新規開拓営業にとって決算期は、押さえておくべき企業情報です。
なぜなら決算が近くなると、次期の予算編成も行われており、営業先の担当者が話を聞いてくれやすいためです。例えば、予算消化をしたり、新規事業や新サービスに投資する動きがあります。営業担当者にとっては、かなり狙い目の時期になります。
しかし決算がいつなのか、どのタイミングで営業すれば良いのかなどの疑問があるかもしれません。そこで本記事では決算の基礎知識、新規開拓営業に役立つ決算期の調べ方と活用法について紹介します。
企業の決算とは?
決算とは1年間の損益計算を行い、決算時点の財務状況を明らかにする手続きのことです。企業には決算の実施が義務付けられているため、必ず実施しなければなりません。
決算から決算の間の1年間を会計年度といい、四半期(3カ月)ごとに決算を行います。
第1四半期決算、中間決算(第2四半期決算)、第3四半期決算、本決算という流れです。四半期のことをクォーターの略でQと呼ぶこともあります。第1四半期を1Q、第2四半期を2Qというように表記します。
決算の目的
また決算の目的は以下の4つが挙げられます。
・税金の申告
企業は法人税や消費税などの税金を納める必要があります。その税額は決算書をもとに計算されるため、正しい金額を納税するために決算が必要です。
・財務状況の分析
決算書は経営がうまくいっているのかを判断する材料となります。財務状況を把握することで、改善点を見つけ出したり、経営戦略を見直したりできるためです。
・ステークホルダーへの業績報告
決算書は会社にかかわる株主や金融機関、取引先といったステークホルダーへの業績報告にも使われます。
・銀行からの融資
決算書は銀行などの金融機関から融資を受ける際に必要です。
【あわせて知っておきたいビジネス知識】
決算が多いのは3月・9月・12月
企業で必ず実施される決算ですが、決算月は企業側で自由に設定できます。
そのため、3月に決算する企業もあれば、9月や12月に決算する企業もあります。しかし自由に設定はできるものの、やはり3月決算の企業が圧倒的に多いです。
その理由としては、公的期間の会計期間も4月1日から始まる、税法改正が4月1日から施行されることが多いことなどがあげられます。
ちなみに個人事業主の場合は、1月1日から12月31日までの期間の損益により所得税を計算します。そのため、決算は12月になるので自由に設定できません。
また、決算と聞くと、決算セールをイメージする方もいるでしょう。決算セールが企業によって、3月・9月・12月と期間がバラバラなのも決算月が異なっているためです。
決算セールをする理由?
決算セールをする理由は、期末に在庫を減らすことで企業にメリットがあるためです。具体的に決算セールには、3つの効果が期待できます。
・在庫処分
決算セールの目的は在庫を処分して、資金を回収することです。在庫を減らして現金を増やすことで、企業のキャッシュフローの改善に役立ちます。
・顧客への訴求
商品を割安で販売することで、既存顧客だけではなく、これまで接触できていなかった潜在顧客にも訴求できます。
・節税効果
決算月に在庫を減らすことは、期末在庫高を減らすことです。期末在庫高が減ると売上原価が少なくなるため、節税効果が期待できます。
つまりこれらの理由から、決算月では在庫を減らしたい企業があることを押さえておきましょう。
新規営業のタイミングは決算期から逆算する
新規開拓営業は闇雲に訪問しても効率的ではありません。例えば、「忙しい」や「また今度にして」などのように、タイミングによっては門前払いをされた経験もあるでしょう。
それでは、なぜ門前払いをするのでしょうか。簡単にいえば、営業先の担当者が検討する時期ではないからです。
つまり新規開拓営業で大切なポイントは、営業先の担当者が話を聞きたいタイミングで訪問することです。そのタイミングは、決算期から逆算できます。
自分に当てはめて考えてみてください。毎年、次年度の予算を組むために、必要な物品や新規事業案などを上司に提案する時期はありませんか。この時期は、新たなアイデアや業務改善に役立つ新商品などの情報が欲しいでしょう。営業先の担当者も同様です。
