いま注目を集めているマーケティング手法「ABM(アカウント・ベースド・マーケティング)」をご存知ですか?
ABMを導入することで組織全体の売上を伸ばすことができるため、多くのBtoB企業が取り組み始めています。
売上が伸ばせるABMとは何なのでしょうか? 今回はABMがどのようなマーケティング手法なのか、そのプロセスやメリットをわかりやすく解説します。
ABMとは?
ABM手法が登場したのは2000年初頭。ABMとは、Account Based Marketing(アカウント・ベースド・マーケティング)の略語で、BtoB企業にとって優良な企業(アカウント)を選別し、それぞれの企業に合わせたマーケティング戦略を展開する手法です。
■ABMの手法
従来のマーケティング手法と異なり、ABMでは見込み顧客を広く集めてから絞り込むのではなく、最初からターゲットとなる企業を明確に定め、その企業に合わせた個別施策を実行していきます。
社内に蓄積された優良顧客データを分析して、ポテンシャルやステータスから、どのような企業をターゲットにすれば利益が最大化するかという視点で判断します。
■ターゲット顧客を選別するために必要なデータ
ポテンシャル | ステージ |
年間売上 業種 業態 社員規模 資本金 | 潜在 顕在 商談 商談後 案件化 受注 |
BtoB企業がABMを重要視する理由
マーケティング手法であるABMはなぜ、注目されているのでしょうか? ここでは、BtoB企業がABMを重視する理由についてご紹介します。
1.デジタルツールの普及
ABMに取り組むには、自社にとって優良顧客とはどのような企業かを見極める必要があります。
デジタルツールが普及していない頃は、ターゲットとなる見込み顧客の分析だけでなく、施策の実行にも莫大な時間が必要でした。経験や勘も必要でしょう。そのため、2000年代の初頭にABMが注目されたものの、あまり浸透しなかったのです。
近年では、SFAツール(営業支援ツール)、CRM(顧客管理システム)でデータを瞬時に分析できるようになりました。また、MAツール(マーケティングオートメーションツール)でマーケティング施策を自動化できるようにもなりました。
このようなデジタルツールが低価格で、しかも専門知識がなくても扱えるようになったことにより、ABMが再注目されているのです。
★ツールについては以下の記事で詳しく解説しています
顧客の購買プロセスの変化
インターネットの普及により、顧客の購買プロセスは変化してきています。
顧客はインターネットを活用して、商品を比較・検討できるようになりました。このような顧客と信頼関係を構築するためには、One to Oneマーケティング(顧客1人ひとりに合わせたマーケティング)が必要です。
それぞれの顧客が求めている情報をタイミング良く提供することで、信頼関係が築けて自社商品を検討してもらえるようになります。
企業間でもこのようなOne to Oneマーケティングを行うために、ABMに取り組む企業が増えてきているのです。
新型コロナウイルス感染拡大による影響
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、非対面ビジネスが推奨されました。
マーケティング活動では、展示会やオフライン広告の効果が得られにくくなり、オンライン営業やでデジタル広告に注力する企業が増えてきました。
このような背景により、マーケティング活動を見直す企業が増えて、売上の最大化が狙えるマーケティング手法ABMが再注目されてきているのです。
BtoBマーケティングでABMを導入するメリット
ABM導入で、どのような効果が見込まれるのでしょうか? 次に、BtoB企業がABMを導入するメリットについて解説します。
売上に繋がる顧客の対応に集中できる
ABMはポテンシャルとステータスを調査してターゲットとなる顧客を選定し、アプローチを図るマーケティング手法です。
大きな売上に繋がる顧客を獲得するためのマーケティングや、受注確度が高い顧客と契約を締結するための営業活動に集中しやすくなります。
どの顧客を優先的にアプローチしていくべきなのか、優先順位を判断できるようになり、スムーズな営業活動が行えるようになります。
より効果的な施策が打てる
ABMは優良顧客を絞り込んでアプローチしていく手法のため、顧客ごとに費やせるリソースが増えます。各顧客に対する理解が深められ、ニーズに見合う施策が打てるようになります。
不特定多数に発信された情報より、自分だけに提供された情報の方が刺さりやすい傾向があります。そのため、よりパーソナライズされた施策を行うことで、高い成約率が期待できるようになります。
部門連携がスムーズになる
一般的な営業活動では、マーケティング部門と営業部門の業務分けがされています。
- マーケティング部門…見込み顧客の獲得や育成
