顧客と何度も接触したのに、肝心のクロージングに失敗して成約が取れない……と落ち込んでいませんか?
クロージングの成否は、営業担当者のスキルに左右されてしまいがちですが、逆にコツを押さえれば、誰でも一定の成果を出すことができるのです。
そこで、今回は営業のクロージング率を20%上げる方法をご紹介します。現在、営業活動が上手くいかないと悩んでいる方は、この記事を読んでみてください。
営業におけるクロージングとは
クロージング(Closing)とは「終わり」「締め括り」を意味します。
営業においては、商談を成約へ結びつける最終段階を指しており、商談相手の意思決定を促すことをいいます。
「私どものサービスに興味を持ってただけましたでしょうか?」 「現時点で、ご成約についてどのようにお考えでしょうか?」 |
上記のようにクロージングをしていきますが、適切なタイミング、適切な手法で行わなければ成約には至りません。
クロージングに失敗してしまうと、競合他社に流れてしまうなど商機を逃してしまうことになります。そのため、クロージング率を上げる方法を覚えておきましょう。
ちなみに、商談でのクロージングの成功率は平均20%前後、高くても50%ほどと言われています。商材にもよりますが、商談5回で1件か2件の成約が取れるくらいが平均値です。
クロージング率を上げる方法
営業のクロージング率はコツを押さえておけば上げることができます。ここでは、クロージング率を20%上げるための具体的な方法をご紹介します。
1.自社の商品・サービスのメリットを説明する
自社の商品・サービスを導入すると、どのようなメリットがあるか具体的に説明すれば、クロージング率が上げられます。当たり前のことではあるのですが、「具体的」に説明するのがポイントです。
例えば、「御社の競合他社はRPAを導入して事務作業を自動化しており、年間2,000時間が削減できています。」と説明すれば、快適な未来を具体的に想像してもらえて、購買意欲が高められます。
2.BANT情報を把握しておく
営業のクロージング率を上げるためには、顧客にヒアリングをしてBANT情報を把握しておくことが大切です。
なぜなら、BANT情報が食い違ってしまうと、成約率が落ちてしまうためです。そのため、クロージングする前にBANT情報を把握しておきましょう。
■BANT情報
Budget(予算) | 商品・サービスを利用するための予算はどれぐらいか? |
Authority(決裁権) | 商品・サービスの購入を承認する決裁者は誰か? |
Needs(需要) | 顧客が解決したい課題は何か? |
Time Frame(導入時期) | サービスの導入時期はいつか? |
3.競合を調べておく
競合他社を調査しておくと、顧客に自社の商品・サービスの魅力を伝えやすくなります。なぜなら、以下のようにより魅力的な提案ができるようになるためです。
【競合他社を調査するメリット】
- 競合他社と比較したときの自社の強みと弱み
- 自社にしかない魅力を理解できる
- 業界のトレンドを理解できる
- 価格の見直しなどができる
また、顧客に「競合商品についても知っている営業担当者で頼りになる」と信頼されるようになります。
近年では上記のBANTにC(Competitor/競合)を加えたBANTC(読み方:バントシー)も重視されています。営業ヒアリングのフレームワークとして覚えておきましょう。
4.顧客のニーズを深く理解する
クロージング率を上げるためには、顧客のニーズを深く理解することが大切です。なぜなら、顧客ニーズを理解することで「この営業担当者は親身に話を聞いてくれる」「自社に最適な提案をしてくれる」と信頼されやすくなるためです。
そのため「顧客はどのような課題を抱えているのか?」「価格がネックと言っているが、どの程度の金額であれば成約できそうか?」などニーズを把握していきましょう。
5.決断できない理由を排除する
クロージングが上手くいかない理由の1つとして、顧客側が成約を決断できないことが挙げられます。このような場合は、顧客が成約できない理由を排除していきましょう。
例えば「他の商品で安い商品はないだろうか?」「よりよい機能が付いている商品はないだろうか?」と不安に抱えていたら、他社商品と自社商品の比較資料を用意して説明することで不安を払拭できます。
成約を焦らず、決断できない理由をひとつひとつ排除していくことが大切です。
6.応酬話法を使う
クロージングの際に応酬話法を使うと、営業トークの質が上がります。
