「フットインザドア」と「ドアインザフェイス」は、心理学に基づいたアプローチ手法です。これらのテクニックを 商談 に取り入れることで、成約率の向上が期待できます。
本記事では、フットインザドアとドアインザフェイスの活用例や2つの違いをわかりやすく解説します。
フットインザドア・テクニックとは?
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フットインザドア・テクニックとは、最初に相手が「イエス」と返答しやすい小さな要求をし、段階的に要求を大きくすることで最終的な目的を達成するアプローチ手法です。
名前の由来は、訪問販売員がドアの隙間に足を挟む「put foot in the door」です。日本では「段階的要請法」とも呼びます。
人が無意識に「自分の言動や態度を一貫性のあるものにしたい」と思う、「一貫性の原理」を利用しているのが特徴です。人は矛盾することを嫌う傾向にあり、周囲から自分が矛盾していると思われたくないため、このような心理が働くと考えられています。
つまり、最初の小さな要求に「イエス」と回答させることで、次のやや大きな要求に「ノー」と言いにくくなる心理を利用した手法です。
フットインザドア・テクニックの活用例
フットインザドア・テクニックをどのようにビジネスに取り入れるかをイメージしやすいように、3つの活用例を紹介します。
活用例① 営業のフロントトーク
テレアポや飛び込み営業などでよくみられる活用例は、最初の一言であるフロントトークです。
例えば、「5分だけお時間をください」「話だけでもいいので聞いてほしい」などです。相手にとってリスクや影響が少ないため「少しだけならいいよ」と「イエス」を引き出しやすく、会話の糸口をつかむことができます。
次に、商品説明やアポイントメントの約束など、段階的に要求を大きくして成約をめざします。
活用例② 試供品の提供
新規顧客の開拓の施策としてよくみられる活用例は、試供品の提供です。料金が発生しないため顧客が受け入れやすく、企業にとっても顧客との接点を作る機会となるためです。
さらに、試供品を受け取った顧客は、「一貫性の原理」によって次の提案を断りにくくなります。その結果、商品やサービスの契約につながる可能性が高まります。
活用例③ 無料セミナーの開催
潜在顧客や見込み顧客との信頼関係を構築する際の活用例は、無料セミナーの開催です。無料なので顧客は参加しやすく、有益な情報を得られることで信頼関係の構築にも役立ちます。
無料セミナーの最後に、次の有料セミナーや商品を案内することで、契約につながる可能性があります。
ドアインザフェイス・テクニックとは?
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ドアインザフェイス・テクニックとは、最初に大きな要求をして相手に断られてから、本命の小さな要求をすることで「イエス」を引き出すアプローチ手法です。
英語の「shut the door in the face(門前払い)」が由来で、日本語では「譲歩的要請法」とも呼びます。
「人から何かしてもらうと、何かお返しをしたくなる」と思う、「返報性の原理」を利用しているのが特徴です。つまり、あえて一度断られることで、相手が「次は自分が譲歩する番」と思う心理を利用して本来の要求を承諾してもらう手法です。
ドアインザフェイス・テクニックの活用例
ビジネスにおけるドアインザフェイス・テクニックの3つの活用例を紹介します。
活用例① 値段交渉
1つ目の活用例は値段交渉です。
例えば、30万円で販売したい商品があります。この場合、最初に提示する金額は本来の希望額ではなく、40万円のように高く設定します。相手はこの金額が高いと感じて断るでしょう。その後、販売価格を35万円、さらに30万円と値引きして提案します。
このように値引きを行うことで、相手は「譲歩してもらった」と感じて、そのお返しとして30万円で購入する可能性が高まります。
活用例② 納期交渉
2つ目の活用例は納期交渉です。
例えば、実際には4日で納品可能な製品であっても、最初に1週間の納期を提案します。相手は、「もっと早くしてほしい」と要望されるでしょう。次に5日、最終的に4日と、段階的に短い納期を提案します。
このように交渉することで、最終的に本来の納期で受注を獲得しやすくなり、無理なく対応することができます。
活用例③ アンケートの依頼
3つ目の活用例はアンケートの依頼です。
例えば、最初に時間のかかるアンケートを提示して、断られた場合に簡易版のアンケートをお願いする方法です。この方法を採用することで、より多くの回答を得ることができます。
フットインザドアとドアインザフェイスの違い
![foot_in_the_door (4)](https://note.akala.ai/wp-content/uploads/2025/01/foot_in_the_door-4-1024x576.jpg)
簡単に言えば、フットインザドアは「最初に小さな要求を提示して段階的に要求を上げていく方法」で、ドアインザフェイスは「最初に大きな要求をして段階的に要求を下げていく方法」です。
この違いから、2つは正反対のアプローチ手法と言えます。
覚えておきたい関連語「ドアノック」
営業におけるドアノックとは、新規顧客を開拓するための初回の接触活動です。
訪問営業、テレアポ、メール営業などで、潜在顧客に自社を知ってもらい、興味を引くことを目的としています。つまり、ドアノックとは「取引を始める入口」という意味です。
例えば、商品サンプルや初回無料サービスなどのドアノック商材(商品・ツール)を提案して、最終的にメイン商材を買ってもらう手法があります。フック商材と呼ぶこともあります。
テクニックを使う際の注意点
2つのテクニックは心理学に基づいていますが、使い方を誤ると効果が薄れたり、取引先から信頼を失ってしまう恐れもあります。適切に活用するために、3つの注意点を押さえておきましょう。
要求するタイミングが遅い
要求するタイミングが遅いと効果が薄れるので注意が必要です。次の要求までに時間が空くと、「一貫性の原理」と「返報性の原理」の心理が弱まるためです。
例えば、「譲歩してもらったので、次はこちらが譲歩しよう」という気持ちは、時間が経つと忘れたり、気にしなくなったりするでしょう。そのため成功するには、テンポよく要求することがポイントです。
何度も同じ相手に使う
同じ相手に何度も使うと、意図が気づかれてしまいます。すると、相手が不信感や不快感を抱き、逆効果になることがあります。使用する際は間隔を空けたり、別の手法を取り入れたりして気づかれないような配慮が大切です。
最初の要求が過度に小さい、または大きい
最初の要求が過度に小さい、または大きい場合は成果につながらない可能性があります。
小さすぎると本来の要求までに時間がかかり、大きすぎると相手が「無理難題を言っている」と感じて信頼を失うためです。このような事態を避けるために、最初の要求は事前に検討する必要があります。
心理テクニックを武器に成約率を高めよう
フットインザドアとドアインザフェイスは、人が無意識に感じる心理にアプローチする手法です。そのため、これらのテクニックは営業において心強い武器となるでしょう。
ただし、使い方によっては逆効果になることがあります。顧客の心理を見極めながら、適切なタイミングで使用して成約率向上をめざしましょう。
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