テクノロジーがビジネスの中心になり、BtoBビジネスの在り方に大きな変化が起こっています。
目まぐるしいスピードで変化を続ける社会において、注目されているビジネスフレームワークがOODAループです。
この記事ではOODAループとは何か、またどのようなメリットがあるのかを徹底解説します。
OODAループを簡単に説明すると…
OODAは「ウーダ」と読み、「Observe(観察)」「Orient(状況判断)」「Decide(意思決定)」「Action(行動)」の4つのステップの頭文字から取っています。
この4つのステップを繰り返すことを「OODAループ」といいます。
OODAループは、特に新規事業の開発やスピード感が求められる現場での意思決定に役立ちます。
DX化が進む社会において、ビジネス環境は絶えず変化を続けています。不確実な情報を観察して情報を収集し、仮説を立てて実行に移していくフレームワークとして「OODAループ」が活用されています。
OODAループとは?
OODAループを詳しく理解するために、それぞれのステップについて解説していきます。
Observe(観察)
Observeとは「観察」を意味します。現状を正しく把握するところから、OODAループは始まります。経験や常識にとらわれないように、先入観を捨てて現状を観察することが大切です。
Observe(観察)のステップで、やってはいけない例を紹介します。
・あのお客さんの課題は時間を作れないことだ ・保守費用は安く設定すべきだ ・効率化するためには、システムを導入すればいい |
これらの例は、思い込みや過去の経験から情報をまとめています。
変化が激しいBtoBのビジネス環境では、フラットな思考で正しく観察しなければ、ニーズを捉えて新しい価値を生み出すことはできません。
OODAループでは、先入観を持たずに観察し、目の前にある情報をできるだけ多く集めるようにします。
Orient(状況判断)
Orientとは「状況判断」のステップです。Observeで観察した結果を基に、進むべき方向性を検討します。観察した情報から仮説を立てていくことになります。
例えば、ある会社の工場では「16時以降にオペレーションミスが多い」という観察結果があったとします。そこから、いくつかの仮説を立てていきます。
・16時以降の作業を簡素化すれば、オペレーションミスは減るのではないか? ・16時以降は問い合わせが多く、集中できない環境ではないか? ・システムの入力が複雑になっているのかもしれない |
仮説は、直感を重要視します。OODAループを早く回すために、仮説に時間をかけずにDesideのステップにつなげます。
Deside(意思決定)
Desideとは意思のステップです。Orientで立てた仮説から実行すべきプランを決定します。先ほどの事例を引用すると、以下のような意思決定になります。
・問い合わせ件数を減らすために、チャットボットを導入する ・シンプルな画面構成になるようシステムカスタマイズを検討する |
OODAループでは、意思決定をスピーディに行い、できるだけ早く行動に移していきます。
Action(行動)
Actionは、行動です。OODAループは「ループ」ですから、次のObserveへのつなぎを意識しながらActionをします。
OODAループを利用すれば、最新の情報にアップデートされ、次の仮説立案や意思決定に活かすことができるようになります。先ほどの例を参考にすると、以下のようになります。
・チャットボットを導入したことで問い合わせ件数は減少した ・16時以降のオペレーションミスも10%減少した ・チャットボットが使いにくいというお客様からのクレームが増えた |
これらの検証結果は、やってみなければ得ることができなかった情報です。
計画に時間をかけて、行動を起こすスピードが遅くなると、ビジネス環境の変化に対応できません。OODAループはとにかく早く回すことが大切です。
PDCAとOODAの違い
OODAループとよく比較されるビジネスフレームワークに、PDCAサイクルがあります。ここでは、PDCAとOODAの違いについて解説します。
PDCAサイクルとは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(検証)、Action(改善)の頭文字から取った言葉です。
PDCAサイクルは、社内の業務改善をする際によく利用されており、明確な目標や目的があるときに効果を発揮します。
一方、OODAループは明確な答えがない時に活用しやすいフレームワークで、スピーディーに取り組みを開始することができます。
またOODAループは、じっくりと計画を練るPDCAとは違い、サイクル(ループ)のスピードが早くなります。
BtoBビジネスでOODAループを使うメリット
BtoBビジネスでOODAループを使うメリットには、以下のようなものがあります。
- 意思決定が早い
- 現場で考えて行動できる
- 新規サービスを生み出しやすい
- 臨機黄変な対応ができる
- 新規サービスを生み出しやすい
- 臨機黄変な対応ができる
それぞれについて詳しく解説します。
意思決定が早い
OODAループを活用すると、意思決定が早くなります。
PDCAサイクルのように計画を立てるステップがないため、スピード感を持って提案ができるようになります。競合相手よりも早く行動できるため、市場で優位に立つことも可能です。
現場で考えて行動できる
現場で考えて行動できる点もOODAループのメリットと言えます。経営層からの指示を待たずに仮説を立てて行動に移せるため、より早く提案に移すことができます。また、現場で考えて行動するため、個人のスキルアップが期待できます。
OODAループの観察は、経営層ではできません。現場でキャッチアップした情報を正しく整理して意思決定に活かすため、個人のビジネススキル向上につながります。
新規サービスを生み出しやすい
仮説を立てて意思決定を繰り返すOODAループのビジネスフレームワークは、新規サービスを生み出しやすいメリットがあります。
BtoBビジネスで利用されることを目的とした新しいサービスは、サービスを立案する段階ではどれだけ活用されるか分かりません。そのため、計画に時間をかけるよりも、仮説と検証を繰り返した方が、サービスとして早く確立しやすくなるのです。
リリースした後もOODAループを活用し、サービスの軌道修正を繰り返すことで、新規サービスはより質が向上していくでしょう。
臨機応変な対応ができる
OODAループを活用すれば、計画や目標に固執せずに臨機応変な対応ができるようになります。
ビジネス環境が早いスピードで変化しているのは、BtoBの先にいるお客様も同じことです。お客様のビジネス環境が変わった際にも、臨機応変に的確なサービスの提案ができるようになります。
また、OODAループは行動しながら観察をするため、仮説を立てるための情報は常にアップデートされています。社内には常に新鮮な情報が整理されているため、状況に応じた意思決定がしやすいというメリットがあります。
まとめ
OODAループの概要やPDCAサイクルとの違い、OODAループを活用するメリットを解説してきました。
「トヨタ生産方式」で知られるトヨタ自動車も、PDCAサイクルからOODAループへの転換を図っています。「Toyota New Global Architecture(TNGA)」がとても参考になるので、世界的な企業の考え方も知っておきましょう。
OODAループを活用することで、変化が激しいBtoBビジネスの現場で優位に立つことができます。さっそくOODAループの始まりである「観察」から開始し、実践で活かしていきましょう。
PDCA とは?
PDCAとは、Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)の頭文字を取ったもので、これらのプロセスを順番通りに繰り返し行うことで、継続的に改善を行うためのフレームワークです。
アメリカの統計学者W.エドワーズ・デミング博士とウォルター・シューハート博士が提唱したとされ、サイクル的に繰り返すことから「PDCAサイクル」とも呼ばれます。
日本では、企業などの品質管理に広く取り入れられています。
近年では、一部問題点や欠点が指摘され始め、提唱者のデミング博士自身も思考が停止しがちなCheck(評価)の代わりにStudy(研究)を入れたPDSAサイクルとすべき、と主張するなど、時代や企業文化にあわせて変容しています。
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