ビジネスの現場では、失注してしまう理由は様々です。
なかには、なぜ失注してしまったのか理由がわからず悩んでいる営業担当者もいるのではないでしょうか。
失注は悔しいですが、失注した理由を分析すれば、成約率を向上させて営業成果を高めることができます。この記事では、失注した理由の分析方法や成約率を上げるポイントを解説します。
失注の意味と定義とは?
失注(しっちゅう)とは、ビジネスの現場において提案した商品やサービスが購入されず受注に失敗することを意味します。
これまで時間をかけて提案した商品やサービスを失注してしまうことで、大きなモチベーションの低下につながることがあります。しかし、失注から得られるノウハウや今後の営業活動に活かせる情報がたくさん隠れています。
失注した場合は落ち込むだけでなく、しっかりと失注してしまった原因を追求し、次の営業活動の糧にしましょう。
よくある失注の理由と原因
失注してしまう理由として、主に以下の5つが挙げられます。
1.顧客の予算オーバー 2.社内決済で非承認 3.営業力の不足 4.自社商品・サービスの不備 5.ターゲット設定の誤り |
1、顧客の予算オーバー
営業が提案した商品・サービスの費用と顧客の予算の都合がつかないことが原因です。顧客の予算が100万円に対して、200万円の提案をしても受注に結びつくことはないでしょう。
解決する提案の方法としては、以下の2通りがあります。
- 顧客の予算を200万円に上げることは可能であるのかを交渉
- 100万円の予算内で最良の提案を行う
以上どちらかの選択になりますが、顧客の予算は限られていることが多いため、『100万円の予算内で最良の提案を行う』ことが現実的であると言えるでしょう。
ヒアリングの段階でBANT情報は必ず押さえておくようにしましょう。
2、社内決済で非承認
顧客担当者が、社内で承認を得られなかったケースです。最終決裁者が必要性を感じられなかったことが原因であると考えられます。
解決策としては、最終の提案前に顧客の社内決済のフローをヒアリングし、最終決裁を通せるようなサポートを行うことです。
または、最終決裁者へ直接プレゼンすることをお願いするなどの方法もあります。
3、営業力不足
こちらは言葉の通り、営業から顧客の担当者へ自社の商品やサービスのベネフィットを伝えられなかったことが原因です。
顧客のニーズに対するヒアリングが不足していなかったか、営業トークで相手に響く訴求ポイントを提示できていたかを確認しましょう。
また、説得力のある数字やデータを活用した資料を作成できたのかなども振り返り、同じ理由で失注をしないことを心がけることが大切です。
4、自社商品・サービスの不備
自社商品・サービスに魅力を感じてもらうことができなかった、もしくは、他社商品・サービスを選ばれてしまったことが考えられるケースです。
その場合でも、なぜ自社の商品・サービスを購入しなかったのか、詳細な理由をヒアリングするこは大切です。自社の商品・サービスの改善に活かせることがあれば、社内の商品開発担当と共有しましょう。
5、ターゲット設定の誤り
これは、そもそもアプローチしていた顧客を見誤っていたことが原因です。商品・サービスを購入することはないが、とりあえず話を聞いてみようと考えている情報収集中の見込み顧客も多く存在します。
これまでの自社商品・サービスを購入した顧客を分析して、どのような顧客に自社商品・サービスに興味を持ってもらえるのかなどを把握しておくことが重要です。
失注理由のヒアリング方法
失注した場合は、必ずその理由を確認するように習慣付けましょう。
なぜなら、失注した理由がわからないことで、同じ失注を繰り返してしまう原因になるからです。具体的に失注した場合の聞き方のポイントは「すぐに」「ストレートに」聞くことです。
すぐに聞く
まず、すぐに聞くことが重要です。
時間が立ってしまうと顧客の記憶からも薄れてしまい、本当の理由を聞かせてもらうことが難しくなります。そのため、失注したことが分かったタイミングですぐに失注理由を聞くことをおすすめします。
ストレートに聞く
可能であればメールではなく、電話や直接訪問して失注理由を聞いたほうが良いです。メールだと、本当の理由が語られない可能性があるからです。
聞き方ですが、例えば「弊社をお選びいただけなかったいちばんの理由をお聞かせいただけないでしょうか」「見送りになってしまった理由は〇〇でしょうか」など、とにかく理由を教えて欲しいことをアピールしてください。
失注した理由を言うことに抵抗がある方もいますが、このヒアリングが後から貴重な情報になります。
失注理由を推測しない
- 「今回の失注理由は、◯◯が原因だから聞かなくてもいい」
- 「タイミングが悪かっただけで次回は受注できる」
- 「担当者の判断が良くなかった」
など、自分の中で完結してしまうことが最も悪い例です。
自分が想像していた失注理由ではなく、本当の失注理由が別にあったということはよくあります。失注理由を聞かなくても分かるという場合は、相手のことが本当に分かっているはずなのでその場合は受注できていたでしょう。
