YouTubeやTikTokなどの動画コンテンツが人気です。SNSやWebサイトでも、動画広告を目にする機会が増えてきました。いまや「動画」は企業のマーケティングにとって欠かせないツールです。もちろん、BtoB企業も例外ではありません。
しかし、動画マーケティングに興味はあるものの「どうやって動画マーケティングを始めたらいいのかわからない……」と悩む人も多いです。
そこで今回は動画マーケティングにこれから取り組む人のために、未経験でもわかる動画マーケティングの基本と成功のコツ、動画マーケティングの成功事例について詳しく解説したいと思います。
動画マーケティングとは
動画はテキストよりも情報量が多く、拡散されやすいことが最大のメリットです。動画マーケティングは大きく分けて、以下の2つの方法があります。
- YouTubeやSNSなどに「動画広告」を出稿する
- 商品説明やブランディングのための「動画コンテンツ」をホームページやSNSに掲載する
動画コンテンツを活用すれば、これまでよりも自社商品やサービスの魅力を伝えやすく、認知度アップや新規顧客の獲得がしやすくなります。
そんな動画のメリットに注目したマーケティング施策を総称して「動画マーケティング」といいます。
2021年から動画広告市場が拡大
コロナ禍以降、インターネット広告費の伸びとともに、動画広告市場も大きく伸びています。
電通グループ4社(CCI / D2C / 電通 / 電通デジタル)による『2021年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析』よると、インターネット広告費のなかでもビデオ(動画)広告が前年比132.8%で5,128億円と大きく市場を伸ばしていることがわかります。
スマートフォンの登場以降、YouTubeなどの動画プラットフォームだけでなく、FacebookやX(旧:Twitter)、instagram、tiktokなどのSNSでも動画を見る機会が増えたことも動画マーケティング市場の拡大に寄与しています。
動画マーケティングのメリット1・「情報量」
コンテンツなど何かを人に伝えるときには「3Vの法則」というものがあります。
【3Vの法則と人の記憶に与える影響割合】 Verbal(言語=テキスト) ・・・・ 7% Vocal (聴覚=音、声) ・・・・ 38% Visual(視覚=映像、画像)・・・・ 55% |
この3Vの法則に当てはめたとき、動画はすべての「V」に訴えられる情報が入るため、テキストだけや写真・イラストなどの画像だけと比べたとき、その情報量は実に5,000倍にもなると言われています。
それも、短時間で確実に多くの情報を伝えられるため、人の記憶に残りやすいのはやはり「動画」です。さらに、動画はテキストのみの場合と比べて人の感情を揺さぶりやすいとも言われています。
動画マーケティングのメリット2・「魅力を伝えすい」
例えば、あなたが病院やエステ、ネイルサロンや美容室など、人にサービスを受ける際には「担当する人はどんな人だろう」「自分に合う人だと良いな」と言った不安を持っていることが少なからずあると思います。
そんなとき、テキストと写真だけで紹介されているものを見るのと、動画で実際にその人がサービスを提供している姿を見るのとでは、不安の解消具合は違うのではないでしょうか。
動画は前述の通り、その人の表情や話し方、動き、そして声を届けることができます。
写真やテキストだけでは伝わらない、その人の魅力をしっかりと伝えることができるだけではなく、それを見た人の不安を解消し、来店・来院への一押しになるのではないでしょうか。
もちろん、Webサービスやアプリなどの実際に手に取ることが難しい商品も、動画で動きを見ながら疑似体験ができるため、説明文やサンプル画像があるだけよりも導入・購入を促進しやすいのではないでしょうか。
動画マーケティングのメリット3・「拡散されやすい」
大手通信キャリアによる通信料の引き下げや5Gなどのネットワーク高速化も相まって、スマートフォンによる動画コンテンツの視聴も非常に増えています。
すでに暮らしの中にYouTubeなどの動画プラットフォームやX(旧:Twitter)・Facebook・InstagramなどのSNSプラットフォームが溶け込んでいるというユーザーも多く、動画広告を目にする機会も増えています。
また、SNS上では自身のタイムライン上に他の人の投稿の間にプロモーションが差し込まれていることも多く、「いいね」や「シェア」などのエンゲージメント率上昇に繋がっているようです。
2022年の動画マーケティング市場の動向は?
