「カスタマージャーニー」は、BtoB企業向けのマーケティング施策を展開するうえでは欠かせないものともいえますが、その内容や必要性などについては、よくわからないという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、BtoB企業におけるカスタマージャーニーの重要性や、カスタマージャーニーマップの作り方とメリットについて詳しく解説します。
カスタマージャーニーとは
まずはカスタマージャーニーとは何かについて、意味を理解しておきましょう。
カスタマージャーニー とは?
カスタマージャーニーとは「顧客体験」という意味で、顧客の行動や思考、感情(ペルソナ)を分析し、購入や利用に至るまでの行動を時系列的に可視化したものです。
直訳すると「顧客の旅」であり、顧客が商品やサービスを、どのように知り、関心を持ち、購入に至るのかという道筋を「旅」に例えています。
マーケティング用語であり、現代の販売促進において重要な役割を担っているのです。
現在はネット社会であり、顧客やユーザーは瞬時に複数のチャンネルを横断することができるようになりました。
顧客の行動が複雑化することで、顧客との接点を把握することが難しくなったのです。
カスタマージャーニーマップを作成することによって、顧客を深く理解し、俯瞰してみることで課題に気づき、適切に解決することでブランド価値の向上に繋がります。
◆関連用語
BtoB企業にカスタマージャーニーマップが必要な理由
購買に至るプロセスを、時系列で可視化したものを「カスタマージャーニーマップ」と呼びます。
近年では、顧客が複数のチャネル(オフライン広告に限らない、WebサイトやSNSなど)を横断して情報の収集や購買行動をするのが一般的です。このような行動は即時的に行われるため、商品やサービス購入に至るまでのプロセスはとても複雑化しています。
顧客との接点が多様化しているなかで適切なマネジメントをしていくためには、カスタマージャーニーを可視化して最適なタッチポイントを見出さなくてはいけません。
なお、商品やサービスが同じでも、顧客の属性や環境によってカスタマージャーニーは異なります。そのため、属性や環境も含めて可視化したうえで、複数のカスタマージャーニーマップを管理していくことが重要です。
カスタマージャーニーマップを作成するメリット
ここからは、カスタマージャーニーマップを作るメリットを4つご紹介します。
- 顧客の心理を理解できる
- フェーズごとにアプローチできる
- チーム内で認識を共有できる
- 一貫性のあるサービスを提供できる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
顧客の心理を理解できる
Webサイトなどの行動ログやアンケートの調査では、顧客の行動を断片的にしか理解できません。しかし、カスタマージャーニーマップは ペルソナ の行動を時系列で可視化するため、顧客の行動をより深く理解できるようになります。
フェーズごとにアプローチできる
「フェーズ」というのは、顧客が商品を購入するにあたって「どの段階にいるか」という内容を表すものです。
顧客のフェーズを理解できていない場合は場当たり的なマーケティング施策を展開しがちですが、カスタマージャーニーマップを作ることで、検討フェーズや認知フェーズなど、各フェーズに適したアプローチができるようになります。
チーム内で認識を共有できる
カスタマージャーニーマップの作成プロセスをチーム内で共有することによって、顧客接点に対する認識を一致させることができます。部門を超えて認識を統一できれば、顧客のメリットを起点とした最適なアプローチが実現するため、 機会損失 も防げるでしょう。
カスタマージャーニーマップ内での顧客に対するイメージは明確な ペルソナ に基づいたものなので、組織としてマーケティング活動の方針を決定する際にも役立ちます。
一貫性のあるサービスを提供できる
カスタマージャーニーを意識することによってペルソナの心理状態をイメージできるようになれば、顧客のニーズに沿った一貫性のあるサービスを提供できるようになります。一貫性のあるサービスはブランド力を高め、リピーターを増やす効果が期待できるというメリットもあります。
カスタマージャーニーマップの作り方例
