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マーケットインとプロダクトアウトの違いとは?事例と図解でわかりやすく解説!

マーケットインプロダクトアウトは、新商品・サービスの開発段階でよく聞くビジネス用語です。2つの言葉は正反対の意味を持ち、簡単に説明すると以下のとおりです。 

この2つはどちらが優れているかについて、議論の対象となることもあります。

そのような場面で困らないために、本記事ではマーケットインとプロダクトアウトの違いや概要、事例について紹介します。

マーケットインとはどういう意味?

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マーケットインとは、市場や顧客のニーズを重要視して商品を開発する手法のことです。

例えば、市場調査・アンケート調査・ヒアリング調査などのデータをもとに、顧客のニーズを満たす商品を検討します。つまり、消費者が欲しい商品を提供するのがマーケットインの考え方です。 

マーケットインのメリット

マーケットインは顧客のニーズに沿って商品を開発する手法で、3つのメリットがあります。まずはマーケットインのメリットについて理解を深めましょう。

1つ目のメリットは、新商品の売上が予測しやすいことです。ニーズが顕在化していると、すでに同様の商品・サービスが展開されている可能性が高くなります。そのような商品の市場規模を調査することで、どの程度の売上が期待できるかを予測できるためです。売上を予測できると、商品の生産数を決めるのにも役立ちます。 

マーケットインは開発目標を設定しやすいのもメリットです。例えば、ゴルフのドライバーを企画しているのであれば、顧客のニーズは「より遠くに飛ばせるドライバー」でしょう。すると開発目標は既存商品、あるいは自社の旧モデルのドライバーよりも長い飛距離です。このように目標を明確化すると、開発がスムーズにできます。 

マーケットインで顧客のニーズを満たす商品を提供すると、顧客満足度の向上が期待できます。顧客が必要なものを提供することで、自社に対する信頼性や期待感を高められるためです。リピーターやファンの獲得といった、顧客育成にも有効といえます。

マーケットインのデメリット

マーケットインは顧客のニーズを満たす商品の提供のため、メリットばかりと思うかもしれませんが、2つのデメリットがあります。 

マーケットインのデメリットは、爆発的なヒットを期待しにくいことです。なぜなら顧客のニーズに沿った商品を発売しても驚きが少なく、ブームに発展するほどのインパクトがないためです。

マーケットインで商品を開発すると、類似商品が出てくる可能性があります。なぜなら顧客のニーズはある程度同じなので、他社も同様にマーケットインで商品を開発すると、手法や手段が似通ってしまうためです。類似商品が増えると、期待したほど売れないといった事態にもなりかねません。

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プロダクトアウトとはどうい意味?

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プロダクトアウトとは、自社の強みや技術(シーズ)を生かして製品を開発する手法です。

「製品が良ければ売れる」や「作る側が良いと思える商品を提供すれば結果につながる」など、商品・サービスの質が高いと売れるという考え方がもとになっています。そのため、プロダクトアウトは企業側や開発担当者の考え方により、方向性が決定します。

プロダクトアウトのメリット

プロダクトアウトのメリットは3つです。マーケットインとプロダクトアウトをうまく使い分けるために、メリットを押さえておきましょう。

プロダクトアウトのメリットは、自社の強みを生かした商品を開発できる点です。他社にはない強みを生かすことで、他社製品との差別化につながります。他社が真似しようにも簡単にはできないので、類似商品が出にくいのもメリットです。

プロダクトアウトは、企業や担当者の作りたい商品を開発するため、これまでにはない商品を開発することもあります。そのような商品は「今まで見たことがない」など、消費者に驚きを与え、爆発的にヒットする可能性があります。

プロダクトアウトは、コストを抑えられるのがメリットです。なぜなら、すでにある自社の強みを生かして商品を作れるためです。また、市場分析やアンケート調査に対する費用を抑えることもできます。

プロダクトアウトのデメリット

プロダクトアウトのデメリットは、売れない可能性があることです。プロダクトアウトで商品を開発すると、顧客のニーズが存在しないこともあるためです。顧客のニーズがないと商品が売れ残ることになります。 

つまりプロダクトアウトのデメリットは、場合によって「開発費用が回収できない」「不良在庫が発生する」などのリスクを抱えていることです。

マーケットインとプロダクトアウトの違いは?

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マーケットインとプロダクトアウトの違いは、商品を開発するときに重視するポイントです。それぞれ重視するポイントは以下のとおりです。

つまり、マーケットインは「顧客が欲しい商品なら売れる」、プロダクトアウトは「良い商品を作れば売れる」という考え方の違いがあります。

マーケットインとプロダクトアウトの事例

マーケットインとプロダクトアウトの考え方は、多くの商品・サービスで使われています。商品開発の基本的な考え方といえるでしょう。ここでは成功事例として2つの商品・サービスを紹介します。

マーケットイン成功事例:缶コーヒー

缶コーヒーは1969年の「UCCミルクコーヒー」の発売が始まりです。

缶コーヒーが発売される前、UCCの創業者がコーヒー牛乳を駅の売店で飲んでいると、列車のベルが鳴ります。コーヒー牛乳は、まだ残っていたにもかかわらず瓶ごとお店に返すしかありませんでした。なぜなら、当時は瓶をお店に返却する必要があったためです。

この出来事から「瓶を缶にすればいつでもどこでも手軽に飲める」と思い、缶コーヒーの開発をスタートさせます。つまり缶コーヒーはユーザー視点から開発が始まった商品で、マーケットインの代表例といえます。

参照:缶コーヒー誕生のきっかけは? | コーヒートリビア | コーヒーはUCC上島珈琲

プロダクトアウト成功事例:ウォークマン

ウォークマンはSONYが開発した携帯音楽プレーヤーです。 

当時は、音楽といえばカセットとテープレコーダーを使って自宅で聞くのが一般的でした。そのようななか、再生専用のテープレコーダーの開発を開始します。当時はテープレコーダーには録音機能がついているのが当たり前で、「再生専用は需要がない」、「絶対に売れない」などと言われるほどでした。 

しかし、発売してみると「音楽を持ち歩く」というコンセプトが受け入れられ大ヒットします。このように、顧客のニーズがないところから始まったウォークマンの開発は、プロダクトアウトの成功事例といえます。 

参照:ソニーグループポータル | Sony History 第6章 理屈をこねる前にやってみよう

マーケットインとプロダクトアウトは両方意識する

マーケットインとプロダクトアウトは、正反対の意味を持つビジネス用語です。マーケットインは顧客のニーズを重視する考え方で、プロダクトアウトは企業の強みを生かすことに重点をおいた考え方です。 

「どちらのほうが良いのか」と思うかもしれません。しかし、どちらが優れているということではなく、どのようなバランスで融合して使うのかが重要です。マーケットインだけ、プロダクトアウトだけでは、それぞれのデメリットをカバーできないためです。 

どちらの考え方を採用するにしても、もう一方の考え方も頭において商品開発を進めましょう。

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Akala Note編集部


右も左もわからないままIT企業に入社。研修でテレアポ、テレマーケティングのおもしろさにはまり、インサイドセールス部門に配属を希望。法人営業、マーケティング部門も経験し、いまでは新人研修も担当する。BtoB営業・マーケティングのオールラウンダーをめざして奮闘中!

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