ビジネスでもプライベートでも動画は注目のコンテンツです。なかでもダンス動画はバズることも多く、フォロワーが増えるきっかけにもなります。
動画はSNSごとに適切なサイズがあり、それぞれに最適なサイズの動画を作ることで、より魅力的にサービスや商品の情報を伝えることができます。
これから動画を制作する方に向けて、YouTube、X(旧:Twitter)、Instagram、Facebook、LINE、TikTokそれぞれの適切な動画サイズと解像度、アスペクト比などの規格を一覧表にまとめました。
動画サイズとは?
「動画サイズ」といっても、動画の大きさなのか解像度なのか、それとも動画の長さなのか曖昧かもしれませんね。
一般的に動画サイズとは、画面の大きさのことをいいます。この動画サイズを決める要素は「解像度」と「アスペクト比」になります。
解像度とアスペクト比、それからピクセルについて知っておくと、動画制作がとってもスムーズになります。
px(ピクセル)は動画を構成するドットのこと
ピクセルとは動画や画像を構成する小さなドット(点)のことをいいます。ピクセル数が多いほど画質がキレイになり、動画の容量も大きくなります。解像度を表す数字の横にpxと書かれていたら、それはピクセル数のことです。
1ピクセルは何センチかというと、実は決まった大きさはありません。1ピクセルの大きさは、縦横にいくつのピクセルがあるのかを表す「解像度」で決まります。
「解像度」が動画の美しさを決める
解像度はピクセルの数で表します。これは画面上にどれだけのドット(画素)が並ぶのか、動画の密度を指しています。つまり、解像度が高ければ高いほど多くのドット(画素)が並ぶため、画質がキレイになるというわけです。
カメラやスマートフォン、パソコンの画面性能などで「○○万画素」といった表現をするのも、この解像度のことを表しています。
ただし、画素が多いということはそれだけデータ容量も多くなるということなので、多ければ多いほど良いというわけではありません。
「アスペクト比」は動画の縦横比率
YouTubeなど多くの動画は横長です。YouTubeのアスペクト比は、4:3(スタンダード)や16:9(ワイド)が主流となっています。
もちろん、各媒体によって適切なアスペクト比は異なります。動画コンテンツのアスペクト比がそのSNSの指定から外れている場合は、動画が変に引き延ばされてしまったり、画面の途中で切れることもあるので、しっかりと確認していきましょう。
【アスペクト比の種類】 16:9(ワイド) 4:3(スタンダード) 2.35:1(シネマスコープ) 1:1(スクエア) 9:16(縦撮り) 16:10(WXGA) |
解像度とアスペクト比の関係とは?
地上波デジタル放送テレビやYouTubeなど、現在、最も多く使用されているアスペクト比は16:9です。
アスペクト比16:9の場合、以下の5つの規格サイズが一般的です。それぞれに名前が付いているので覚えておくと便利です。
動画サイズ | 解像度(横幅×高さ) | 概要 |
4K(2160p) | 3840×2160px | 非常に高い解像度のサイズ。YouTubeなど動画プラットフォームの多くが対応しています。 |
2K(1440p) | 2560×1440px | タブレットでよく使用される動画サイズです。 |
フルHD(1080p) | 1920×1080px | 動画メディアではこのサイズまで対応している場合が多く、Blu-rayもこの動画サイズに対応しています。 |
HD(720p) | 1280×720px | HD以上を「高画質」と呼びます。YouTubeでは主流の画質です。 |
SD(480p) | 854×480px | アナログ放送やDVDが対応している動画サイズで、一般的に「標準画質」と呼びます。 |
動画制作はHD以上の解像度で
SDより小さい解像度の場合には「低画質」と呼び、読み込みは早いものの、画質が荒く、拡大してしまうとモザイクがかかったように見えてしまう場合もあります。できる限りHD以上で撮影・制作するのがおすすめです。
1080pなど数字の意味
