質問の仕方次第で、テレアポや商談の成功率を上げることができます。とくに知っておきたい質問方法は「オープンクエスチョン」と「クローズドクエスチョン」です。
営業シーンでのオープンクエスチョンとクローズドクエスチョンの使い分け方や質問の具体例など、わかりやすく解説していきます。なかなかテレアポの成果が上がらない、商談に自信がないという方必見です。
※この記事は2022年1月17日に公開したものを加筆して更新しています
オープンクエスチョンとは
オープンクエスチョンとは、相手が回答する範囲に制約を設けない質問方法です。
「これについて、どう思いますか?」 「サービスを利用した感想をお聞かせいただけますか?」 |
上記のように回答内容が制限されず幅が広がるため、相手から多くの情報を引き出したいときなどに活用できます。
ただし、幅が広すぎると相手に心理的な負担がかかるケースもあるので、5W1H(いつ・どこ・誰・何・なぜ・方法)などを提示したうえで回答範囲を限定するといいでしょう。
オープンクエスチョンのメリットとデメリット
オープンクエスチョンのメリットとデメリットを詳しくご紹介していきます。
オープンクエスチョンのメリット
回答範囲が制限されないオープンクエスチョンは、質問者自身も想定していなかった回答を得やすくなります。また、回答する側も質問をきっかけに深く考えることができるため、抱えていた問題解決のヒントにもつながります。
オープンクエスチョンのデメリット
会話の幅が広がりすぎてコミュニケーションそのものが目的となってしまい、何も決められないまま商談が終わってしまうことがあります。話の方向性をコントロールするのが難しいのも、オープンクエスチョン特有のデメリットと言えるでしょう。
クローズドクエスチョンとは
クローズドクエスチョンとは、「はい、いいえ」の二択や「AかBかC」の三択などで答えられるようにする質問方法です。
「この製品は気に入りましたか?」 「今後もご利用いただけますか?」 |
上記のように回答範囲が限定的になるため、相手の考えや事実を明確にしたいシーンで活用できます。
クローズドクエスチョンのメリットとデメリット
クローズドクエスチョンのメリットとデメリットを詳しく見ていきましょう。
クローズドクエスチョンのメリット
相手の意思を確認しながら商談を進められるクローズドクエスチョンには、顧客の問題を把握しやすいというメリットがあります。商談では二択や三択での回答を迫るシーンも多いため、クローズドクエスチョンを使いこなすスキルは必要不可欠です。
クローズドクエスチョンのデメリット
クローズドクエスチョンには「回答を迫る」という印象があるため、質問を繰り返すと尋問のように聞こえることがあります。自分本位な質問の連続は、回答者の真意と異なる結果につながりやすいので注意が必要です。
オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンの違いについては、以下のまとめも参考にしてみてください。
オープンクエスチョン/クローズドクエスチョン とは?
オープンクエスチョンとは、相手からより多くの情報を引き出すために、制約を設けずに自由に答えてもらうように質問することをいいます。
「どんなお考えですか?」「今後の展開は?」など、「Yes・No」で答えさせないことで会話の幅を広げるテクニックです。
反対にクローズドクエスチョンとは、「Yes・No」の二者択一や「A or B or C」の三者択一で答えさせるような、回答範囲を限定して質問することをいいます。
相手の考えを明確にしたい場合に利用されます。
ニーズのヒアリングをする場合は、5W1Hの要素を交えてオープンクエスチョンで質問をし、商談やクロージングの場合はクローズドクエスチョンを織り交ぜる手法が有効でしょう。
◆関連用語
営業トークでオープンクエスチョンを活用する具体例
ここからは、オープンクエスチョンの具体例を商談のステップ別に紹介していきます。
1.アイスブレイク
商談の本筋と全く関係ない話からスタートすることで、相手の緊張をほぐしながら信頼関係を構築していくことができます。何気ない会話のなかから、顧客が抱えている課題やニーズを得られる可能性もあるでしょう。
・質問の例
「こちらの部署では、どのような仕事をされているのですか?」 「御社はとても活気がありますが、何か特別な施策でもしているのですか?」など |
2.ヒアリング
オープンクエスチョンをヒアリングで活用すれば、会話をスムーズに進めながら顧客の問題意識を深く聞き出すことができます。
