拓はビジネスにとって欠かせない要素です。しかし、相手にアポイントを取ること自体が難しく、なかなか顧客との接点を持てないとお悩みの方も多いのではないでしょうか。
そこで、効率的かつ確実に新規顧客開拓を進めるために、改めて「営業メール」が注目されています。
今回は営業メールの文面の工夫の仕方や、メール配信ツールの選び方など、新規顧客開拓を成功させるために必要なポイントを紹介していきます。
【この記事のまとめ】 - 営業メールに対して反応のあった企業だけにアプローチする「反響営業」ができる - タイトルと本文にはとことんこだわる - ツールで効果測定をして営業メールの型を見つける |
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営業メールがもたらすメリットとは
営業メールとは、自社のサービスや製品を宣伝するメールを企業へ向けて送ることをいいます。
自社の商品やサービスに関心があるユーザーかどうかを考慮せず、とにかく営業先の母数を増やして見込み顧客の獲得をめざす営業手法です。
ニーズの有無は不明なため、空振りになってしまうことも多いですが、それ以上に得られるメリットも多いです。営業メールがもたらすメリットをご紹介します。
効率的なアプローチが可能
PCからメールを送るので場所の制約がなく、1件1件電話をかける時間も必要ありません。相手の時間を奪わないというメリットもあります。
より多くのメールリスト(営業リスト)に対して効率的にアプローチできるので、新規開拓営業をするなら最適なアプローチ方法といえます。
成約率がアップする
多数の企業へ向けて営業メールを配信し、反応があった企業のみに絞り込んでさらに踏み込んだアプローチをする手法を「反響営業」と言います。
上の図の通り、メールに記載のURLをクリックする、資料請求をする、問い合わせをするなどのアクションのあった企業は、興味関心度合いの高い見込み顧客になるので、成約に近いといえます。
相手側のアクションを検知できる仕組みが必要になりますが、モチベーションを下げることなく新規顧客開拓に取り組めます。従来の飛び込み営業よりも、営業メールを活用した反響営業の手法が注目されているのも納得です。
▼反響営業について詳しく解説しています
▼飛び込み営業からインサイドセールスへシフトする企業が増えています
効果測定ができる
後ほど紹介するメール配信システムを使用すると、開封率やクリック率などの成果を測定することができます。
具体的な数字で可視化できるため、常に改善をすることができます。また、再現性の高い営業手法としてノウハウを蓄積することも可能になります。
▼メルマガの開封率の測定方法について分かりやすく解説しています
確実な反応を得るために必要なメール文面の工夫
メリットの多い営業メールですが、強いて言うなら「興味を引く内容でなければ読んでもらえない」ことがデメリットになります。
営業メールでいちばん重要なメール文面の作成方法について解説していきます。
タイトルの工夫
仕事をしていると、1日に何件もメールを受信します。件名を見て、「自分に関係がない」「営業メールだ」と思われると読まずに削除されてしまうでしょう。
開封してもらわないと意味がないので、開封率が上がるような件名を付けることが大前提です。以下の点に注意してみましょう。
- メリットが感じられる内容にする
- 緊急性を示す
- 数字を使う
- 自分宛のメールであると認識してもらう
例えば、以下の件名はどうでしょうか?
