SWOT分析 のSWOTは「スウォット」と読みます。事業を取り巻く環境を分析するというマーケティングにおいて欠かせないフレームワークです。
3C分析やPEST分析 などと並んで使われるフレームワークのひとつですが、具体的な分析のやり方やメリットがよくわからないという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、SWOT分析の基本やメリット・デメリット、具体的な分析方法などをご紹介していきます。
マーケティングにおけるSWOT分析とは
SWOT分析 とは?
SWOT分析とは、事業などに関わるプラス要因とマイナス要因とを、それぞれ外部と内部の環境の分析から割り出し、現状把握を行う為の手法のひとつです。
具体的には、事業を取り巻く強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunities)、脅威(Threats)の4つの要因を分析します。
このうち、強みと弱みは内的な要因となり、機会と脅威は外的な要因を示します。
SWOT分析の大目的は、目的達成の為に重要な内外の要因の特定です。
内的要因はサービス・品質などある程度コントロールが効きますが、外的要因はマクロ経済や市場状況などコントロールが効きません。
よってSWOT分析を行なった後は、内的な強みはとことん伸ばし弱みはできるだけ縮小させる、また外的な機会はできるだけ利用し脅威はできるだけ避ける、といった様に内外で対策を変えることが重要です。
◆関連用語
SWOT分析の「S、W、O、T」とは何か
SWOT分析は、自社を取り巻く外部の環境と内部の環境をプラス面とマイナス面に分けて分析し、戦略の立案や経営資源の最適化などを行うためのフレームワークです。SWOT分析は、下記の4項目から分析を進めます。
- Strength(強み)
- Weakness(弱み)
- Opportunity(機会)
- Threat(脅威)
なお、「Strength(強み)」と「Weakness(弱み)」は内部環境、「Opportunity(機会)」と「Threat(脅威)」が外部環境に該当します。
以下のようにシンプルなテンプレートにすることができます。
プラス要因 | マイナス要因 | |
内部環境 | Strength(強み) | Weakness(弱み) |
外部環境 | Opportunity(機会) | Threat(脅威) |
各項目を詳しく見ていきましょう。
Strength(強み)とは
内部環境のプラス要因です。技術力の高さや運用実績など、自社の強みとなる要素はすべてStrength(強み)になります。
Weakness(弱み)とは
Weakness(弱み)とは、内部環境のマイナス要因のことです。競合よりも不足しているコストやリソース、標準や期待を下回っている社内の取り組みなどを明確にします。
Opportunity(機会)とは
Opportunity(機会)とは、外部環境のプラス要因のことです。自社に有利となる競合他社の動きや環境変化を分析します。
Threat(脅威)とは
Threat(脅威)とは、外部環境のマイナス要因で、自社の強みを打ち消す可能性のある要素のことです。自社ではコントロールができない円高の進行や、自社に不利となる規制緩和などが該当します。
SWOT分析のメリットとデメリット
ここからは、SWOT分析のメリット・デメリットを詳しくご紹介していきます。
SWOT分析におけるメリット
4つの要素(S、W、O、T)を分析することで、自社の現状を客観的な視点から判断できます。脅威や機会といった外部環境を含めて分析するため、内部環境だけの分析と比較して視野が広がるというメリットもあるでしょう。
リスクを回避しながらチャンスを狙うバランスの取れた戦略が立案できるのも、SWOT分析の特徴です。競合のいない市場で自分の会社の強みを生かすことができれば、利益を上げることも可能です。
分析結果がわかりやすいため、社内での認識統一や共有にも役立ちます。
SWOT分析におけるデメリット
「強み」と「弱み」にはっきりと二極化させる必要があるため、分析結果が偏る恐れがあります。「強みであるものの、弱みでもある」といった要素を捉えきることもできません。
また、SWOT分析の結果は大変シンプルであるため、SWOT分析だけを使用して具体的な戦略を導き出すのは困難になるでしょう。
そのため、他のフレームワークと組み合わせて情報を分析することが必要です。
3C分析、PPM分析の基礎知識とやり方については以下の記事でまとめています
