最近ではコンプライアンス的な観点から、お歳暮やお中元を廃止する企業が増えています。同じように年賀状も廃止する傾向にあります。「虚礼廃止(きょれいはいし)」という言葉も一般化しつつありますね。
しかし、ビジネスシーンにおいて季節のあいさつは、顧客と自然な接点を持つきっかけになることもあります。そう考えると、戦略的な接点作り、マーケティングの一環としての「暑中見舞い」「残暑見舞い」はとても重要です。
この記事では、なぜ取引先に暑中見舞いや残暑見舞いを送る必要があるのか、正しい書き方やビジネスマナーについて、具体的な例文テンプレートを使って紹介します。
虚礼廃止(読み方:きょれいはいし) 形骸化して気持ちのこもってない儀礼を廃止すること。お中元、お歳暮、年賀状のやり取りを廃止する企業が増えている。 |
取引先に暑中見舞い・残暑見舞いを送る必要はある?
夏のご挨拶といえばの「暑中見舞い」「残暑見舞い」ですが、企業の場合はマーケティング活動の一環として活用するケースが増えています。
例えば、暑中見舞いを兼ねて夏期休業期間のお知らせをする、セールやキャンペーンの告知をするという方法があります。
しかし、虚礼廃止が一般的になりつつあるため、暑中見舞いは企業として必ず出さなければならないものではありません。特別感のあるコミュニケーションの手段のひとつとして、活用してみましょう。
暑中見舞い・残暑見舞いの由来と意味
暑中見舞いは猛暑の時期にお世話になった方や、普段なかなか会えない親族へ送る夏の挨拶状のことを指します。相手の健康を気遣うほか、近況報告をする目的もあります。
その起源は古く、江戸時代ころから始まり、明治時代に郵便制度が発達したことで夏の習慣として定着したそうです。
暑中見舞いはいつ送るべき?
一年で最も暑さが厳しいとされる「暑中」の時期に、相手の健康を気遣って送るのが暑中見舞いの本来の意味です。
暑中とは夏の土用といわれる7月20日頃から8月7日頃を指します。とはいえ、まだまだ暑さが続くため、立秋を過ぎた8月8日頃から8月末を残暑といいます。
特に決まりはありませんが、一般的に「暑中見舞い」は梅雨が明けるころの「小暑(7月7日頃)」から「立秋(8月7日頃)」までに送ります。立秋を過ぎたら「処暑(8月23日頃)」までに「残暑見舞い」を送ります。
ちなみに、「暑中見舞い」と「残暑見舞い」は両方出す必要はありません。どちらか一方でOKです。
参考:国立天文台「令和6年(2024)二十四節気および雑節」
企業が暑中見舞いを送るタイミングは?
では、企業が暑中見舞いを送るタイミングはいつが良いのでしょうか? ひとつの目安として「お盆」の前後で考えてみましょう。
お盆は8月13日から16日の4日間を指します。この時期に夏期休業を取る企業も多いため、梅雨明けごろからお盆休みまでは「暑中見舞い」、盆明けから8月末を「残暑見舞い」とするとわかりやすいですね。
ちなみに、2024年の一般企業の夏休みは8月10日(土)から8月15日(木)の6日間になるところが多いようです。企業によっては、8月18日(日)までの9連休になるケースもあります。
キャンペーンやセールの事前告知をいつ行うかを決め、告知日にあわせて暑中見舞い、もしくは残暑見舞いを送ってみましょう。
▼お盆休みや夏季休業期間に関するビジネスマナーについては以下の記事で詳しく解説しています
暑中見舞い・残暑見舞いはメールで送ってもいい?
暑中見舞い、残暑見舞いというとハガキで送るイメージが強いです。ですが、取引先に対してメールで暑中見舞い、残暑見舞いを送ってもマナー違反ではありません。
確かにハガキで送るほうが丁寧ではあるのですが、より相手に負担をかけない方法として「メール」を選択する企業が増えています。
相手がテレワークというケースも考えられますし、SDGsの観点からハガキでのやり取りを控えているケースも考えられます。また、メールで送ったほうが、開封率や反応率などの効果測定がしやすいです。
暑中見舞い、残暑見舞いは必ず送らなければならないものではないので、「暑中見舞い+夏季休業期間のお知らせ」「暑中見舞い+セール・キャンペーンのお知らせ」など、要件に一言プラスした形で送るのが望ましいでしょう。
▼メールの開封率の測定方法などをわかりやすく解説しています
暑中見舞い・残暑見舞いの書き方のマナー
暑中見舞い・残暑見舞いをメールで出すときのマナーは、基本的にはハガキで出す場合と同じです。ただしメールの場合は「横書き・左詰め」の書式に限定されるので、ハガキよりもシンプルな構成になります。
暑中見舞い・残暑見舞いメールのマナー
暑中見舞いや残暑見舞いはメールで気軽に送ることができますが、社会人として抑えておきたいマナーがあります。一般常識として覚えておくと安心です。
●件名はわかりやすく
要件がわかりやすいように件名は「暑中お見舞い申し上げます【○○株式会社 ○○】」としましょう。
「暑中お見舞い申し上げます」「残暑お見舞い申し上げます」には句点(。)は付けません。これは「関係を終わらせる」という意味があるため、取引先へ送るメールの件名にはふさわしくないと考えられています。
また、「見舞う」は相手より優位な立場の人が使う表現で、「暑中お伺い申し上げます」と書くべきという説もあります。しかし、現代ではメールでもハガキでも、意図がわかりやすい「暑中お見舞い申し上げます」が主流になっているようです。
●「拝啓」「敬具」は使わない
暑中見舞いや残暑見舞いでは、「拝啓」「敬具」などの頭語や結語は書きません。
暑中見舞い・残暑見舞いメールの書き方
暑中見舞い・残暑見舞いのメールには、基本的には以下の内容を盛り込みます。
- 相手の健康を気遣う言葉
- 日頃の感謝の気持ち
- 会社や自分の近況
- 結びの言葉
さらに、以下のようなお知らせの文章も追記します。
- 夏期休業期間のお知らせ
- セール・キャンペーンの案内
- クールビズの実施
ビジネスで使える暑中見舞い・残暑見舞いの例文・テンプレート
今回はマーケティングの一環として取引先や顧客にメールで暑中見舞い・残暑見舞いを出す場合の例文をご紹介したいと思います。テンプレートとしてぜひご活用ください!