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この場合、「どのくらい開封率が上がるのだろうか?」「どういう点で簡単なのだろうか?」と疑問に思うものの、開封してみようと思うほどのインパクトはありません。
この件名を数字や言葉のインパクトを加えて工夫してみます。
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このように、明確な数字を使うだけでぐっと魅力的な件名になります。さらに、【メルマガ開封率が20%以下の方へ】【新規開拓営業必見!】などと、自分宛だと認識してもらう件名にするのも効果的です。
アイデアに行き詰ったら、話題のChat GPTを使ってみるのもいいかもしれませんね。質問文の作成にすこし工夫が必要ですが、改善案を作ってもらったらそのまま使えそうなものもありました。
ニーズに合わせた提案と読みやすい構成
件名を工夫しても、本文に魅力がなければ読者は離脱してしまいます。
メルマガの本文でニーズに合わせた提案を行いますが、できるだけシンプルで分かりやすく、読みやすい構成を心がけましょう。
本文の構成は日本一のマーケターといわれる神田昌典氏が提唱した「PASONAの法則」が有名です。このフレームワークを覚えておくと、迷うことなくメルマガが書けるようになります。
PASONAの法則 | 例文 |
【Problem:問題】 ユーザーが抱えている悩みや欲求を提起 | 「メルマガの開封率が上がらない」とお悩みではありませんか? |
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【Offer:提案】 解決策を導入してもらうための提案をする(無料お試しなど) | 通常は弊社のサービスをご利用いただいている会員様だけの特典ですが、今回に限り無料でご覧いただけます。 |
【Narrowing Down:絞込】 期間を絞り込み、今すぐ購買すべき理由を示す | ただし、このメールを受け取ってから24時間限定とさせていただきます。 |
【Action:行動】 行動してもらうように呼びかける | メルマガ術の閲覧はこちらから。今すぐ無料会員へご登録ください。 |
最後の【Action:行動】はとても大事です。後ほど詳しく解説しますが、具体的にどんなアクションをしてほしいのかを明確にしておきましょう。
適切な敬語の使用
メールは読みやすく、わかりやすいことが重要です。絵文字や環境依存文字は文字化けの可能性があるので使わないようにしましょう。
一文を長くしすぎないようにし、適切に改行を行うだけでも読みやすさがぐんとアップします。もちろん、基本的なビジネスマナーは遵守。
また、できあがった原稿は何人かで確認し、不適切な表現になっていないか、ダブルチェック、トリプルチェックを行いましょう。
営業メールで効率的な営業活動をするために必要なポイント
営業メールで成果を上げるためには、必ず実施したいポイントが4つあります。ひとつでも欠けてしまうと思ったような効果は得られません。
営業メールを活用した営業活動に必要なポイントをご紹介します。
1.メールリスト(営業リスト)の絞り込みを行う
営業メールを効果的に行うには、ターゲット像を明確にしておくことが大前提です。ターゲット像を絞ることで、メール本文のメッセージをより明確にすることもできるからです。
エリア、業種はもちろん、資本金、従業員数、売上高などの企業規模も絞り込みポイントになります。
さらに、求人をしているか、資金調達をしているかなども重要な営業シグナルになります。とはいえ自社の商材によって何が営業シグナルになるかは変わってきますし、最初から営業シグナルを見つけてリスト化するのは難しいです。
営業メールの効果測定を行いながら、独自の営業シグナルを見つけてみましょう。
営業メールの送信先はどこ? 営業メールの送信先メールアドレスは、「info@」で始まる企業の代表メールアドレスが多いです。 ひとつひとつ調べてリスト化するのも大変なので、営業リストを購入する方法が一般的です。営業リストを購入する際の注意点や費用相場については、以下の記事で詳しくまとめています。 ▶テレアポリスト・DMリストの作り方とは?どこから購入する?【営業リストの費用相場】 |
2.配信タイミングの設定
一般的に企業宛に営業メールを送る場合、始業前(7時~9時)、昼休み(12時~14時)、終業後(21~23時)に受信したメールの開封率が高くなる傾向があります。
メールボックスに埋もれてしまわないように、メール配信の時間帯にもこだわりましょう。
3.次のアクションの方法を決める