SWOT分析のやり方
ここからは、SWOT分析の流れを以下のような内容で紹介します。
- 外部環境の分析
- 内部環境の分析
- クロスSWOT分析
- 戦略の立案
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.外部環境の分析
内部環境は外部環境から影響を受けるため、まずは外部環境として扱われるOpportunity(機会)とThreat(脅威)の分析から始めます。外部環境の主な例は下記です。
- 政治動向
- 競合他社の動向
- 経済状況
- 市場や業界のトレンド
- 顧客ニーズ
など
ミクロな視点から分析する「3C分析」や、マクロな視点で分析する「PEST分析」、業界の構造を把握できる「5F(ファイブフォース)分析」といったフレームワークも併用するといいでしょう。
2.内部環境の分析
外部環境の分析が完了したら、内部環境であるStrength(強み)とWeakness(弱み)を分析します。
内部環境の主な例は下記です。
- 経営資源
- サービス
- 技術・ノウハウ
- マネジメント力
- 価格
- 品質
- ブランド力
- 認知度
など
競合他社と上記の項目を比較して分析します。
3.クロスSWOT分析
SWOT分析で自社の強みや弱みを把握するだけではなく、顧客ニーズや市場動向に合わせた戦略に落とし込まなければいけません。この「落とし込み」に役立つのが「クロスSWOT分析」です。
クロスSWOT分析では、Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)をそれぞれ「クロス」させて分析を行います。
- 強み×機会
- 強み×脅威
- 弱み×機会
- 弱み×脅威
具体的な分析内容は、下記のとおりです。
強み×機会
強みを生かして機会・チャンスを勝ち取るための手段を分析します。独自のサービスを立ち上げたスタートアップ企業に適した戦略です。
強み×脅威
強みを生かし、どのような手段で脅威を切り抜けるかを分析します。他社との差別化などが戦略の基幹となるでしょう。
弱み×機会
弱みを補強して機会を掴むためにできることを分析します。弱みを克服・改善を中心とする戦略になります。
弱み×脅威
弱みを理解したうえで、脅威によって受ける影響を最小限にする手段を分析します。場合によっては、事業の縮小や撤退を検討する必要もあるでしょう。
4.戦略の立案
クロスSWOT分析が完了したら、その内容を基にして戦略や具体的な計画に落とし込みます。戦略立案の際には1つに固執せず、複数の戦略を立てることをおすすめします。落とし込んでいく中で課題点などが出てきた場合は、戦略の見直しを行いましょう。
SWOT分析の注意点
SWOT分析は、目標を明確にしたうえで分析を行う必要があります。SWOT分析の対象によって、フレームワークで列挙すべき項目は全く変わってくるので、分析をする際には注意が必要です。
また、SWOT分析はいちど1度分析したら終わりではありません。外部環境はもちろん、内部環境も常に変化しています。そのため、環境の変化に応じて繰り返し、定期的に分析してください。
組織や立場が同じだったとしても、環境の変化に応じて分析を繰り返せば、その結果から導き出される内容にも違いが見られるようになるため、現実に即したマーケティング戦略の立案ができるようになるはずです。
SWOT分析には時間と労力を要しますが、定期的に分析を繰り返せば、効果の高い戦略の立案が実現するでしょう。
SWOT分析と同じく現状分析に役立つフレームワーク
マーケティングにおける戦略立案のための、市場分析や自社分析に活用できるフレームワークはいくつかあります。
SWOT分析とは?まとめ
今回は、SWOT分析の概要やメリット・デメリット、具体的なやり方などについて詳しくご紹介しました。SWOT分析は自社の強み・弱み・機会・脅威を洗い出して戦略を練るための、営業・マーケティングにおいて重要なフレームワークです。
SWOT分析を行えば、自社の課題やビジネスの機会など、従来の分析方法では見落としがちだった事項を発見することができます。自社の現状を多角的に把握するためには、SWOT分析の活用が適しているでしょう。
今回ご紹介したSWOT分析の分析方法を参考にしながら、自社の強みや弱みを改めて確認したうえで、外部環境にも柔軟に対応できるマーケティング戦略を策定しましょう。
また、外部環境分析に役立つPEST分析の方法もあわせて知っておきましょう。
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