暑中見舞いの文例①
夏期休業期間をお知らせする場合の暑中見舞いの例文です。
件名:暑中お見舞い申し上げます【株式会社○○ 山田】 株式会社○○ 佐藤様 暑中お見舞い申し上げます 平素は格別のご高配を賜り厚くお礼申し上げます。 株式会社〇〇の山田です。 さて、弊社では誠に勝手ながら 下記の期間を夏期休業期間とさせていただきます。 ─────────────────────────────────── ■夏期休業日のお知らせ 2023年8月11日(金・祝)~8月16日(水) ─────────────────────────────────── 休業期間中に頂いたお問い合わせにつきましては、 8月17日(木)から順次対応をさせていただきます。 お手数をおかけいたしますが、何卒ご了承いただけますようお願い申し上げます。 暑さ厳しき折柄、皆様のご健勝をお祈り申し上げますとともに、 今後とも変わらぬお引き立ての程、よろしくお願い申し上げます。 ………………… 株式会社〇〇 山田 太郎 〒123-0000 東京都○○区○○1-1-1 電話:00-0000-0000 mail:aaa@aaa.co.jp https://note.akala.ai/ ………………… |
暑中見舞いの文例②
暑中見舞いとあわせてセール・キャンペーン情報をお知らせする場合の文例です。
件名:暑中お見舞い申し上げます【株式会社○○ 山田】 株式会社○○ 佐藤様 暑中お見舞い申し上げます 平素は格別のご高配を賜り厚くお礼申し上げます。 株式会社〇〇の山田です。 さて、弊社サービスのAkalaリストでは 「月額料金60%OFFの特別価格」にて大放出セールを行います。 期間限定になりますので、ぜひこの機会にご利用くださいませ。 ─────────────────────────────────── ■営業リストが60%OFF 夏の大放出セール開催中! https://list.akala.ai/ 【8/31まで】 ─────────────────────────────────── 暑さ厳しき折柄、皆様のご健勝をお祈り申し上げますとともに、 今後とも変わらぬお引き立ての程、よろしくお願い申し上げます。 ………………… 株式会社〇〇 山田 太郎 〒123-0000 東京都○○区○○1-1-1 電話:00-0000-0000 mail:aaa@aaa.co.jp https://note.akala.ai/ ………………… |
暑中見舞いの文例③
季節の挨拶とともにクールビズの実施を伝える文例です。
件名:暑中お見舞い申し上げます【株式会社○○ 山田】 株式会社○○ 佐藤様 暑中お見舞い申し上げます 平素は格別のご高配を賜り厚くお礼申し上げます。 株式会社〇〇の山田です。 弊社では夏期期間中はクールビズを実施しており、 ノージャケット・ノーネクタイなどの軽装を推進いたしております。 弊社へお越しの際も軽装にてご来社いただけますようお願い申し上げます。 暑さ厳しき折柄、くれぐれもご自愛くださいませ。 今後とも変わらぬお引き立ての程、よろしくお願い申し上げます。 ………………… 株式会社〇〇 山田 太郎 〒123-0000 東京都○○区○○1-1-1 電話:00-0000-0000 mail:aaa@aaa.co.jp https://note.akala.ai/ ………………… |
残暑見舞いの文例①
残暑見舞いの場合も、暑中見舞いの場合とほぼ同じ文章になります。
件名:残暑お見舞い申し上げます【株式会社○○ 山田】 株式会社○○ 佐藤様 残暑お見舞い申し上げます 平素は格別のご高配を賜り厚くお礼申し上げます。 株式会社〇〇の山田です。 さて、弊社サービスのAkalaリストでは 「月額料金60%OFFの特別価格」にて大放出セールを行います。 期間限定になりますので、ぜひこの機会にご利用くださいませ。 ─────────────────────────────────── ■営業リストが60%OFF 夏の大放出セール開催中! https://list.akala.ai/ 【8/31まで】 ─────────────────────────────────── 残暑厳しき折、皆様のご健勝をお祈り申し上げますとともに、 今後とも変わらぬお引き立ての程、よろしくお願い申し上げます。 ………………… 株式会社〇〇 山田 太郎 〒123-0000 東京都○○区○○1-1-1 電話:00-0000-0000 mail:aaa@aaa.co.jp https://note.akala.ai/ ………………… |
まとめ
暑中見舞いや残暑見舞いは廃止する企業が多い一方で、顧客との特別な接点作り、マーケティングの一貫として活用するというアイデアもあります。
近年ではメールで送ることも一般化しつつありますが、はがきで送る場合と同じく、暑中見舞い・残暑見舞いにまつわるビジネスマナーや適切な書き方は覚えておいたほうが良いでしょう。
この記事では具体的な例文・テンプレートを紹介しました。そのまま活用できるので、ぜひ実践してみましょう!
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