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カスタマーサクセスとは?仕事内容や必要なスキル、成功事例からわかる重要性

カスタマーサクセス(Customer Success)」の考え方や取り組みは、多くの企業にとって欠かせないものです。

カスタマーサクセスは、従来はクラウドサービスを提供する企業に必要とされてきました。しかし現在ではその枠組みを超えて、さまざまな企業でカスタマーサクセスの大切さが説かれています。 

本記事では、カスタマーサクセスの仕事内容や必要なスキル、成功事例などをわかりやすくお伝えします。

カスタマーサクセスとは?

カスタマーサクセスとは、単に商品やサービスを販売するだけでなく、顧客が導入した商品やサービスを最大限に活用し、目標達成を支援することです。

従来の「営業完了で終わり」ではなく、顧客との長期的な関係構築を重視し、顧客の成功を支援することで、LTV(顧客生涯価値)の最大化をめざす取り組みです。

日本では最近話題になり始めたカスタマーサクセスですが、欧米諸国では2015年頃から本格的に普及しています。海外ビジネスのトレンドを追うように日本でもカスタマーサクセスに注目する企業が増えているのです。

カスタマーサクセスの仕事内容

カスタマーサクセスに取り組む目的は、顧客のロイヤリティを高めてファンになってもらうことです。

顧客が自社商品のファンになれば商品を長く使い続けてくれますし、競合他社の商品に目が向きにくくなります。そのために顧客の課題や不安を予測し、解決策や答えを用意して顧客の成功をサポートするのがカスタマーサクセスの仕事内容です。

コミュニケーション能力のほか、問題解決能力や分析力、場合によってはコンテンツ作成のスキルも必要になります。

オンボーディング
顧客が商品・サービスをスムーズに導入・活用できるよう、初期設定や使い方のサポートをする。

定期的なコミュニケーション
顧客の状況を把握し、課題解決や提案を行い、関係性を深める。

問題解決
顧客が抱える課題を迅速かつ丁寧に解決し、満足度を高める。

成功事例の共有
顧客の成功事例を共有し、他の顧客のモチベーション向上につなげる。

顧客満足度調査
定期的に顧客満足度調査を行い、改善点の洗い出しを行う。

カスタマーサクセスが普及している背景

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カスタマーサクセスはIT業界を中心に広がっている取り組みです。普及している背景には「IT商品のクラウド化」が関係しています。 

特にSaaS(サース/Software as a Service/インターネット経由でソフトウェアを利用できるサービス)市場の伸び率は著しく、1兆円を超えると予測されています。

買い切り型からサブスク型へのシフト

従来のIT業界では買い切り型のパッケージ商品を提供し、初期コストも運用費用も多額にかかるのが当たり前でした。ベンダーロックイン(追加開発が膨らみ他のITベンダーを利用できない状態)もIT業界の当たり前の問題として認識されていました。

クラウド化が進むと初期コストは低下し、顧客はいろいろなIT商品を試せるようになりました。ソフトウェアはベンダー側が管理しているのでロックイン問題の心配もなくなります。

そのため、市場競争は激化し、IT企業は「どうすれば自社商品を選び続けてもらえるか」を深く考えるようになったのです。

ロイヤリティを高めてLTVを上げる

そうして誕生したのが「顧客の成功をサポートすることで、自社商品へのロイヤリティを高めよう」というカスタマーサクセスです。

欧米諸国のITトレンドを受けて日本でクラウド化が進んだように、カスタマーサクセスが普及する流れも今後日本で大きなトレンドになるのは確実と考えておきましょう。

カスタマーサクセスのメリット

カスタマーサクセスのメリットは自社商品に対する顧客のロイヤリティを高め、定着率と収益を拡大させるだけではありません。 

最大のメリットと言えるのが「1つの大きなビジネスサイクルを生み出す」です。カスタマーサクセスに投資している企業はすでに、次のようなビジネスサイクルの創出に成功しています。

このようなビジネスサイクルが意味するのは「カスタマーサクセスは定着率と収益を向上させるためだけの取り組みではない」ということ。 

カスタマーサクセスは顧客との新しい接点であり、双方向コミュニケーションのための道具であり、日々変化するビジネスに順応するための貴重な情報源なのです。

カスタマーサクセスとカスタマーサポート、営業との違い

多くの方は「昔から取り組まれてきたカスタマーサポートや営業とは何が違うのか?」と疑問を抱くでしょう。一見するとそれらは同じような取り組みですが、カスタマーサクセスとカスタマーサポート・営業には明確な違いがあります。