「資料請求」「会員登録」「無料トライアル」「面談(体面・オンライン)」など、CV(コンバージョン)を何にするかを決めて、次にどんなアクションをしてほしいかを具体的に記載するのがコツです。
4.効果測定を行う
営業メールで成果を上げるなら効果測定は欠かせません。どのようなアクションに対してどのような成果が得られたか、PDCAサイクルを回して改善を重ねていきます。
営業メールの効果測定の方法は2つあります。
- アクセス解析ツールを使う
- メール配信ツールを使う
アクセス解析ツールを使う
アクセス解析ツールを使う場合、メール本文にURLを挿入し、パラメータをつけてGoogleアナリティクスなどの分析ツールでクリック数をカウントします。
例えば、オリジナルURLが以下だとします。
ここに測定用のパラメーターを付けます。?以降の文字列がパラメータになり、それぞれ流入元がわかるように=以降に任意の文字を設定します。パラメーターをつけても遷移先は変わりません。
https://note.akala.ai/?utm_source=salesmail&utm_medium=email0601&utm_campaign=summer 【UTMパラメータの種類】 utm_source(流入元) utm_medium(流入元媒体) utm_campaign(キャンペーン) |
また、送信先ごとに固有の文字列を付けておくことで、誰がURLをクリックしたのかも分析可能です。URLをクリックした顧客のみに架電してフォローする、反響営業もできるようになります。
メール配信ツールを使う
メール配信ツールを使うことで、さらに効果測定が楽にできるようになります。
上記のUTMパラメーターを自動で付与できるものもありますし、簡単にhtmlメールが作成できるものもあります。htmlメールであれば「開封率」も自動で測定できるようになるので集計の手間がありません。
また、「配信停止」の受付・処理が簡単にできるものもあるので、使いやすそうなメール配信ツールを検討してみましょう。
おすすめのメール配信ツール
営業メールのメリットは一度にたくさんのメール配信ができることにあります。メリットを最大限に活かすためにも、集計の手間がないメール配信ツールを使用することをおすすめします。
効果測定がしやすいことはもちろん、営業リストを取り込んだり、SFAやCRMと連携することで業務効率化に繋がるからです。
お使いのメーラーを使って営業メールを送ることもできますが、この方法はあまりおすすめできません……。
例えば、宛先を自分宛にして、相手のメールアドレスをすべてBCCに入れる方法もあります。手軽なようにも思えますが、重複なくコピペする手間がかかりますし、操作ミスからメールアドレス流出の危険もあります。
メール営業を効率化するメール配信システム(メールスタンドとも呼ばれます)を6つご紹介します。
● blastmail● 配配メール
● SendGrid
● NEXLINK
● WiLL Mail
● AutoBiz
blastmail
株式会社ラスクライトクラウドのブラストメールは、11年連続で顧客導入数シェア1位のメル配信システムです。
シンプルで初心者の方でも使いやすく、低価格な点が人気です。上位プランでは5万アドレス以上の大規模配信も可能になり、専任担当による導入支援サポートやリストクリーニング機能も利用できます。
<主な機能> ・HTMLメール作成 ・効果測定ツール(開封率、クリック測定) ・迷惑メール対策 ・ターゲット配信(条件にマッチした宛先を自動追加) ・配信結果の確認(不達のメールアドレスの確認) ・空メール会員登録機能・ API 連携 料金:月額3,000円(3,000件)~ 無料トライアル:あり(7日間) 公式サイト:https://blastmail.jp/ |
配配メール
株式会社ラクスの配配メール(はいはいメール)は、マーケティングに特化したメール配信システムです。
シナリオメールや顧客ごとに最適な時間帯にメール配信をするメモリー配信、さらにはWebサイトに来訪した顧客へ自動でメールを送るトリガーメールや来訪通知など、ホットリード抽出のための機能が充実しています。
<主な機能> ・HTMLメール作成 ・セグメント配信(条件にマッチした属性に配信) ・ステップメール配信 ・クーポン配信 ・効果測定ツール(開封率、クリック測定) ・配信エラー解析 ・自動処理 ・空メール会員登録機能 ・メモリー配信 ・ABテスト配信 ・トリガーメール ・来訪通知 ・反応顧客のリスト化 ・登録・解除フォーム ・Google Analytics連携 ・ API 連携 料金:要問い合わせ 無料トライアル:あり(メールアドレス100件まで) 公式サイト:https://www.hai2mail.jp/ |
