新年の挨拶はビジネスマナーの基本ですが、年賀状のマナーを正しく理解していますか?
年賀状は顧客へ感謝の気持ちを伝える大切なツールです。営業活動のひとつと捉えることもできますね。しかし、マナーを守らないと、逆に不快感や誤解を招くこともあります。
そこで、この記事ではビジネス年賀状の正しいマナーとは何か、好印象を与えるポイントとNGマナーについて紹介します。
取引先に年賀状を送るべき?ビジネス年賀状の意義
取引先に年賀状を送るべきかどうか、迷っている方も多いと思います。ビジネスでも、プライベートでも、年賀状を出さなくなったというケースは珍しくありません。
ビジネス年賀状は、取引先や顧客に対して新年の挨拶と感謝の気持ちを伝えるとともに、今後の関係をより良くするためのコミュニケーションツールとしての役割もあります。
ビジネス年賀状を送るメリット
まずはビジネス年賀状を送るメリットを考えてみましょう。
- 取引先や顧客との信頼関係を築く
- 自社のブランドやサービスをアピールする
- 既存の取引先や顧客との関係を維持する
- 付き合いが復活するきっかけになる
ビジネス年賀状はメールとは異なって営業っぽさがなく、見てもらえる可能性が高いこともメリットです。
ビジネス年賀状を送るデメリット
ただし、送る相手や業界によっては、ビジネス年賀状が不要だったり、逆効果な場合もあります。例えば、以下のような場合は、ビジネス年賀状を送らない方が良いでしょう。
- 取引先や顧客がビジネス年賀状に対して否定的な態度を示している場合
- 取引先や顧客が「虚礼廃止※」を推進している
- 海外の取引先、顧客の場合
- 郵便料金の値上げでコスト増
※虚礼廃止(きょれいはいし)…形骸化した年賀状やお中元、お歳暮のやり取りを廃止すること
また、2024年10月には郵便料金が値上げされます。はがきは63円から85円に、封書は84円(25g以下)・94円(50g以下)から110円に値上がりすることになるため、コストが増えることが予想されます。
ビジネス年賀状を送るかどうかは、相手の意向とコストに応じて柔軟に対応することが大切です。
※参考:日本郵便株式会社ホームぺージ「2024年10月1日(火)から郵便料金が変わります。」より
ビジネス年賀状で好印象を与えるポイント
ビジネス年賀状は基本的なマナーを押さえつつ、好印象を与えるものになるような配慮が求められます。
マナーを守って正しく宛名を書く
まずは宛名を丁寧に書くことは必須です。間違えたり、省略したりすると失礼にあたります。
「様」や「御中」を正しく使うことはもちろん、住所の都道府県名や「株式会社」「合同会社」などの法人種別、部署名、役職も省略せずにきちんと書きます。番地などの数字は漢数字を使います。
丁寧な言葉選び
ビジネス年賀状では相手に対する敬意や尊重を示すことが重要です。過度に謙遜する必要はありませんが、丁寧な言葉を選びましょう。
元旦に届くように出す
年賀状は元旦に届くようにするには、12月15日~12月25日の年賀状受付期間に投函する必要があります。
ただし、先方も年末年始休みの可能性があるため、できれば三が日の間、遅くとも松の内(関東は1月7日、関西は1月15日ごろ)までに届くように出すのがマナーです。
手書き vs. 印刷
ビジネス年賀状で好印象を与えるには、手書きと印刷のどちらがいいのでしょうか?
