「会社が買収されると従業員はどうなるの?」「なぜ、企業を買収するの?」と気になっていませんか?
そこで、今回は会社の買収について詳しく解説します。この記事では、企業の買収の目的やメリット・デメリット、買収された会社の行方までご紹介しているため参考にしてみてください。
会社買収とは?
会社買収とは、他の会社の経営権または事業を買い取ることをいいます。
具体的には、他の会社の発行済株式を過半数買い取ることで子会社化できます。また、他の会社の発行済株式を3分の2以上買い取れば、その会社の重要な経営決定に対する影響力を大きく持つことができます。
会社買収は、既存事業を拡大できたり、新規市場へ容易に参入できたりすることがメリットとなります。一方で、会社買収するには高額な費用が必要だったり、統合が難しかったりすることがデメリットです。
会社買収とM&Aの違い
会社買収とM&Aの違いは範囲です。
M&AはMergers(合併)and Acquisitions(買収)を意味します。会社買収だけでなく合併や譲渡なども含まれます。
つまり、会社買収はM&Aの手法のひとつで、株式を取得して経営権を得る行為です。M&Aに会社買収が含まれていると考えると理解しやすくなります。
合併と譲渡、買収では必要な法的な手続きが異なるため、2つは違うことを覚えておきましょう。
増加する会社買収
出典元:経済産業省『事業承継・M&Aに関する現状分析と今後の取組の方向性について』
経済産業省がまとめた『事業承継・M&Aに関する現状分析と今後の取組の方向性について』では、国内の中小企業ではM&Aの実施件数が8年間で10倍以上増加していると述べられています。
会社買収の種類
会社買収には大きく分けて、「友好的買収」と「敵対的買収」の2種類があります。
友好的買収
友好的買収とは、買収する側と買収される側の双方の合意に基づいて行われる買収をいいます。国内における会社買収の大半が友好的買収です。
買収する側は事業拡大、買収される側は後継者問題の解決など両社の利害が一致することで成立します。
買収される側の意見を尊重して、持ち株を有償で引き受ける第三者割当増資のスキームで進めるのが一般的です。
第三者割当増資とは、企業が新しい株式を発行し、第三者(新しい投資家)に売ることで必要な資金を集める方法です。M&Aの際には、買収対象の企業の株主の意見を尊重するために使われます。 |
敵対的買収
敵対的買収とは、買収する企業の経営者の同意を得ずに、株式を買い集めて買収することをいいます。買収される側の意思は関係なく、株主に対して株式売却を呼びかけて買収が実行されます。
事業拡大や競合他社の排除などを目的に買収するケースが多いです。しかし、敵対的買収は ステークホルダー に悪い印象を与えることがあり、新たな経営体制や企業文化を浸透させるために多くの労力がかかります。
会社買収の目的
会社を買収する目的は5つあります。
1.既存事業を拡大するため
会社買収は既存事業を拡大するために行います。例えば、競合他社を買収すれば、市場シェアを一気に拡大できるでしょう。また、既存事業の規模が拡大することで、仕入れコストを大幅に下げられて企業競争力を高められるかもしれません。
既存事業を拡大しシェア占有率が高くなり過ぎると独占禁止法に抵触する恐れがあるため注意が必要ですが、会社買収すれば事業を拡大できます。
2.新規事業に参入するため
新しい分野で新しく事業を立ち上げる場合、「ノウハウ」「技術」「人材」「販路」などが無い状態でイチから取り組まなければなりません。膨大な労力がかかり失敗するケースも多いです。
しかし、参入したい分野で事業展開している企業を買収すれば、少ない負担で参入できます。
3.シナジー効果を得るため
複数の事業が統合することで、単独よりも大きな成果(シナジー効果)を生み出せます。
例えば、自動車メーカーがIT企業を買収して技術を融合すれば、自動運転の車を開発できるでしょう。これまでにない新商品を発売することで、売り上げ拡大が狙えます。
このように、会社買収すればシナジー効果を得ることが可能です。
4.リスクを分散するため
事業と全く関係ない新しい分野に参入し、多角化経営を行えばリスクを分散できます。多角化経営は経営戦略の一種です。社会情勢の変化により収益性が下がっても、他の事業で補うことができれば、企業全体の安定性を高められます。
ただし、事業範囲を広げすぎると失敗する恐れもあります。
5.税金対策のため
繰越欠損金を持つ企業を買収した場合は節税効果が見込めます。つまり、法人税の支払額を抑えられて、手元にキャッシュを残すことができます。
繰越欠損金を目的に会社買収する場合は、損金算入に制限が加えられるため注意しなければなりませんが、税金対策にも有効です。
会社を買収する方法
会社の買収にはざっくりと8つのステップがあります。
1. 会社を買収する目的を決める 2. M&A仲介会社に相談する(※) 3. ターゲット企業を特定する 4. ターゲット企業の財務状況(デューデリジェンス)を調査する 5. ターゲット企業の企業価値(バリュエーション)を調査する 6. ターゲット企業と面談・交渉を行う 7. 契約を締結する 8. 株式の譲渡手続き、登記を行う ※M&A仲介会社を通さないケースもあります。 |
買収された会社の行方
買収された会社は、基本的に買収した会社の考え方に従うのが一般的です。
しかし、労働基準法や労働契約法により、労働者の権利を守る必要があるため、従業員の待遇や労働条件は変更されないケースが多いです。
その一方で、企業文化や人事制度、福利厚生などは基本的には買収した会社の考え方によって大きく変更されることがあります。
まとめ
会社買収の目的は既存事業の拡大、新規市場への参入などです。国内における会社買収の大半が友好的買収です。
しかし、基本的に買収した会社の考え方に従うのが一般的です。企業文化や人事制度、福利厚生などは基本的には買収した会社の考え方によって大きく変更されることがあります。
会社が買収されるとどうなるのか、ビジネスの基礎知識として把握しておきましょう。
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