SendGrid
アメリカのTwilio社(日本代理店は株式会社構造計画研究所)のSendGrid(センドグリッド)は世界中のマーケターや開発者が使うメール配信システムです。
メールの配信や運用の自動化に特化し、メールの到達性を高めた機能が充実していることが特徴です。 API 連携が豊富で既存のシステムとの連携もしやすいです。
<主な機能> ・レスポンシブ対応HTMLメール作成 ・セグメント作成機能 ・効果測定ツール(開封率、クリック測定) ・配信停止管理 ・自動バウンス処理 ・テスト配信 ・ABテスト配信 ・ API 連携 料金:月額2,300円(40,000件)~ 無料トライアル:無料プラン(月12,000件まで) 公式サイト:https://sendgrid.kke.co.jp/ |
NEXLINK
株式会社ネクスウェイのネクスリンクは法人向け新規営業に特化したメール配信システムです。FAXDMが有名なのでご存じの方も多いかもしれません。
シンプルな操作性ながらも、URLをクリックしていない顧客にリマインドメールを送信できるなど、必要な機能が厳選されています。
<主な機能> ・HTMLメール作成 ・セグメント作成機能 ・効果測定ツール(開封率、クリック測定) ・リマインドメール機能 料金:月額2,000円~ 無料トライアル: 公式サイト:https://faxdm.nexway.co.jp/ |
WiLL Mail
株式会社サパナのウィルメールは直感的な操作でHTMLメールが作れ、スマホにもレスポンシブで対応しています。
また、課金方式を選択できるため、使いたいときに使いたい分だけ使え、コストを抑えられることも特徴です。サポート機能も充実しているので、メール営業が初めての方も安心して取り組めます。
<主な機能> ・レスポンシブHTMLメール作成 ・マルチパート配信(受信者の環境に応じてHTMLメールかテキストメールを表示) ・ターゲットメール ・ステップメール ・効果測定ツール(開封率、クリック測定、コンバージョン分析) ・配信停止機能 ・Google Analytics連携 ・ API 連携 料金:月額4,000円~ 無料トライアル:あり(14日間) 公式サイト:https://willcloud.jp/ |
AutoBiz
株式会社ビズクリエイトのオートビズは、リーズナブルな料金と豊富な機能が特徴の老舗のメールマーケティングシステムです。
特徴的なのはオートビズとLINE公式アカウントを連携することで、オートビズからLINEを配信できる機能が搭載されていることです。
<主な機能> ・HTMLメール作成 ・フォーム作成(申込、クレジット決済など) ・ステップメール ・メルマガ ・バースデーメール ・LINE配信 ・効果測定ツール(開封率、クリック測定、コンバージョン分析) ・配信停止機能 ・Google Analytics連携 ・ API 連携 料金:月額1,815円~ 無料トライアル: 公式サイト:https://autobiz.jp/ |
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まとめ
営業メールは、新規顧客開拓において欠かせないツールです。この記事で紹介した4つのポイントを押さえて、効率的な営業活動を進めていきましょう。
しかし、反応を得るためにはメール文面の工夫や計画的な配信はもちろん、営業メールからどうやって商談に繋げていくか、効果測定はどうするのかをプランニングすることも忘れてはなりません。
カスタマージャーニーマップを作成して、成約までの道筋と接点を洗い出してみることも大切です。「BtoBビジネスにおけるカスタマージャーニーマップの作り方とは?」の記事を参考に、どんな方法があるか考えてみましょう。
カスタマージャーニー とは?
カスタマージャーニーとは「顧客体験」という意味で、顧客の行動や思考、感情(ペルソナ)を分析し、購入や利用に至るまでの行動を時系列的に可視化したものです。
直訳すると「顧客の旅」であり、顧客が商品やサービスを、どのように知り、関心を持ち、購入に至るのかという道筋を「旅」に例えています。
マーケティング用語であり、現代の販売促進において重要な役割を担っているのです。
現在はネット社会であり、顧客やユーザーは瞬時に複数のチャンネルを横断することができるようになりました。
顧客の行動が複雑化することで、顧客との接点を把握することが難しくなったのです。
カスタマージャーニーマップを作成することによって、顧客を深く理解し、俯瞰してみることで課題に気づき、適切に解決することでブランド価値の向上に繋がります。