ここからは、カスタマージャーニーマップの作り方の例をご紹介していきます。
1. ペルソナ を設定する
まずは、自社の商品・サービスの顧客像をもとに ペルソナ を設定します。年齢や性別だけではなく、家族構成や趣味、役職なども含めて、可能な限り細かく設定しましょう。実際の顧客と異なったペルソナを設定してしまうと、マーケティング施策全体が的外れなものになるので注意が必要です。
2.顧客の行動を整理する
次に、設定したペルソナの行動を洗い出します。顧客が商品やサービスを知っているかどうかによっても異なってくるので、慎重に設定していきましょう。なお、ゴールを商品やサービスの購入にするか、購入後の課題解決にするのかに関しては、サービスの特性を考慮して設定します。
なお、定めた目標・ゴールまでに顧客が接点を持つコンタクトポイントを洗い出し、過ぎていく時間軸に合わせて整理するには、次の4段階に大別するとわかりやすくなります。
- 初期接点
- 情報収集から購入検討
- 購入・サービスの利用
- 購入・サービスの利用後
推測だけでは気付けない行動や接点があることも多いため、顧客を対象にした調査などを活用しながら実態に即した内容にしていきましょう。
3.顧客の意識や感情を整理する
顧客の意識や感情を推測して整理していきます。整理する際には、顧客を対象とした定性的(数値で表せないもの)なリサーチを実施するのが理想です。
情報収集後は、ユーザーが自らのニーズを意識するタイミングから購買に至るまでの行動プロセスを検討していきます。なお、行動や意識・感情を検討する際には、次のようなポイントに注目しながら詳細に考えることが大切です。
・行動
利用しているメディアや、接触しているコンテンツは何か
・意識と感情
どのような理由でメディアを利用したのか、また、接触したコンテンツに関してどのような感情を抱き、何を考えたのか
4.自社サービスと顧客の接点を作る
顧客の意識や感情を整理したら、顧客が必要としているものと、自社がアプローチすべき方法を検討していきます。特にBtoBの場合は顧客との接点が限られるため、自社からキーパーソンにアプローチする方法を考えた方がいいでしょう。
カスタマージャーニーマップのテンプレート
カスタマージャーニーマップは、エクセルやパワーポイントなどでも簡単に作ることができますが、ツールを使うとさらに便利です。
おすすめなのはオンラインホワイトボードツールの「Miro(ミロ)」です。
カスタマージャーニーマップテンプレートが用意されているので、各プロセスごとの施策を書き込んでいくだけでカスタマージャーニーマップが完成します。オンラインで共有しながら、複数人で同時に編集できるのも魅力です。
カスタマージャーニーマップ作成時の注意点
カスタマージャーニーマップを作る際には、顧客目線になって作成することを意識するようにしましょう。
作成後に実態と即していないと気付いた場合には、随時ブラッシュアップをしてペルソナターゲットにしている顧客像に合わせていくことが大切です。少しずつでもユーザーの行動や心理を的確にシミュレーションできる捉えられるようになれば、顧客満足度の向上と業績のアップにつながります。
特にBtoBビジネスでは、ひとくちに「顧客」といっても、担当者ひとりがターゲットになるわけではありません。担当者が窓口となって、複数の決裁者が存在することが予想されます。意思決定のルートが複雑なことを想定した上でカスタマージャーニーマップを設計しなければなりません。
まとめ
「カスタマージャーニー」は、顧客が商品を購入するまでに辿る過程・プロセスを表す用語です。その過程・プロセスを整理して可視化したものが「カスタマージャーニーマップ」となります。
カスタマージャーニーマップの作成は、多様化する顧客の購買行動を把握し、最適なタッチポイントを見極めるために欠かせなくなっています。また、ペルソナを作成し、時系列に沿って顧客の思考や感情を整理することは、質の高いマーケティング施策を立案するうえでも大変重要です。
BtoBビジネスにおいては、成約までのプロセスはとても複雑になります。担当者、決裁者が複数いることを想定し、成約までのプロセスを詳細に洗い出すことが大切になります。
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