応酬話法とは、営業に否定や拒絶、抵抗を示す顧客に対して、適切なトークをして抵抗感を和らげるトークテクニックです。応酬話法には、以下のようなテクニックがあります。
肯定法 | お客様の言葉を受け止めて安心感を与える 例:「そうですよね。〇〇ですよね。」 |
Yes/But話法 | 相手の話を受け入れてから、異なる提案を受け入れてもらう 例:「そうですよね。でも~ならどうでしょう。」 |
ブーメラン話法 | マイナスをプラスに転換する 例:「だからこそ~なんです。」 |
質問話法 | YES・NOで答えられる質問をして合意を得ておく 例:「新サービスを紹介させていただいても宜しいでしょうか?」 |
例話法 | 例え話を盛り込んで、商品を導入した状況をイメージしてもらう 例:「同業界の他社様では、生産性が30%上がりました。」 |
聞き流し法 | お客様の否定的な言葉を受け止めずに聞き流す 例:「ところで…」 |
▼応酬話法の例文は以下の記事でもわかりやすく紹介しています
7.テストクロージングを行う
商談の途中でテストクロージングするのもひとつの方法です。テストクロージングは「テスクロ」とも呼ばれ、商談の要所で意思確認をすることをいいます。
例えば、商談で商品・サービスを説明する前に「これから商品の説明をさせてもらいますが、ご不明な点はありますか」と質問していきます。
また、商品の金額を提示する前でも「金額面など条件が揃えば、購入したいと思いますか?」とテストクロージングを行います。
8.クローズド・クエスチョンを使う
クロージング率を上げたい場合は、クローズド・クエスチョンを使いましょう。
クローズド・クエスチョンとは「条件が揃えば契約したいと思いますか?」のような質問をして、「はい」か「いいえ」で回答してもらうテクニックをいいます。
相手に合意を得ながら話を進めていけて、会話の主導権を握りやすくなり、その結果、成約に至りやすくなるのです。
▼クローズド・クエスチョンの実例は以下の記事で紹介しています
9.沈黙を恐れない
クロージング率を上げたい場合は、顧客が考え込み沈黙の時間が流れても慌てないようにしましょう。
相手は説明を受けた上で契約するべきかどうかをジックリと考えるため、遮らないようにすることが大切です。
相手が考えている最中に話し出してしまうと、商談が白紙になることもあります。そのため、商談で相手がジックリと考え込んで沈黙の時間が流れたら、様子を見ながら相手の反応を待つようにしましょう。
10.クロージングに自信を持つ
クロージングは自信を持って行うようにしましょう。なぜなら、顧客は信用できる人から商品を購入したいと思っているためです。自信は簡単に持てるものではありませんが、以下のような取り組みで少しずつ身に付けていくことができます。
【クロージングに自信を持つための取り組み】
- 自社商品・競合商品に関して知識を持つ
- 情熱を持って仕事に取り組むようにする
- 相手の悩みに共感して信頼を獲得する
- コミュニケーションスキルを高める
まとめ
クロージング とは?
クロージングとは、英語の「Close」が元になっており、営業活動の「締めくくり」「契約の成立」を意味しています。
クロージングまでにはいくつかのプロセスがあり、ヒアリングを重ねながら提案を行い、成約のための最終工程がクロージングになります。
営業プロセスをおおまかに分類すると、マーケティングによってリードを獲得し、インサイドセールスによって商談化、フィールドセールスによってクロージングするというプロセスがあります。
商材が高単価であればあるほどクロージングの難易度は高くなります。
ひとつのテクニックとして「テストクロージング(テスクロ)」という手法があります。
商談のなかで、購入意欲の度合いを確認することで、顧客が懸念していることが明らかになるため、解決できれば購買意欲が高まります。
クロージングのテクニックは多岐に渡るので、商材に応じて選択するようにしましょう。
◆関連用語
クロージングは商談を成約へ結びつける最終段階を指しており、商談相手の意思決定を促すことをいいます。クロージングが上手く行えれば、成約が取りやすくなります。
この記事では、どのような方法でクロージング率を上げていくかについてご紹介しました。営業成績が悪いと悩んでいる方は、この記事を参考にクロージング方法を磨いてみてください。
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