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カスタマーサクセスのタッチモデルとは?ハイタッチ・ロータッチ・テックタッチの手法を解説

近年カスタマーサクセスに取り組む企業が増えています。

カスタマーサクセスで大切なのは、顧客をセグメントして効率的にアプローチすること。ポテンシャルに応じてハイタッチ」「ロータッチ」「テックタッチ」の3つにタッチポイントをわけて考えます。

今回はカスタマーサクセスの基礎知識と、ハイタッチ・ロータッチ・テックタッチの各タッチポイントごとの施策についてわかりやすく解説します。より価値あるビジネスを届けながら自社も成長したいという企業におすすめです。

カスタマーサクセスとは

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カスタマーサクセス(Customer Success)とは、自社が提供する商品やサービスを通じて、顧客が抱えていた課題が解決されたこと、売上アップなどビジネスの実績に繋がったことをいいます。

成功の形は色々あるため、カスタマーサクセスをどう定義するかがこの取り組みの重要なポイントとなります。

ではカスタマーサクセスの本質は何かというと「顧客を成功へと導くための取り組み」です。前述のように成功の形は色々あるので、まずは顧客が何を成功と考えているかを知り、定義し、それに向けたサポートを展開することがカスタマーサクセスの役割です。

カスタマーサポートとカスタマーサクセスの違い

カスタマーサクセスはカスタマーサポートと混同されがちですが、大きな違いはサポート方法が能動的か受動的かにあります。

カスタマーサクセスではビジネス提供側が能動的に動いて顧客の成功をサポートし、双方にとって良い結果を生み出してロイヤリティを高めていくことが目的となります。

カスタマーサポートは顧客から寄せられる問題や疑問の解消、クレームの対応を通じて満足度を上げていくことが目的になります。

以下の記事でわかりやすく比較表にまとめているので、ぜひご覧ください。

タッチモデルのハイタッチ・ロータッチ・テックタッチとは

ハイタッチ/ロータッチ/テックタッチ とは?

ハイタッチ・ロータッチ・テックタッチとは、LTV(顧客生涯価値)を指標に顧客を3つの層に分けて最適なアプローチをする手法のことをいいます。
ハイタッチはLTVが最も高い顧客層、ロータッチは中間層、そしてテックタッチは低LTV層を表してます。
企業のリソースは限られているため、ハイタッチ層にリソースを集中するのが一般的です。
例えば、ハイタッチ層には専任の担当者が寄り添ってサポートをする、ロータッチ層は兼任の担当者やオンラインコミュニケーションでアプローチをします。
テックタッチ層はより多くの顧客が対象になるため、テクノロジー(ITツール)を活用して、アップセルやクロスセルを狙っていきます。

◆関連用語

カスタマーサクセスで大切なのは「顧客の成功と、自社ビジネスの成長を両立すること」です。つまり、顧客の成功をサポートしつつもそれは採算度外しの取り組みではなく、しっかりと自社ビジネスの成長へ繋がるものでなければなりません。

そのためカスタマーサクセスでは、期待できる効果に応じて顧客をセグメントして考えます。そのセグメント方法をタッチモデルといい、LTVの高低に合わせて「ハイタッチ」「ロータッチ」「テックタッチ」と呼びます。

そうすることでリソースを最適に振り分けることができ、より効率的なアプローチができるようになります。

カスタマーサクセスの目的はLTVの最大化

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LTV(顧客生涯価値)を指標に顧客を「ハイタッチ層」「ロータッチ層」「テックタッチ層」にセグメントして最適なアプローチをする手法のことを「カスタマーサクセスのタッチモデル」または「タッチポイントを分ける」といいます。

ハイタッチ・ロータッチ・テックタッチのセグメント方法

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LTVを最大化するための手法として最適なのが「LTV(顧客生涯価値)の高い顧客にリソースを集中する」ことです。ちなみにLTVとは、顧客が自社ビジネスに関わる全期間を通じてもたらす利益を数値化した指標のことです。

このLTVを顧客ごとに3つの層に分けるのがハイタッチ・ロータッチ・テックタッチの考え方になります。ハイタッチはLTVが最も高い顧客層、ロータッチは中間層、そしてテックタッチは低LTV層を表します。

LTVによるセグメントをどこにするかは、企業ごとに異なります。自社のKPIやKGIからセグメント方法を決めていきます。

ハイタッチ・ロータッチ・テックタッチにセグメントするメリット

LTVの高低に関わらず、いずれの顧客層も自社ビジネスにとって大切なことには変わりありません。テックタッチ層がハイタッチ層に転換することも十分に考えられます。それが、カスタマーサクセスの本質とも言えます。

しかし、企業のリソースは限られています。すべての顧客層に等しくカスタマーサクセスを提供するのは事実上困難であり、かつ自社ビジネスの採算性も考慮しなければいけません。

従ってハイタッチからテックタッチへ向かうにつれて、投入するリソースを少なくしていくことがタッチモデルのポイントになります。リソースをどこに集中させるかを見極めなければ、成果を出すことは難しいでしょう。

LTVについて詳しくは以下の関連記事もいっしょにご覧ください。

LTVとはライフタイムバリューと読み、顧客生涯価値という意味があります。顧客からどれだけの利益を得られるかを可視化することで、より戦略的なマ...
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ハイタッチ・ロータッチ・テックタッチの施策例

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ハイタッチ・ロータッチ・テックタッチの概要を掴んだところでそれぞれの具体例に触れていきます。タッチポイントごとの実施すべき施策が異なるため、どのような施策が有効かもご紹介します。