さて、動画がいかに多くの情報を伝えられるかをご紹介してきましたが、企業が気になるところは「動画マーケティング市場の今後」でしょう。
2020年は新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、自宅で商品・サービスを検索・消費する巣ごもり需要が増加しました。それに伴い、提供されるコンテンツの質・量ともに高まり、幅広い世代で動画コンテンツの視聴時間が大きく伸びています。
コロナ禍における需要の増加は一過性のものではなく、2022年以降も動画での訴求が一般化していくと考えられます。今後も動画広告市場は大きく成長していくでしょう。
動画マーケティングの始め方
動画マーケティングを始めるとき「動画制作」でつまずく企業も多いです。その課題を紐解いていくと、次のように大別できると思われます。
【動画マーケティングをはじめるまでの課題】 動画制作の知見、リソースがない 時間やコストの問題 何を動画にすればいいのかわからない |
1.動画制作の知見、リソースがない
動画マーケティングに取り組もうと思っても、社内に動画制作の知見を持つ人材がいなかったり、そもそもマーケティングに力を入れていくリソースがないという企業も多いです。
新たに知識を得たり、専任の人材を採用することも難しいでしょう。
しかし、昨今では動画制作は外注だけではなく、社内で内製できる安価なソフトやツールも登場しています。スマホで撮影したものを編集するなど、初心者でも比較的かんたんに使えるもの、無料で使えるものも多いです。
簡易的な動画編集ができるものであれば、canvaやAdobe Expressが人気です。
2.時間やコストの問題
動画制作をするには、かなりの工数が必要になります。
【動画制作の流れ】 1.構成を考える 2.人物を登場させるのであればキャスティングをする 3.撮影場所の確保 4.撮影 5.本番 6.撮影したものを編集する 7.書き出して公開する |
また、どのメディアに出稿するかによって、動画サイズやトーン&マナーも変わってきます。それから撮影機材を自社で持つのであれば、そうした機材の費用もかかりますね。
もちろん、制作会社に外注することで多少の工数は削減できますが、外注先とのやりとりや制作費用などのコストがかかることになります。
こうした時間・工数を十分に確保し、計画的に動画マーケティングを始める必要があります。
3.何を動画にすればいいかわからない
実はこの課題が一番重く、企業のマーケターが悩むところです。動画マーケティング、動画制作を始める前に、まずは自社が対外的に抱える課題は何かをしっかり洗い出すことが重要です。
例えば、商材の売上がイマイチ上がらない、資料請求が増えないという問題があったとします。動画を作れば売上が上がるわけでも、資料請求が増えるわけでもありません。
自社の商材が誰のどんな悩みを解決するのかを見直し、何を伝えるかをしっかりと棚卸ししていくことが重要です。動画の活用はその手段のひとつです。
動画マーケティングの成功事例をご紹介
動画マーケティングに取り組み、成功している企業の事例を紹介します。
東京ガスCM「子育てのプレイボール」篇(90秒)
感動CMが話題になる東京ガスは、従来のTVCMに加えてYouTubeでも動画を公開。その結果、TikTokやTwitterなどのSNSで広く拡散され、認知拡大に成功。動画マーケティングの好事例として注目を集めています。
このほか「母の推し活」篇(90秒)も話題になっています。
株式会社ラクスパートナーズ「採用率4%篇」
ITエンジニアの派遣サービスを展開する株式会社ラクスパートナーズは、エンジニア採用に動画を活用。「経験不問」でも正社員として採用する一方で、採用率わずか4%という数字をあえて見せることでミスマッチを防止。認知の拡大に繋がっています。
まとめ
動画制作は大変なことも多い中、導入するとより大きなマーケティング効果を得られる可能性があることを紹介しました。
実際、動画マーケティングを早期に始めた企業は多くの実績も残し、今後の「動画の時代」を生き抜く力も蓄えています。
まだまだ伸びしろのある「動画広告市場」、競合他社に差をつけるポイントになることも考えられます。まずはSNSのフィード投稿など、ミニマムで始めつつ、本格的な動画制作にチャレンジしてみるのがおすすめです。
「BtoBマーケティング戦略はシンプルイズベスト!2022年最新トレンドを紹介」の記事もぜひ参考にしてみてください。
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