 カスタマーサクセスカスタマーサポート営業
目的顧客の成功体験を作り、自社商品に対するロイヤリティを高める顧客から寄せられる問題や疑問の解消、クレームの対応自社商品の紹介・提案により契約を生み、収益を作る
仕事内容・導入説明  
・コンテンツ配信  
・育成トレーニング   
・活用コンサルティング   
・コミュニケーション
・問題への対処   
・質問への解決数   
・クレームの処理   
・やり取りを記録   
・テクニカルサポートへ引き継ぎ
・アポイント獲得  
・顧客ヒアリング   
・ソリューション提案   
主な指標売上高、解約率、継続率、NPS、顧客の業務改善データなど対応件数、問題や疑問の解決数、解決にかかった時間、顧客満足度調査などアポイント数、商談数、売上高、顧客単価など
取組姿勢能動的受動的能動的
顧客との関係長期的短期的中期的
部門間の連携複数部門で連携営業・技術部門と連携技術部門と連携

カスタマーサクセスを導入する場合、まずはカスタマーサポートと営業の違いを自社内で明確にし、組織の共通認識を作ることが大切です。「カスタマーサクセス部門を何のために設置するのか?」を決めることで、部門ごとの役割をハッキリさせて連携を取りやすくします。

CS(カスタマー・サティスファクション)とも混同しやすいので、意味や目的の違いを明文化しておくことをおすすめします。以下の記事が参考になります。

カスタマーサクセスの事例

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本記事ではカスタマーサクセスの事例としてSansan株式会社(以下Sansan)の取り組みをご紹介します。

カスタマーサクセスに取り組むことで解約率低下

Sansanといえばクラウド名刺管理サービスを提供する企業であり、IT業界トップクラスの低解約率サービス企業として知られています。

2021年5月期通期の決算資料によれば、最新のサービス解約率は0.63%であり、2017年5月期通期と比較すると0.32ポイントも低下しています。

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出典:「IRライブラリ 2021年5月期通期 決算説明資料」Sansan株式会社

Sansanのカスタマーサクセスとは?

Sansanの取り組みは2012年に始まり、世界的に見てもいち早くカスタマーサクセスに着手した企業です。20205月期末時点では約60名が在籍する大きなチームに仕上がっています。

 そんなSansanでは、カスタマーサクセスを大きく4つの取り組みに分けて顧客の成功をサポートしています。

Sansanのカスタマーサクセス4つの取り組み

詳しくはSansanプロダクトアライアンスマネージャーの山田尚孝氏が、ボクシルマガジンに寄稿した『Sansanが最重視する、カスタマーサクセス機能「3つの役割・4つのアクション」』に記載されています。

日本のカスタマーサクセス先進企業が何を考え、どうして0.63%の低解約率を達成したのか、その一端を知られるのでぜひ参考にしてください。

今こそ、カスタマーサクセスに取り組む時である

クラウドコンピューティングの概念が2006年に誕生してから早十数年、IT商品のクラウド化は今も進み続けています。調査会社のITRによれば、2024年にはERP市場の9割以上がクラウドに染まるというのです。

製造業・小売業に目を向けても同じことが起きています。自動車や家電、ファッションのサブスクリプションサービスも急速に拡大中。航空機のエンジンですらレンタルする時代です。

つまり、カスタマーサクセスはIT業界に限らず、あらゆる業界で今後重要さを増していく取り組みだと言えるでしょう。 

では、カスタマーサクセスの取り組みをいつ始めるか?その答えは「今」以外はないと断言できます。顧客の成功をサポートし、ロイヤリティを高め、定着率と収益を向上するための準備を始めましょう。

カスタマーサクセス とは?

カスタマーサクセスとは、「顧客の成功体験」という意味で「顧客を成功に導くためのビジネス方法」のことを指します。
顧客が企業のサービスや商品を利用することで、利益や成果を上げられるようサポートすることをいいます。
カスタマーサクセスの目的は、顧客満足度を上げ、顧客離れを減らし、結果的に企業の利益に繋げることにあります。
最近では、企業経営において重要性が高まりつつあり、「カスタマーサクセスマネージャー」や「カスタマーサクセス部」といった役職や部署も増えています。
顧客が「成功」できるように、顧客が抱える課題に気づき、いちはやく解決し、さらに商品やサービス改善に反映することが必要です。
結果的にロイヤルティが生まれ、LTV(ライフタイムバリュー)の向上にも繋がるでしょう。

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Akala Note編集部


右も左もわからないままIT企業に入社。研修でテレアポ、テレマーケティングのおもしろさにはまり、インサイドセールス部門に配属を希望。法人営業、マーケティング部門も経験し、いまでは新人研修も担当する。BtoB営業・マーケティングのオールラウンダーをめざして奮闘中!

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