この章では具体的に、どのタイミングで営業をすれば良いかを解説します。
黒字の企業は決算前に設備投資を行う
営業のタイミングは、決算月にすれば良いのではと思うかもしれません。しかし、決算月や決算後に営業をしてもタイミングは遅すぎます。
なぜなら黒字の企業は決算前に投資を行うためです。設備投資だけでなく、新規事業に投資をする企業も多いでしょう。投資が決まってから営業しても「門前払い」をされてしまうのは明らかです。
それではなぜ黒字の企業は、決算前に設備投資をするのかといえば、税金を抑えられるためです。設備投資を決算前に実施することで、黒字幅を小さくできるため節税につながります。このため、決算前の第3四半期決算以降は新規開拓営業の狙い目です。
逆に決算月の直前や直後は新規開拓営業のタイミングとしては不向きです。
決算月の3ヵ月前が狙い目
新規開拓営業のタイミングは、決算月の3ヵ月前を狙いましょう。決算月ごとの狙い目は以下の通りです。
3月決算の場合:11月~12月 9月決算の場合:5月~6月 12月決算の場合:8月~9月 |
これらの狙い目の月は予算期で、各企業が課題を解決するためのサービスやツールの導入の検討期間です。予算期に新規開拓営業をすることで、話を聞いてもらえる可能性を高められます。
また経験則から11月や12月は、新規開拓営業の成約率が高いと感じている方もいるでしょう。それは日本では、決算月を3月に設定している企業が多いためです。
そのため決算月が9月・12月の企業に、同様に11月や12月に営業をしてしまうと、タイミングが合わないことになります。企業に合わせてベストなタイミングで訪問するためには、営業先の決算月を把握することが必要不可欠です。
企業の決算月の調べ方
営業先の決算月がいつか分からない場合は、以下の3つの方法から調べられます。
- Yahoo!ファイナンス
- 会社四季報
- ホームページの会社概要
これらを利用した調べ方について紹介します。
Yahoo!ファイナンス
Yahoo!ファイナンスは、幅広い投資情報を提供しているサイトです。株価や株主優待などの投資家にとって有用な情報が満載で、上場企業の情報を確認できます。決算期の確認方法は以下のとおりです。
1. Yahoo!ファイナンスにアクセスする
まずは、「Yahoo!ファイナンス」にアクセスしてください。
2. 企業名で検索する
調べたい企業名で検索します。投資情報を提供しているサイトのため、検索対象は上場企業です。
3. 「企業情報」をチェック
検索した企業の企業情報をチェックすることで、決算月を確認できます。
会社四季報
会社四季報は、上場企業の情報を網羅した書籍です。会社四季報の特徴は、上場企業の情報はもちろんのこと、未上場企業版もあることです。営業先が上場企業でない場合は、未上場会社版を利用しましょう。
また会社四季報のWeb版では、未上場会社の約23,000社のデータを収録しています。(参考:東洋経済「会社四季報未上場版データ」)
データは有料ですが、Web版では5営業日のトライアルができます。どのような情報を得られるのか気になる方は、一度トライアル版を利用してください。
ホームページの会社概要
費用をかけずに決算月を調べるには、企業のホームページを活用する方法があります。「IR情報」や「決算報告」が掲載されている場合もあるためです。企業のホームページは、Googleなどで検索して確認しましょう。
新規開拓営業は決算期の把握がポイント
新規開拓営業を効率的にするためには、決算の3ヵ月前が狙い目です。営業先の担当者が話を聞きたくなるタイミングのためです。
ただし、法人の決算期は自由に設定できるため、企業によって決算月が異なります。成約率の向上をめざすためには、事前に決算月を確認するようにしましょう。
また、営業リストを購入するなら「決算月」の項目があるかどうかも確認して選ぶようにしましょう。
ほかにも、新規開拓営業に役立つ会社情報の見方・調べ方を解説しています!
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