今後のためにも、顧客に失注理由を確認するようにしましょう。
失注理由を分析する方法
失注理由を分析する際は、以下の4つの軸に分けて考えます。
1.企業(担当者) 2.プロセス 3.競合 4.営業パーソン |
1.企業(担当者)
顧客の業界が、自社の商品・サービスを提案することに適しているのかを分析する方法です。業界ごとに、受注や失注の割合に大きな差がある場合は、自社が得意な業界かどうかが明らかになります。
また、この分析には、業界の景気や法律改正などの外的要因も大きな影響を及ぼします。業界全体の景気が良くない場合は、その企業の売上が下がっている可能性が高く、大きな予算を確保できないという仮説を立てられるようになります。
この仮説を元に考えると、時期やタイミングによって失注の確率が大きいことを分析できます。予算が少ないのであれば、その予算に合わせた提案ができ、時期がよくないのであれば、タイミングを見計らってアプローチするなどの計画を立てられるようになります。
2.プロセス
一連の営業活動において、どのような流れでクロージングまで行ったのかを分析する方法です。営業プロセスは複数のフェーズに分けられており、アポイント獲得~面談~ヒアリング~提案~クロージングという流れになります。
失注している確率が高いフェーズがあれば、そのフェーズを改善することで失注の可能性を下げられます。
例えば、「提案」フェーズでの失注理由が多い場合は、提案内容や資料のクオリティを高める必要があります。
「ヒアリング」フェーズでの失注理由が多い場合は、ヒアリングシートを作成して、事前に必要な情報を聞ける仕組みを作る対策を立てられます。
3.競合
顧客が他社の商品・サービスを選んだ場合、どのような理由で競合を選んだのかを分析します。自社の商品・サービスが他社よりも劣っているポイントはどこなのか、しっかり理解することが重要です。
4.営業パーソン
失注理由を分析するにあたって、提案した営業パーソン一人ひとりの分析を行う必要があります。
得意な営業スタイルや取得したスキルが異なるため、それぞれに合った適切な指導を行うことや、社内での教育体制を整えることで営業力の底上げに繋がります。
失注を防ぐ方法
失注を防ぐには、以下のような方法があります。
- 日報を活用する
- 活動内容を振り返る
- チーム内で情報を共有する
日報を活用する
上司から常にフィードバックをもらうためには、日報をつけることが有効です。
日々、案件の進捗を日報で上司に報告することによってアドバイスがもらえ、失注のリスクを軽減できます。
活動内容を振り返る
過去の営業活動の内容の振り返りを行うことで、営業スキルや成約率を向上できます。
受注につながった案件と失注した案件、それぞれのアプローチ方法を比較することで、問題の行動を特定できます。
チーム内で情報を共有する
失注した理由や問題点については、営業チーム内で情報を共有することで新たな発見ができます。
営業パーソンはそれぞれ、独自のノウハウや感覚を持ち合わせているため、意見を出し合うことで新たな解決策やアイデアを発見できることもあります。SFAなどのツールも活用して、改善策を考えてみましょう。
失注案件は掘り起こしをする
失注案件はそのまま休眠させずに、タイミングをみて掘り起こしをしましょう。前回の失注理由を把握していれば、次回の提案で受注する可能性が高まります。
失注した後も、適切なリードナーチャリングを行うことで、再度、見込み顧客化することもあります。定期的に情報提供などのコミュニケーションをとり、適切なタイミングで提案できる準備をしておきましょう。
ぜひ以下の記事も参考にしてみてください。
まとめ
営業活動における、失注した際の理由を分析する方法を解説してきました。失注した理由をしっかり分析することで、次回からの成約率の向上や、営業担当者のスキルの向上につながります。
失注してしまったら、次々とすぐに新しい案件へと気を向かわせがちですが、まずは失注した理由をしっかり分析し、次の案件へ活かすクセをつけるようにしましょう。
失注 とは?
失注(しっちゅう)とは、商談を成約に繋げることができず、受注できなかったことをいいます。
提案した商品やサービスの購入が見送られた、または受注がキャンセルになった状況を指します。
よくある失注の原因としては「競合他社に決めた」「情報収集が目的で発注する気がない」「予算が合わなかった」「営業担当に信頼感を持ってもらえなかった」などがあげられます。
失注したときは、失注理由をヒアリングしておくと営業手法の改善に繋がります。
また、いちど失注したリード(見込み顧客)でも、リードナーチャリング(見込み顧客の育成)で最商談化することも可能です。
見込み顧客リストには限りがあるため、このようなリードリサイクルの考え方も非常に重要になります。
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