ハイタッチのカスタマーサクセス

パレートの法則をご存知でしょうか?「2割の顧客が8割の売り上げを創出する」という有名なビジネス法則です。BtoBビジネスを中心事業としている企業ならば、大半がこのパレートの法則に当てはまります。

つまり、ハイタッチの顧客層は自社ビジネスにとって「最も重要な存在」ということです。そんなハイタッチ層に対しては個別最適化されたカスタマーサクセスが有効施策になります。

企業によっては顧客1社につき1人の専任CS(カスタマーサクセス)担当者を付ける場合もあり、簡単に表現すれば「VIP扱い」することです。ハイタッチ層の顧客自身も「貴社ビジネスに高く貢献している」という意識があるため、潜在的に特別扱いを求めます。

そうしたニーズに応えながら顧客のビジネスに寄り添い、成功に向けた取り組みを実施するのがハイタッチに対するカスタマーサクセスの基本です。

<ハイタッチのアプローチ施策例>
 ・専任担当者による導入支援
 ・活用支援セミナー、業界動向勉強会の開催
 ・定期的なレポートと改善提案

ちなみにCSと表記されるカスタマーサクセスは「カスタマーサティスファクション」とも混同されがちです。カスタマーサクセスとカスタマーサティスファクションの違いについて、以下の記事にわかりやすくまとめました。

CS(顧客満足度)を上げるには?CS調査とCS改善の方法をわかりやすく解説
CSとはカスタマーサティスファクションの略で、「顧客満足」または「顧客満足度」という意味です。インサイドセールスに限らず、CS向上は企業にと...
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ロータッチのカスタマーサクセス

ロータッチでは少しばかり広いセグメント(集団)を相手にしてカスタマーサクセスを実施します。CS担当者を付けることもありますが、複数社担当だったりオンラインコミュニケーションが中心だったり、効率的な施策を講じるのが基本です。

「パッケージ化されたサービス」というのもロータッチに対するカスタマーサクセスの主流です。たとえば、個別最適化はされていないが自社商品が定着するようサポートするトレーニングプログラムの提供が代表例でしょう。

定期的にワークショップやセミナーを開催し、自社商品やサービスへの理解を深めるというのもロータッチのカスタマーサクセスです。

<ロータッチのアプローチ施策例>
 ・パッケージ化されたトレーニングプログラムの提供
 ・ワークショップやセミナー・ウェビナーの開催
 ・コールセンターによるサポート

テックタッチのカスタマーサクセス

ロータッチよりもLTVが低い顧客層に対しては、より広いセグメントを対象にしたカスタマーサクセスが必要なため、テクノロジー(ITツール)を活用します。この顧客層がテックタッチと呼ばれている所以です。

Webサイトに掲載したFAQ(よくある質問)や商品のチュートリアル動画、ウェビナー、活用方法を提示するメルマガなどのコンテンツを提供するのが中心的施策となります。あるいは顧客から要望の多かった改善点に対応するというのもテックタッチに対するカスタマーサクセスの一種です。

<テックタッチのアプローチ施策例>
 ・チュートリアル動画による導入支援
 ・メルマガ配信
 ・FAQなどのトラブルシューティングを充実させる

テックタッチでアップセル・クロスセルを狙う

テックタッチは商品やサービスの解約率が高いので、あまり多くのリソースを投入できないのが特徴です。ただしテックタッチからロータッチ、さらにハイタッチまで到達するケースも多からずあるので、コンテンツマーケティングなどを実施しながらアップセルクロスセルを狙っていくことも忘れてはいけません。

ハイタッチ・ロータッチ・テックタッチはLTV以外の視点も大切

ハイタッチ・ロータッチ・テックタッチを分ける視点の基本はLTVです。ただし、LTVに縛られるのではなく他の視点を取り入れることも大切です。

たとえば世界的なCRM/SFAベンダーのセールスフォース・ドットコムの日本法人では、ハイタッチ・ロータッチ・テックタッチをLTVの視点で分類するのに加えて、「有償・無償サポート契約」「顧客の活用フェーズ」という2つの視点も取り入れています。

これによりカスタマーサクセスのセグメントを3軸で考えられるようになり、より細かい施策展開が可能です。

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1つの視点に偏ると適切なセグメントが行えず、間違った顧客層を設定する可能性があります。必ずしもピラミッド式に顧客層を分ける必要はないので、独自の視点も取り入れることが大切です。

カスタマーサクセスの成功はタッチポイントのセグメントが鍵

?カスタマーサクセスではハイタッチ・ロータッチ・テックタッチの考えを取り入れることが重要ですが、それがすべてではありません。

ビジネスは「Win-Winの関係」がやはり理想であり、そのためにはカスタマーサクセスへの取り組みが欠かせません。そして顧客層をいかにセグメントして効果的にアプローチするかが成功の鍵を握ります。

今回ご紹介したハイタッチ・ロータッチ・テックタッチのタッチモデルをベースにしながら、独自の視点を取り入れ、顧客を適切にセグメントした上でカスタマーサクセスを展開していきましょう。

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Akala Note編集部


右も左もわからないままIT企業に入社。研修でテレアポ、テレマーケティングのおもしろさにはまり、インサイドセールス部門に配属を希望。法人営業、マーケティング部門も経験し、いまでは新人研修も担当する。BtoB営業・マーケティングのオールラウンダーをめざして奮闘中!

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