顧客と良好な関係を構築する役割を担う インサイドセールス は、 SaaS 企業と相性が良いことをご存知ですか?
SaaS事業を展開する上でインサイドセールス部門は欠かせません。インサイドセールスを導入することで、営業効率が上がり売上を伸ばしていけるでしょう。
今回はSaaS事業と相性抜群のインサイドセールスについて詳しく解説します。この記事を読めば、インサイドセールスで営業効率化や売上アップする方法がわかるようになるため、ぜひ参考にしてみてください。
SaaSとインサイドセールス
SaaSとインサイドセールスはなぜ好相性なのか考える前に、まずは、それぞれの意味を確認しておきましょう。
SaaSとは
SaaS(Software as a Service)とは、クラウド上にあるソフトウェアを必要な分だけ利用できるサービスのことを指します。
SaaSの特徴は月額課金形態(サブスクリプション)のビジネスモデルで、不要になればプラン変更や解約ができることです。長くサービスを利用してもらうには、顧客と良好な関係を築く必要があります。
以下のような代表的なサービスがあります。
SaaSの代表的なサービス
ビジネスチャット | Slack、Chatwork、Microsoft Teams |
Web会議 | Zoom、Skype、Google Meet |
CRM システム | Salesforce Sales Cloud、eセールスマネージャー、Remix Cloud |
MA ツール | Adobe Marketo Engage、Pardot、KARTE |
会計ソフト | マネーフォワード クラウド、freee会計、やよいの青色申告 |
SaaS/PaaS/IaaS とは?
SaaSとはSoftware as a Serviceの略で「サース」と読みます。
従来はパッケージ製品として提供されていたソフトウェアを、クラウドサービスとして提供されている製品のことを指します。
有名なところでは、Gmail、Googleドライブ、Googleカレンダー、GoogleドキュメントもSaaSまたは食ラウドサービスです。
また、PaaSとはPlatform as a Serviceの略で「パース」と読みます。
主に開発者向けのサービスで、アプリケーションを実行するのに必要なランタイムやデータベースなどのミドルウェアをクラウドサービスとして提供するものを指します。
さらにIaaSはInfrastructure as a Serviceの略で、「イァース」「アイアース」と読みます。
サーバー、ストレージ、ネットワークといったインフラをクラウドサービスとして提供するサービスを指します。
◆関連用語
インサイドセールスとは
インサイドセールス とは、客先を訪問する営業手法とは異なり、電話やメールで顧客とコミュニケーションを取り、良好な関係を構築する役割を担います。
インサイドセールス部門はアプローチと顧客育成、営業部門は商談と業務に集中できるようになり業務効率化が図れるようになります。
インサイドセールス/フィールドセールス とは?
インサイドセールスとは営業形態のひとつで、見込み顧客をリスト化してアポ取り、訪問、クロージングまでの営業業務のうち、非対面で行える業務を「インサイドセールス」として区別しています。
「内勤型営業」とも呼ばれ、おもにSDR(反響型・PULL型)とBDR(新規開拓型・PUSH型)のふたつの手法があります。
SDRはホームページやフォームからの問い合わせに対してアプローチする営業手法、BDRはこちらを認知していない企業に対して飛び込み的にアプローチする営業手法のことをいいます。
インサイドセールの対義語としてフィールドセールスがありますが、フィールドセールスとは「外勤型営業」とも呼ばれ、相手先を訪問して行う営業の形態を指しています。
インサイドセールスが獲得した見込み顧客に対して、フィールドセールスが訪問や商品説明などを通じてクロージング活動を行い、連携して成約を獲得する手法が一般的です。
◆関連用語
SaaSでインサイドセールスが重視される理由
SaaSは顧客と良好な関係を築き、長くサービスを利用してもらうことで売上を伸ばしていけます。サービスの契約が取れても、サポートせずに放置してしまうと「システムの操作がしづらい」「理想の成果が見込めなかった」などの理由で解約されてしまうでしょう。
しかし、インサイドセールスが顧客と定期的にコミュニケーションを取れば、各自の悩みを聞き出せてフォローすることができ、結果として継続利用に繋がります。
このような効果が見込めるため、SaaS事業ではインセイドセールス部門を立ち上げるべきなのです。
SaaSとインサイドセールスの相性が良い理由
SaaSとインサイドセールスは非常に相性が良いため、SaaS事業ではインサイドセールス部門の立ち上げが欠かせません。ここでは、SaaSとインサイドセールスの相性が良い理由をご紹介します。
オンライン営業でもSaaS契約率が高い
SaaSはインストール型サービスと比較すると、非常にリーズナブルな価格です。数百円や数千円の月額料金で利用できるサービスもあり、導入のハードルが低い傾向があります。
数十万円するサービスを導入する場合は、営業担当者に会って詳しい話を聞いた上で検討したいのではないでしょうか?
