職場の人間関係で悩む方は多くいます。
厚生労働省が運営する雇用環境・均等室(総合労働相談窓口)にはハラスメントに関する相談が寄せられており、14年連続で100万件を超え、過去最多の相談件数を更新しました。
経営者や人事担当者は「ハラスメントに該当するのか?ハラスメントに該当しないのか?」と判断の難しさに悩む方が続出している状況です。
今回は職場で起こるハラスメントの定義と種類について詳しく解説します。
〈出典元〉厚生労働省 「令和3年度個別労働紛争解決制度の施行状況」を公表します
ハラスメントとは?
ハラスメントとは、ある行動(または言動)で相手に不快な思いをさせたり、傷つけたりすることをいいます。
いじめや嫌がらせと同じ意味だと捉えられていますが、本人に悪気がなくても受け取る側が不快だと感じればハラスメントに該当します。
例えば、上司の言動により部下が仕事に集中できなくなり、業務に支障が出ることもあるでしょう。このようなケースもハラスメントに該当します。
しかし、近頃は些細なことでもハラスメントと言われるようになり、企業の人事担当者65.5%が「ハラスメントの認定が難しい」と悩んでいます。そのため、ハラスメントの定義をよく確認しておきましょう。
〈出典元〉令和2年度 厚生労働省委託事業 職場のハラスメントに関する実態調査報告書(概要版)
ハラスメントの6つの定義と種類
ハラスメントのなかでも代表的なパワーハラスメントに関しては、はっきりとした定義があります。
「職場のパワーハラスメント防止対策に関する検討報告書」では、以下の3つの要素を満たすとパワーハラスメントに該当するとしています。
- 優越的な関係に基づいて行われること
- 業務の適正な範囲を超えて行われること
- 身体的もしくは精神的な苦痛を与えること、または就業環境を害すること
さらに、パワーハラスメントを以下の6類型に分類しています。
パワハラの6類型
身体的な攻撃 | 相手を殴る、蹴る |
精神的な攻撃 | 相手の人格を否定する |
人間関係からの切り離し | 職場で仲間外れにする |
過大な要求 | 過大な要求をする |
過少な要求 | 過少な要求しかしない |
個の侵害 | 思想・信条を理由にいじめる |
〈出典元〉パワーハラスメントの定義について(平成30年10月17日雇用環境・均等局)
職場で起こりやすいハラスメントの具体例
ハラスメントの定義だけでは理解が深まらないため、ハラスメント6類型の具体例を見ていきましょう。
身体的な攻撃
- 部下の教育に熱心になるあまりに、手を出してしまった
- 何度も同じミスをする部下に対して体罰を与えてしまった
- 宴会マナーが悪かった部下に腹が立ち蹴ってしまった
精神的な攻撃
- 何度も同じミスをする部下に「ふざけるな」と暴言を吐いた
- 他の人がいる中で、相手に暴言を吐いてしまった
- 指導しても覚えが悪かったため、人格を否定してしまった
人間関係からの切り離し
- 特定の従業員だけ会議に呼ばなかった
- 特定の従業員だけ社員旅行に連れていかなかった
- 特定の従業員をプロジェクトから離した
過大な要求
- 英語が苦手な従業員を海外事業部で配属させた
- 十分な指導をしないまま、経験ない業務をさせた
- 資料作成のために休日出勤を促した
過少な要求
- 成長できる場を与えていない
- 仕事量が少なくて悩んでいることを知っているのに、仕事を割り振らない
- 本人から「スキルアップしたい」と聞いたが配置転換しなかった
個の侵害
- 家族(パートナーや子供)について詮索する
- 何度もしつこく飲み会に誘う
- LGBTQであることを暴露してしまう
ハラスメントにならない事例
ハラスメントにならない事例も確認しておきましょう。
〈ハラスメントにならない事例〉 ・本人が意図せず、誤って物をぶつけて怪我をさせてしまった ・相手がルールを守らず、態度が改善しないため、きつく注意した ・重大な問題を起こした相手をきつく注意した ・新規採用した従業員を集中的に教育するため、個室で研修を実施した ・従業員の育成を目的に高いレベルの業務を任せた ・経営上の都合により、簡単な業務をやらせる ・労働者に配慮するために、家族の状況などを尋ねること |
職場におけるハラスメントの予防対策
ハラスメントの定義について解説しましたが、どうすれば予防・対策ができるのでしょうか?次に職場におけるハラスメントの予防対策をご紹介します。
〈ハラスメントの予防対策〉 ・事業主の方針を明確にして、従業員に対して方針を周知・啓発する ・ハラスメントの相談・苦情に対応できる体制を整備する ・ハラスメントの相談があったときは、事実確認をして再発防止に向けた措置をする ・ハラスメント相談者や行為者のプライバシーを保護する ・ハラスメント相談したことを理由に不利益な扱いをしないことを周知・啓発する ・妊娠や出産する従業員が出ても業務が回る体制を整備して、ハラスメントが起きないように措置をする |
「パワハラ(パワーハラスメント)」「セクハラ(セクシュアルハラスメント)」「マタハラ(マタニティハラスメント)」は、パワハラ防止法(労働施策総合推進法)や男女雇用機会均等法で業種や規模に関わらず、事業主に防止措置が義務付けられていることです。
そのため、体制の整備ができていない場合は、防止措置が必須になります。
〈出典元〉厚生労働省『職場におけるハラスメントの防止のために(セクシュアルハラスメント/妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント/パワーハラスメント)』
〈出典元〉厚生労働省『職場におけるセクシュアルハラスメント対策に取り組みましょう!!』
まとめ
パワハラ以外にも、職場環境を悪化させる様々なハラスメントが存在します。
セクシュアルハラスメント(セクハラ) | 性的な言動により、労働者の労働条件が悪化したり、就業環境が悪化すること。 |
マタニティハラスメント(マタハラ) | 妊娠・出産・育児休業等に関する嫌がらせにより、就業環境を悪化させる行為。 |
パタニティハラスメント(パタハラ) | 男性が育児休業や時短勤務などを希望したことや、育児休暇取得等を理由とした昇進差別、長時間労働の強要などの嫌がらせを受けること。 |
モラルハラスメント(モラハラ) | 言葉や態度などによって、相手の人格や尊厳を傷つけたり、精神的に追いつめる言動。 |
不機嫌ハラスメント(フキハラ) | 不機嫌な態度で周囲に気を遣わせたり、不快な思いをさせて精神的に苦痛を与えること。 |
ロジカルハラスメント(ロジハラ) | 理屈や論理を盾に、相手を精神的に追い詰め、不快感や苦痛を与える行為。 |
職場におけるハラスメント件数は増えてきていますが、「ハラスメントに該当するのか」「ハラスメントに該当しないのか」の判断が難しいと悩む方も珍しくありません。
そのため、ハラスメントの定義6類型と事例を見て理解を深めておきましょう。
また、この記事では職場におけるハラスメントの予防・対策方法をご紹介しました。この記事で紹介した対策方法は、パワハラ防止法(労働施策総合推進法)や男女雇用機会均等法で義務付けられている内容です。
まだ対策をしていない方は、これを機会に見直してみてください。
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