一般的には、手書きの方が相手に気持ちが伝わりやすく、丁寧さや親しみやすさを感じさせると言われています。しかし、手書きには時間や労力がかかりますし、字が汚いと逆効果になる可能性もあります。
印刷の場合は、時間や労力を節約できますし、デザインやレイアウトも自由に選べます。いまや宛名面も裏面も印刷というケースも多いので特に失礼なことではありません。
結論としては、手書きと印刷のどちらがいいかは、相手との関係性や目的によって変わります。手書きは、親しい相手や感謝の気持ちを伝えたい相手に向いています。印刷は、多くの相手に一斉に送る場合やビジネスライクな印象を与えたい場合に向いています。
手書きの一言メッセージを添える
両面とも印刷した年賀状でも、手書きのメッセージを添えると印象に残りやすいです。
どんな内容でもOKですが、前向きなメッセージになるように注意しましょう。例えば、プロジェクト成功のお礼や新年の抱負など、よりパーソナルなメッセージがあるとぐっと印象が良くなります。
▼年末年始に関するビジネスマナーについてはこちら
意外な落とし穴「郵便番号がわからない」
ビジネス年賀状を書くときに、営業リストのデータをもとに年賀状の宛名を印刷することが多いと思います。
テレアポやメールをするときには気にならないのですが、意外と「郵便番号が未入力」ということがあります。いざ年賀状を出そうというときに、郵便番号がわからないと困ってしまいますね。
以前はExcelのアドインで「郵便番号変換ウィザード」という便利なツールが配布されていましたが、現在では確認することができませんでした……。郵便局のWebサイトでひとつひとつ調べるのも大変です。
でも安心してください。エクセル関数を使えば、住所から郵便番号をサクッと変換できます。
PHONETIC関数で住所を郵便番号に変換する
PHONETIC関数は読み仮名を取り出す関数です。実は、日本語の住所を郵便番号に変換することもできる便利な関数なのです。
1.郵便番号を入力したいセルに「=PHONETIC(住所セル番号)」と入力します 2.全角の郵便番号が表示されます 3.半角に変換したい場合はASC関数を使って「=ASC(PHONETIC(住所セル番号))」と入力します 4.オートフィルで数式をコピーして完成です |
PHONETIC関数はとても便利なのですが、ダウンロードファイルやExcel以外からコピペした文字データでは変換できません……。
WebAPI関数を使って郵便番号を自動入力する
合同会社ハトライズが提供するExcelAPIを使うことで、住所から自動で郵便番号を入力することができます。
使い方はとっても簡単です。
1.郵便番号を入力したいセルに「=WEBSERVICE(“http://api.excelapi.org/post/zipcode?address=”&ENCODEURL(住所セル番号))」と入力します 2.ハイフンなしの郵便番号が表示されます 3.オートフィルで数式をコピーして完成です |
※API…アプリケーション・プログラミング・インターフェース(Application Programing Interface)。プログラムを通じて外部のアプリケーションを利用できる仕組み
▼郵便番号から住所を入力することもできます! ※公式X(旧:ツイッターより)
さらに、Google スプレッドシートでも使うことができます。その場合は、関数を「=IMPORTXML(“https://api.excelapi.org/post/zipcode?address=”&ENCODEURL(住所セル番号),”.”)」 と入力します。
ただし、Microsoft Office Excel 2013 以降のバージョン、Web版のExcel、Mac版のExcelでは使うことができません。また、負荷対策のため1日1万件までの制限があります。それ以上のアクセスが必要な場合は有料プランに加入する必要があります。
引用:https://excelapi.org/docs/post/zipcode/
ビジネス年賀状のNGマナーの回避法
ビジネス年賀状にもビジネスマナーがあります。うっかりマナー違反になってしまわないように、必ず確認するようにしましょう。
迎春・賀正は使わない
年賀状の裏面の基本的な構成は以下の通りです。
・賀詞(祝いの言葉) ・挨拶文(旧年のお礼、取引先の幸福を願う言葉) ・日付(令和六年、二〇二四年 元旦 など) |
賀詞とは「迎春」「賀正」などの祝いの言葉のことです。年賀状では、1~2文字の賀詞を目上の人に使うのはマナー違反とされています。取引先に送る年賀状には「謹賀新年」「恭賀新年」もしくは「謹んで新春のお慶びを申し上げます」などの賀詞を使います。
忌み言葉を使わない
挨拶文では「去る」「絶える」「切る」「離れる」「終わる」などの忌み言葉は使いません。「去年」もNGなので「旧年」「昨年」を使うのがマナーです。
「、」や「。」などの句読点は使わない