しかし、SaaSはリーズナブルな価格で導入ハードルが低いため、インサイドセールスがオンライン施策でアプローチするだけで、導入に至りやすいです。このような傾向があるため、SaaSとインサイドセールスの相性が良いと言われています。
SaaSは顧客関係の育成が欠かせない
SaaSはサブスクリプション型サービスのため、不要だと思われたらプラン変更や解約されてしまいます。顧客フォローを怠ると、すぐに解約されてしまうでしょう。
しかし、インサイドセールスが顧客フォローすれば「操作方法がわかった」「理想の効果が見込めた」と状況が変わり、リピートしてもらえるようになります。
アップセルやクロスセルが見込める
インサイドセールスが顧客フォローすれば「よりグレードの高いプランを契約しようかな」「他のサービスも利用してみようかな」と思うきっかけが生まれ、アップセルやクロスセルが見込めるようになります。アップセルやクロスセルには、顧客フォローが欠かせません。
SaaS企業は営業リソース不足に陥りやすい
SaaS提供会社はベンチャー企業であるケースが多く、急成長するとリソース不足に陥ります。しかし、インサイドセールス部門を立ち上げて「見込み顧客の育成」と「商談」を切り分ければ営業活動が効率化できて、少ないリソースで営業組織が運用できるようになります。
SaaS企業のインサイドセールスの役割・業務とは
インサイドセールスの役割は見込み顧客の育成ですが、主な業務は以下の通りです。
リードナーチャリング(見込み顧客の育成)
リードナーチャリング とは見込み顧客の育成を意味します。
「顧客はどの購買プロセスにいるのだろうか?」「どのような情報(またはフォロー)を求めているのだろうか?」を考えて情報提供することで、相手と良い関係を構築していきます。
マーケティング部門と営業部門との連携
インサイドセールスはマーケティング部門と営業部門の橋渡しの役割を担います。
マーケティング部門が獲得したリード(見込み顧客情報)にアプローチして見込み度を高め、商談機会を創出できたら営業部門に引き渡します。
顧客ニーズの共有
インセイドセールスは顧客と対話するため、さまざまな声を聞くことができます。顧客から貴重な意見を収集したら全社に共有して、商品開発や販売手法などに活かすことで企業競争力を高めていけます。
SaaSにおけるインサイドセールスの施策とは
インサイドセールスは見込み顧客と良好な関係を築き、商談の機会の創出を担いますが、主な施策には以下のようなものがあります。
インサイドセールスの施策
- メール
- 電話
- セミナー
- ホワイトペーパー
- SNSアカウントの情報発信
- オウンドメディア運営
SaaS商材のインサイドセールスに求められるスキル
SaaS商材のインサイドセールスは4つのスキルが求められます。
1.ITリテラシー
まずは、システムを操作できるITリテラシー能力です。インサイドセールスは見込み顧客との関係を育成する上で、以下のようなツールを活用します。
- オンライン商談ができる「Web会議ツール」
- メール配信業務を行うための「 MAツール」「メール配信ツール」
- マーケティング部門や営業部門と情報共有するための「 CRM / SFA ツール」
- 顧客と気軽にコミュニケーションするための「SNS」
そのため、ITリテラシー能力が求められます。
2.自社商品・他社商品の知識
2つ目が、顧客から信頼を勝ち取るための自社商品・他社商品に関する知識です。詳しい知識を持っており、顧客が知りたい情報を即座に回答することで、信頼されやすくなります。
さらに他社商品の知識も身につけておくと、商談の幅が広がり、成果を上げやすくなるでしょう。
3.コミュニケーション能力
3つ目が、正しく情報を伝えたり、相手の話の意図を汲み取ったりするためのコミュニケーション能力です。
とくに、インサイドセールスはオンライン上でコミュニケーションを取るため、意思疎通にはコツが必要になります。そのため、よりわかりやすく伝え、顧客の意図が汲み取れるスキルが必要になります。
4.ヒアリング能力
4つ目が、限られた時間で顧客 ニーズ を把握するためのヒアリング能力です。顧客ニーズには顕在ニーズと潜在ニーズがあり、各段階に応じた提案が必要です。
このような判断をするためには、顧客から話を聞き出して、顕在ニーズなのか潜在ニーズなのか見極められるようになる必要があります。
まとめ
SaaSは顧客と良好な関係を築き、長くサービスを利用してもらうことで売上を伸ばしていけます。つまり、インサイドセールスで顧客とコミュニケーションを取り続けていき、良好な関係を維持することが重要になります。
今回はSaaS事業におけるインサイドセールスの役割や業務、必要なスキルをご紹介しました。ぜひ、この記事を参考に顧客との関係構築に役立ててください。
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