若者を差して「Z世代」と呼ぶ機会が増えましたが、どのような特徴・価値観を持っているのでしょうか? 具体的に何年生まれの若者を指すのでしょうか?
Z世代特有の特徴・価値観を知っておくことで、どのようなマーケティング手法でアプローチすれば効果的かが理解できるようになります。
今回はZ世代の特徴や価値観、その定義について詳しく解説します。
Z世代とは
Z世代とは明確な定義はないものの、1990年代後半から2000年代前半生まれ、2023年時点で11歳から25歳以下の若い世代を指します。
Z世代の「Z」の意味
1980年から1995年生まれ、2023年時点で、2023年現在で25歳〜40歳くらいの世代をY世代、もしくはミレニアル世代といいます。1965年から1981年生まれで高度経済成長期やバブル期を経験している、2023年現在で42歳〜57歳くらいの世代をX世代といいます。
Xの由来は写真家ロバート・キャパのフォトエッセイ「Generation X」ともいわれていて、戦後生まれの若者を未知という意味の「X世代」と呼ぶようになったそうです。
X世代に始まり、Y世代、Z世代と続くわけですね(Z世代の次はα世代になるという説もあります。)
Z世代の人口
日本の人口は約1億2,000万人で、Z世代の人口は約1,800万人と人口比率15%を占めています。(総務省統計局「人口推計」より)
しかし、世界規模で考えるとZ世代の人口が増えているため、Z世代の特徴・価値観を理解する必要が出てきました。
Z世代の人口
全人口 | Z世代の人口 | Z世代の割合 | |
---|---|---|---|
日本 | 約1億2,000万人 | 約1,800万人 | 15% |
世界 | 約77億人 | 約24億人 | 32% |
Z世代の特徴・価値観
Z世代特有の特徴・価値観には、以下のようなものがあります。
ネットリテラシーが高い
Z世代は子供時代からPCやスマホを使いこなしているため、高いネットリテラシーを持っています。
インターネット上に溢れる情報から、どれが正しいか適切に判断することを得意としており、事実かどうかファクトチェックしています。
また、プライバシーの取り扱いに対しても慎重です。Z世代はSNSを利用しますが、個人情報を公開するFacebookは好みません。PCやスマホを利用する上でのセキュリティ対策もできるなど、上手にインターネットを使いこなします。
SNSで情報収集する
Z世代はTVやラジオ、新聞、雑誌などの、自分が興味のない情報まで入ってくるマスメディアを好みません。自分が興味ある情報のみを収集できるインターネットを好み、マスメディア離れが顕著です。
民放連研究所「放送のネット配信へのニーズに関する調査結果」では、Z世代はTVよりYouTubeを好み、多く視聴していると述べられています。
YouTubeだけでなく、TwitterやInstagramなどではSNSならではの「タグる(#ハッシュタグ検索)」を利用してリアルタイムに情報収集しています。
社会問題への関心が高い
Z世代は、2001年9月にアメリカ同時多発テロ、2011年3月に東日本大震災など社会を揺るがす衝撃的なできごとを経験しています。
また、2015年に国連サミットで策定されたSDGsに関しても学校で学んでいるため、地球環境問題やLGMTQ+に関する知識も豊富です。
社会問題は自分自身にも大きな影響を与えるものと捉えており、多くのZ世代が社会問題へ関心を寄せています。
自分らしさを大切にする
Z世代は子供の頃からSNSを利用してきて、投稿した内容に「いいね」をもらってきました。そのため、自分の考えを周囲に認められたいという承認欲求が高いです。
同時に相手の考えや価値観を尊重でき、相手の発言を受け入れることができます。その一方で、自分らしさも大切にしており、自分が価値を感じるもの、心を動かされるものに対してお金を出します。自分らしさを大切にすることも大きな特徴です。
コスパ・タイパ重視
Z世代は、社会的格差が大きくなり低賃金の非正規雇用が多い時代を生きているため、物を買うときに「本当にお買い得なのか?」とコストパフォーマンスを重視して購入するかどうかを決めます。
モノを買うときは、SNSで他の人のレビューを調べた上で購入して満足できそうかを調べています。ファッションではブランドに興味がありません。自分に似合うもの、気に入ったものを選びます。あまりモノ消費に興味がなく、商品購入のときにお買い得かどうかを考えることもZ世代の特徴です。
さらに、タイムパフォーマンスを重視する傾向もあり、めまぐるしく変わるトレンドの情報収集に長けたZ世代ならではの価値観です。
Z世代とゆとり世代の違い
Z世代、Y世代(ミレニアル世代)、X世代の呼び名は世界共通のものです。
バブル世代、ゆとり世代など日本独自の世代の呼び方の生まれ年を比較してみると、上の図のようになります。なかなか興味深いですね。
ちなみにZ世代とX世代・Y世代の違いをまとめると、以下の表のようになります。他の世代との違いはインターネットを得意としており、社会問題に高い関心を持ち、自分らしさを大切にしていることです。
Z世代 | Y世代 | X世代 | |
---|---|---|---|
誕生年 | 1996~2012年 | 1981~1995年 | 1965~1980年 |
特徴 | ・インターネットに強い ・社会問題への関心が高い ・自分らしさを大切にする | ・インターネットを扱える ・旅行などの体験を好む ・経済的苦労をしているためコストを重視する | ・インターネットが苦手 ・競争意識が高い ・個人主義的な考えを持つ |
Z世代へのマーケティング手法
Z世代にアプローチする場合に効果的なマーケティング手法を覚えておきましょう。
1.デジタルマーケティングを行う
Z世代にアプローチする手法として、デジタルマーケティングは欠かせません。
なぜなら、Z世代はインターネットを利用して情報収集しているため、商品を認知、購入してもらうためにはデジタルマーケティングに取り組む必要があります。
インターネット上でアプローチする場合は、相手に信用されるように、情報の根拠を提示するようにしましょう。
デジタルマーケティングの施策例
- Webサイト運用
- オウンドメディア運用
- SNS運用
- YouTube動画運用
- Web・SNS広告
- メールマーケティング
2.SDGsに関する商品を開発する
株式会社SHIBUYA109エンタテイメントの調査によると、7割のZ世代がSDGsを認知しており、SDGs関連の企業に好感が持てる、応援したくなると回答しています。
近年SDGsに取り組む企業が増えてきており、環境に優しい商品づくりとして、ペットポトルのラベルを取った飲料水などが出てきました。エシカルな商品開発など、社会的課題に取り組むことでZ世代との接点が持てます。
3.コストパフォーマンスを訴求する
Z世代は高級感やブランドを重視していません。実用性やコスパ、タイパに優れたもの、環境や社会に配慮されていることなどに注目します。
限られたお金で様々な体験ができるサブスクリプションサービスは、Z世代のニーズにあっているため「Netflix」「Spotify」が支持されています。
4.体験型サービスを提供する
Z世代は自分らしさを好むため、スペシャルな体験型サービスを好む傾向にあります。自分の体験をSNSでシェアすることにも慣れているため、シェアしたくなるような体験型サービスには注目が集まりやすいでしょう。
まとめ
Z世代とは1990年代後半から2000年代前半生まれ、2023年時点で25歳以下の若い世代を指します。
ネットリテラシーが高く、SNSを上手く活用して情報収集しています。また、多くの情報に触れているため社会課題に高い意識を持っていたり、多様性を受け入れて自分らしく生きることを好んでいたりすることが他の世代との大きな違いです。
この記事では、Z世代に商品・サービスを売り込むための施策までご紹介しました。ぜひ、この記事を見ながら、Z世代へのアプローチ方法を考えてみてください。
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