句読点は「終わり」や「区切り」を意味すると考えられており、縁起が良くないとされています。年賀状を始め、暑中見舞いや寒中見舞いの挨拶文では、句読点を使わないのがマナーです。
とはいえ、読みにくい文章も好ましくないため、適度に改行やスペースを入れて読みやすく整えることが大切です。
重複に気をつける
年賀状では重複した言葉を使いません。例えば、「謹賀新年」は「謹んで新年をお祝いいたします」という意味なので、続けて「あけましておめでとうございます」とすると意味が重複してしまいます。
また、「元旦」は、元日(1月1日)の朝という意味なので、「令和六年 一月一日 元旦」という書き方はしません。書くなら「令和六年 元旦」が正解です。
年末年始の郵便局の営業時間に気をつける
年末年始は郵便局の配達業務がお休みになる日があるので注意しましょう。例えば、国民の祝日、振替休日、土日、1月2日は年賀状など郵便物の配達が休止になります。(※ゆうパック、レターパック、書留、速達などは通常通り配達されます)
年月日 | 配達 |
---|---|
2023年12月30日(土) | ○ |
2023年12月31日(日) | × |
2024年1月1日(月)元日 | ○ |
2024年1月2日(火) | × |
2024年1月3日(水) | ○ |
上記の通り、1月2日は年賀状など郵便物の配達がお休みになります。
そのため、12月25日までに出された年賀状は1月1日に届きますが、12月26日~31日に投函した年賀状は1月3日に配達される可能性が高くなります。1月1日に投函した年賀状は1月4日以降に配達される可能性が高いでしょう。
近年では人手不足も相まって、さらに配達日時が遅れる可能性もあることを覚えておきましょう。
年賀状を出していない相手から届いたら寒中見舞い・メールでお礼を
新年の仕事始めの日に出社して、年賀状を出していない取引先から年賀状が届いていたらドキッとしますよね。
前述の通り、年賀状は「松の内(関東は1月7日、関西は1月15日ごろ)」までに届くように出すのがマナーです。仕事始めの日に年賀状を投函したとしても、上記の通り、配達の休止日が重なると松の内に間に合わないことも考えられます。
そのようなときは、「寒中見舞い」もしくは「メール」で感謝の気持ちとお詫びを伝えましょう。寒中見舞いは1月7日の松の内以降から2月4日の節分までに出すのがマナーです。
<寒中見舞いをはがきで出すときの文例> 寒中お見舞い申し上げます ご丁寧な年始のご挨拶をいただき誠にありがとうございました おかげさまで私どもも穏やかに新年を過ごしております まだまだ寒さが続きますが くれぐれもご自愛ください 本年もよろしくお願い申し上げます 二〇二五年 一月吉日 |
<寒中見舞いをメールで出すときの文例> 寒中お見舞い申し上げます。 新年には丁寧なご挨拶をいただき誠にありがとうございました。 ご挨拶がすっかり遅れてしまい、申し訳ございません。 まだまだ寒さの厳しい時期ではありますが、おかげさまで元気に過ごせております。 本年も変わらぬお付き合いのほどよろしくお願いいたします。 |
まとめ
ビジネス年賀状は、取引先やお世話になっている方への新年の挨拶として欠かせないものです。マナーを守って丁寧に作成することで、相手に好印象を与えることができます。
ビジネス年賀状の正しいマナーのポイントは、以下のとおりです。
- 元旦までに届くように早めに準備する
- 宛名は丁寧に書き、敬称や役職に間違いがないようにする
- 賀詞は「謹賀新年」が一般的
- 手書きの一言メッセージを添えると好印象
- 句読点や忌み言葉は使わない
- 松の内を過ぎたら寒中見舞いを出す
ビジネス年賀状は、相手との関係を良好に保つための重要なコミュニケーションツールです。マナーを守って丁寧に作成することを心がけ、今後のビジネスに役立てましょう。
【PR】新規開拓に使える営業リストが無料ダウンロードできる「Akalaリスト」
Akalaリストとは、絞り込み条件を選ぶだけで、ニーズにマッチした企業を抽出できる「営業リスト作成ツール」です。
絞り込み条件を選ぶだけで、最短30秒で営業リストが作成でき、さくっとダウンロード可能。CSVファイル形式なのでエクセルやGoogleスプレッドシートで開け、そのままSFAやCRMにアップロードすることもできます。
もちろん、営業リストの鮮度と精度にもこだわっています。
各企業のIR情報や官公庁の統計資料などの一般公開されている情報はもちろん、日本国内の500万を超える法人データを収集し、高い精度で連絡先のクレンジング・名寄せ処理を行っています。
テレアポ・FAXDM・郵送DM・フォーム営業がすぐにはじめられるAkalaリスト。ムダのない営業活動をサポートします。
いまなら毎月300件無料ダウンロードできる!
いまなら会員登録するだけで毎月300件の営業リストが無料ダウンロードできます!
有料プランへの切り替え手続きをしない限り、料金を請求することはございません。無料プランは電話番号もクレジットカードの登録も不要なのでご安心ください。
▼詳しくはこちらから