ちなみに1080pとか720pの数字は縦の解像度を表しています。また、「p」はプログレッシブ方式の頭文字なんだそうです。
アナログテレビ時代は、インターレース走査といって、線で画像を転送していました。その場合は「1080i」と表記されます。
技術が進歩した現代では、線ではなく面で画像を表示できるようになったため、「i(インターレ―ス走査)」と区別して「p(プログレッシブ走査)」と表記しています。pとiの違いは画質のきれいさ、と覚えてしまってもよいでしょう。
SNSごとに最適な動画サイズ・解像度・アスペクト比一覧
SNSごとに最適な動画サイズ・解像度・アスペクト比など指定の規格を見てみましょう。
YouTubeの動画サイズ
YouTubeの標準のアスペクト比は16:9です。例えば9:16の縦向き動画をパソコンで視聴する場合、自動で余白が追加される場合があります。
アップロードできる動画の長さは、デフォルトでは15分までですが、Google アカウントの確認が完了すると15分を超える長さの動画もアップロードできます。ただし、動画サイズは256GB以下に圧縮する必要があります。
アスペクト比(縦横比) | 解像度(動画サイズ) |
16:9 | 1920×1080pxを推奨(フルHD) |
スマホアプリでは、動画サイズに合わせて自動調整されます。縦型の動画、正方形の動画も画面全体に表示されます。他の解像度でエンコードする場合は、以下の解像度を参照してください。
- 2160p: 3840×2160
- 1440p: 2560×1440
- 720p: 1280×720
- 480p: 854×480
- 360p: 640×360
- 240p: 426×240
※YouTubeヘルプより
YouTubeショートは縦長動画
縦長の動画が特徴的なYouTubeショートはスマホでの撮影・視聴に最適化されています。YouTubeショートに動画を投稿する場合は、アスペクト比(縦横比)9:16、解像度1080×1920pxが推奨されています。
X(旧:Twitter)の動画サイズ
X(旧:Twitter)は最大2分20秒、512MBまでの動画が投稿でき、タイムラインに表示されます。ファイル形式はMP4もしくはMOVになります。
有料のサブスクリプションプランに加入することで、最大60分の動画(1080p)を投稿できます。
アスペクト比(縦横比) | 解像度(動画サイズ) |
1:2.39~2.39:1の範囲 | 1920 x 1200px 1200 x 1920px (最小解像度32 x 32px) |
※Xヘルプセンターより
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Instagramの動画サイズ
インスタグラムの動画はタイムラインに表示されるフィード投稿(最大60秒)、24時間で消えるストーリーズ投稿(最大60秒)、音やエフェクト付で編集ができるリール投稿(最大90秒)の3種類があります。
ファイル形式はMP4またはMOVで、10分以内の動画なら650MBまで、それ以上の長さは最大3.6GBまでの動画が投稿できます。
それぞれアスペクト比が異なるので、撮影時、編集時に気を付けるようにしましょう。
アスペクト比(縦横比) | 解像度(動画サイズ) |
1:1(フィード正方形・リール) | 1080×1080pxを推奨 |
1.91:1(フィード横型・リール) | 1200×628pxを推奨 |
4:5(フィード縦型・リール) | 1080×1350pxを推奨 |
9:16(ストーリーズ) | 1080×1920pxを推奨 |
Facebookの動画サイズ
Facebookでは動画形式はMP4が推奨されていますが、ほぼすべての動画ファイル形式がサポートされているので安心です。
動画の長さは240分以内、動画サイズは最大4GBまでになります。
アスペクト比(縦横比) | 解像度(動画サイズ) |
4:5(フィード) | 1080×1080px以上を推奨 |
1:1(スマホ・フィード) | 1080×1080px以上を推奨 |
9:16(ストーリーズ) | 1080×1920pxを推奨 |
LINEの動画サイズ