- 営業部門…顧客との商談、契約締結
上記のように業務が分けられているため、各部門で情報共有がうまくいかず、連携に失敗する企業も珍しくありません。
しかし、ABMに取り組めば「優良顧客と商談するためには何が必要なのか?」と部門を超えて話し合えるようになります。そのため、結果としてマーケティング部門と営業部門の連携がスムーズになります。
ABMに取り組む方法
ABMに取り組む方法は、以下のような手順になります。 ここでは、それぞれの手順について詳しく解説します。
1.ABM導入が必要か判断する 2.ABMチームを作立ち上げる 3.ターゲットアカウントを選定する 4.決裁者やキーパーソンを見つける 5.アプローチ方法を決定する 6.施策の実行と効果測定をする |
1.ABM導入が必要か判断する
マーケティング手法であるABMは、向き不向きがあります。そのため、最初にABMに取り組む必要があるかを判断してください。
例えば、自社の商品が多種多様な業種の企業に必要とされている場合は、ABMに取り組んでも効果が見込みにくいです。
また、自社に顧客データが蓄積されていなければ、どのような顧客が優良顧客になるか分析できません。そのため、ABMが向いているかどうかを判断しましょう。
2.ABMチームを立ち上げる
ABMに取り組む場合は、ABMチームの作成が必要不可欠です。ABMチームのメンバーで「どのような顧客に向けて」「どのようなタイミングで」「どのようにアプローチ」していくかを考えていきます。
ABMチームがリードして、マーケティング部門と営業部門をまとめる役割を担うことで、成果が出てきます。
マーケティングと営業の各部門がABMの施策を考えてしまうと、業務効率が悪くなってしまいがちです。そのため、ABMに取り組む前にチームを作りましょう。
3.アカウントリストの選定する
次に、アカウントリストを作成していきます。社内に蓄積されている顧客データを分析して、どの顧客から優先してアプローチしていくかを考えていきます。業務効率化のためにも優良顧客をリスト化しておきましょう。
見込み顧客の獲得をする場合は、どのような顧客が優良顧客となっているかを分析して、類似の企業に向けてアプローチをかけていきます。
4.決裁者やキーパーソンを見つける
優先してアプローチする顧客をリスト化したら、担当者の情報を確認してください。
経営者や事業部長など、商品購入の決裁権を持っている人と繋がっている場合は、優先度を上げてアプローチしていきます。決裁者にアプローチすれば、受注までの期間が短くなるためです。
5.顧客に届けるメッセージを決める
誰にアプローチすべきかを決めたら、どのようなメッセージを送ればよいかを明確にしていきます。
顧客の現在のステータスや抱えている課題から、どのようなメッセージを発信すれば刺さるのかを考えましょう。メッセージを決めたら定期的に発信していきましょう。
6.効果測定
顧客にアプローチしたら、効果測定をしてください。効果測定では、以下のような数値を参考にします。
[効果測定の例]
- 意思決定者との接触回数
- 商談回数
- 既存顧客のLTV(顧客生涯価値)
MAツールやSFAツールなどのデジタルツールを活用して効果測定をすることもできます。
まとめ
今回は、注目を集めるマーケティング手法である「ABM」について解説しました。
MAツールやSFAツールのデジタルツールの普及により、顧客データの分析がしやすくなったため、ABM導入のハードルはぐっと下がっています。
ABMに取り組めば、優良顧客を優先してアプローチできるようになり、売上を最大化することに繋がります。
ABMに取り組む前に、自社にとっての優良顧客とはどんな顧客か、分析してみることも大切です。ぜひこの機会に自社のマーケティング戦略について見直してみましょう。
ABM/アカウントベースドマーケティング とは?
ABMとはAccount Based Marketingの略で「アカウントベースドマーケティング」と呼びます。
BtoB企業におけるマーケティング戦略のひとつで、アカウント=企業をターゲットとして設定してアプローチを行います。
現在のマーケティング活動の主流はリード=個人を対象としていますが、ABMはこのマーケティング活動と対局にある考え方であると言えます。
ABMの目的は、自社にとって有益な顧客を選別して、顧客に合わせた最適な戦略を立案することで利益を最大化することにあります。
そのため、幅広い見込み顧客に均一的なアプローチをするのではなく、顧客とするターゲットをアカウント(企業)レベルで設定し、マーケティング及び営業リソースを集中させることによって顧客ごとに最適化されたマーケティングを展開します。
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