・質問の例
「御社が抱えている課題に対する見解を教えていただけませんか?」 「他社では〇〇という問題が発生しているとよく伺いますが、御社ではいかがでしょうか?」など |
3.プレゼンや提案
顧客の業態や取り扱い分野に関連したオープンクエスチョンを投げかけると、前向きに検討してもらえるきっかけになります。
・質問の例
「御社がこのツールを導入されたら、どのような機能が役立つと思われますか?」 「他社での導入が進んでいる本製品について、どのように思われますか?」など |
4.クロージング
顧客の課題を共有しながら信頼関係を強固にすることで、稟議以降のプロセスがスムーズに進みます。
・質問の例
「稟議にあげていただく際には、どのような情報が必要でしょうか?」 「決済フローに進めていただくために必要な資料は、どのようなものがありますか?」など |
5.フォローアップ
オープンクエスチョンを活用すれば製品やサービスの使用感を自由に述べてもらえるため、中長期的な関係性の構築に役立ちます。
・質問の例
「ご使用感はいかがでしたか?」 「改善してほしい点などがございましたら、お知らせいただけますか?」など |
営業トークでクローズドクエスチョンを活用する具体例
ここからは、クローズドクエスチョンの具体例を商談のステップ別に紹介していきます。
1.アイスブレイク
信頼関係が構築できていない段階では、相手が答えやすいクローズドクエスチョンを投げかけることで会話のきっかけを掴めます。質問は商談に関する内容でなくても構いません。
・質問の例
「御社のビルは駅と直結しているんですか?」 「紅茶の箱が並んでいますが、紅茶がお好きなんですか?」など |
2.ヒアリング
クローズドクエスチョンで回答の範囲を限定すれば、課題や予算を特定することができます。
・質問の例
「御社の課題は〇〇ということでよろしいでしょうか?」 「予算は〇〇円から〇〇円の範囲ということで問題ないでしょうか?」など |
3.プレゼンや提案
相手が答えやすいクローズドクエスチョンを使えば、提案に向けた流れを作りやすくなります。
・質問の例
「他社での解決策としてはこのようなケースがありましたが、ご存知でしたか?」 「この課題を放置しておくのは人件費の無駄になりますが、何か対策はされないのでしょうか?」など |
4.クロージング
クローズドクエスチョンを通じて、最終確認しておくべきポイントを明らかにできます。
・質問の例
「ご契約までの流れは、こちらでよろしいでしょうか?」 「契約日は来週の火曜と水曜のどちらがよろしいでしょうか?」など |
5.フォローアップ
選択肢が限られていて答えやすいクローズドクエスチョンは、顧客満足度を手軽に測りたいときに有効です。
・質問の例
「サービスには満足していただけましたか?」 「製品に不具合は起きていませんか?」など |
オープンクエスチョンとクローズドクエスチョン活用のポイント
活用方法と併せて次の2点をチェックしておくと、さらに商談を進めやすくなります。
1.オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンを組み合わせて使う
2つの質問方法を組み合わせると会話の流れが自然になるため、相手の考えを引き出しやすくなります。
・会話の具体例
営業担当者「御社の抱えている問題を、もう少し詳しくお聞かせください」 顧客「〇〇といった問題を抱えています」 営業担当者「それは今年に入ってからですか?」 顧客「昨年末ごろからです」 など |
2.テストクロージングでは組み合わせて活用する
商談中に商品購入の意思を確認する「テストクロージング(テスクロ)」でオープンクエスチョンやクローズドクエスチョンを組み合わせて活用すると、成約へとつなげやすくなります。
・質問の例
「条件が合えば、契約したいとお考えでしようか?」 「ここまででいちばん興味を持っていただいたのはどの部分ですか?」 など |
まとめ
オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンは、商談のあらゆる段階で役立つ質問方法です。 商談 の成否は顧客の本質的な課題やニーズを聞きだすことで決まります。
今回ご紹介した質問例や活用ポイントに加えて、 BANT 情報や トークスクリプト についても理解を深めてビジネスシーンで役立てましょう。
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