LINE公式アカウントに登録すと、LINE VOOMやリッチビデオメッセージで動画をアップすることができます。LINEは横長・正方形・縦長どれでも設定可能ですが、動画や画像をアップロードするときに自動で圧縮が行われる仕様なので、画質や解像度が変わることもあります。
アスペクト比(縦横比) | 解像度(動画サイズ) |
9:16/16:9/1:1(LINE VOOM ショート動画) | 1投稿1件まで 500MBまで 60秒以内 |
9:16/16:9/1:1(LINE VOOM ショート動画以外) | 1投稿20件以内 500MBまで 20分以内 |
1:1(リッチビデオメッセージ) | 600×600~1280×1280pxを推奨 |
無料で使えるLINE公式アカウント
LINE公式アカウント(旧:LINE@)はほとんどの機能が無料で使えます。詳しい活用方法については以下の記事にまとめています。
TikTokの動画サイズ
TikTokに投稿できる動画フォーマットはmp4かmovファイルになります。動画の長さは15秒・60秒・3分から選択できますが、TikTokユーザーがよく視聴しているのは「15秒」の動画です。
アスペクト比(縦横比) | 解像度(動画サイズ) |
9:16 | 1080×1920px以上 |
動画の推奨サイズを守らないと効果が減少する
動画はSNS等の媒体ごとに、適切なサイズが定められており、サイズが違うものはエンコード(サイズ変換)されてしまいます。
例えば、動画の適切なサイズに対し画面が小さすぎる動画を投稿した場合、動画の画面サイズが無理やり大きくされ、画質が荒くなります。画質の悪い動画は、ユーザーが内容をきちんと見ることができず、良い印象を持ちません。
また、投稿できる動画の長さが決められている場合もあります。長すぎる動画はユーザーに見てもらえないこともあるため、適切な長さに編集するようにしましょう。
動画の効果を上げる3つのポイント
動画のサイズを適正化するのは最低限しておきましょう。さらに2つのポイントを押さえることで、より動画の効果を上げることができるでしょう。
1.インパクトのあるサムネイルで視聴者を惹きつける
サムネイルは、最初に視聴者の視界に入るもので、視聴者はサムネイルの良し悪しによって動画を視聴するかどうかを決めます。そのため、サムネイルが魅力的であれば視聴されやすくなりますし、逆にサムネイルの完成度が低いと動画を開いてすらもらえません。
そのため、インパクトのあるサムネイルを作りこまないと、どんなにおもしろい動画コンテンツを作っても、そもそも動画を見てもらえません。
2.サムネイルを作るならcanvaとAdobe Expressがおすすめ!
サムネイル制作は、時に動画制作よりも力を入れる必要があるかもしれませんね。サムネイル制作でおすすめなのはcanvaとAdobe Expressです。テンプレートや素材も豊富なので、直感的な操作でプロのようなサムネイルが作れます。
▼参照
3.動画にストーリー性を持たせ視聴者の記憶に残す
人間の脳はストーリーを信じやすく、共感を求める傾向があります。そして、ストーリー性が高いものほど記憶に残りやすいです。
そのため、ユーザーの共感を得られるストーリー性のある動画のほうが効果的です。LP(ランディングページ)の制作フレームワークを参考にしてみるといいかもしれませんね。
多くのSNSでは、短尺の動画が好まれる傾向がありますが、その短い時間でいかにストーリー性を持たせられるかが、分かれ道となりそうですね。
まとめ
SNSでの動画コンテンツ施策は、これまでとは違ったターゲット層にもマーケティングの幅を広げられる可能性があります。もちろん、BtoB企業にとってもリード獲得のチャンスが広がるでしょう。
YouTube、X(旧:Twitter)、Instagram、Facebook、LINE、TikTokの6大メディアそれぞれの動画サイズ・解像度・アスペクト比を知れば、それぞれの特性を存分に活かして効果的にマーケティングを展開できます。
動画マーケティングについて詳しくは「動画マーケティングとは?未経験者にもわかる基本と成功のコツ」の記事も参考にしてみてください。