アクティブリスニングとは、商談だけでなく、部下の育成にも効果を発揮するコミュニケーション技法です。
アクティブリスニングとは、どのように行うものなのでしょうか? この記事を読めば、アクティブリスニングのやり方やテクニック、導入方法まで分かるようになるため、ぜひ参考にしてみてください。
※この記事は2023年1月12日に公開したものを加筆修正しています
アクティブリスニングの意味
アクティブリスニング(Active Listening)とは「積極的な傾聴」という意味です。
1957年にアメリカの臨床心理学者カール・ロジャースが提唱したコミュニケーション技法で、相手の話を積極的に聞いて共感性を醸成していくというものです。
相手の話を聞くときに相槌を打ったり、感情を受け止めることで、話者の考え方を把握することができます。また、話者自身も自分が抱えている問題を認識し、どのように解決していけば良いかを考えられるようになります。
従来は心理カウンセリングの場で用いられていましたが、近年はビジネスの場でも応用されるようになりました。部下を管理するリーダー職や、商談を有利に進めたい営業担当者向けのアクティブリスニング研修も増えています。
ちなみに、ヒアリング(Hearing)と意味は似ていますが、ヒアリングは単に音や会話を聞くというニュアンスになります。リスニング(Listening)はより注意深く耳を傾け、相手の発言や意図を把握しようというニュアンスがあります。
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アクティブリスニングの効果
アクティブリスニングを行うことで、どのような効果が得られるのでしょうか?
良好な人間関係の構築
アクティブリスニングを行うことで、相手と良好な人間関係を構築できます。その理由は、相手の話を良く聞けば「この人は私の味方になってくれる人だ」と安心し、本音で話してくれるようになるためです。
本音で話し合えることで、一層深い信頼関係が得られることも多くあります。強い信頼関係が結べれば、相手の得意・不得意を理解した上で業務を進められるようになるため、生産性向上が見込めます。
社員の問題解決能力の向上
アクティブリスニングを実践すると、社員各自の問題解決能力を向上させられます。なぜなら、アクティブリスニングを用いることで、現在抱えている問題が整理できたり解決方法を自ら導き出せたりするようになるためです。
状況次第では、上司が問題の解決方法を提示した方が良い場合もあります。しかし、上司が解決方法を提示してしまうと、社員は問題解決能力を身に付けられません。
このような問題もアクティブリスニングを実践することで解決できます。
ハラスメント防止
アクティブリスニングは、パワハラやセクハラなどのハラスメント防止にも役立ちます。
その理由は、上司が部下の話に耳を傾けることで、信頼関係が築けるからです。
一般的に、ハラスメント事件は上司と部下の信頼関係が破綻していることが原因で起きます。アクティブリスニングを実践すれば、部下が委縮することなく話せる風通しの良い職場になり、パワハラやセクハラの問題が起きにくい環境作りができるでしょう。
アクティブリスニングの3つのやり方
相手と信頼関係を深めるのに役立つアクティブリスニングのやり方は以下の通りです。
- 聞く姿勢を整える
- バーバルコミュニケーションを実践する
- ノンバーバルコミュニケーションを実践する
ここでは、各方法について詳しく解説します。
聞く姿勢を整える
リラックスした状態で話せるように聞く姿勢を整えましょう。相手の話を聞くときの距離感は近過ぎず、遠過ぎずが大切です。
お互いのパーソナルスペースを守りながらリラックスした状態で話せるように、以下の内容を守りましょう。
目線 | 適度に目線を合わせる目線を合わせ過ぎると緊張感を与えてしまうため注意する |
表情 | 相手の表情に合わせて理解していることを示す |
声のトーン | 相手と同じ声のトーンや話すスピードを意識して話す |
バーバルコミュニケーションを実践する
相手が抱えている問題の原因を明らかにし、解決へ導くには言語的支援が欠かせません。そのため、バーバルコミュニケーション(言葉を使用したコミュニケーション)を実践しましょう。
■バーバルコミュニケーションのテクニック
パラフレーズ | 相手の話の内容をオウム返しする話者は「話を親身に聞いてくれている」と実感できる |
オープン・クエスチョン | 「はい」か「いいえ」で答えられる質問をする話者が伝えたい話の内容や意図を再認識させる |
ノンバーバルコミュニケーションを実践する
相手の気持ちを落ち着かせるためには、ノンバーバルコミュニケーションも欠かせません。そのため、ノンバーバルコミュニケーション(言語以外を使用したコミュニケーション)を実践しましょう。
■ノンバーバルコミュニケーションのテクニック
相槌(リアクション) | 相手の話を聞いている合図を送る |
手振り | 相手に伝わりやすいより身振り手振りを多くする |
アクティブリスニングを行う場合の注意点
アクティブリスニングの方法をご紹介しましたが、実践する場合は3つの点に注意してください。
聞き手が結論を出さない
アクティブリスニングでは、聞き手が結論を出してはいけません。その理由は、聞き手がアドバイスしてしまうと、話し手側の自己解決力を養えなくなるためです。
あくまでもアクティブリスニングの結論を出すのは話し手側です。聞き手側は、話し手側が結論付けられるようにサポートする必要があります。
傾聴スキルを身につけておく
アクティブリスニングを実践する場合、聞き手側に高い傾聴スキルが求められます。
話し手の話に対して適切なリアクションをとりながら、問題の原因や解決方法を導くために言語的支援で誘導していく必要があるためです。
アクティブリスニングは、相手の話を一生懸命聞けばできるものではありません。そのため、アクティブリスニングを取り入れたい場合は傾聴のためのトレーニングをするようにしましょう。
聞き手側はストレスが溜まる
アクティブリスニングは聞き手側にストレスが蓄積されます。
なぜなら、聞き手側は話の結論付けをしてはいけないためです。話し手側次第では、話がまとまらない恐れがあります。このような場合には、聞き手側はもどかしさを感じてしまうでしょう。
聞き手側がストレスを溜めないためにも、「話し手と良好な人間関係を築くためにアクティブリスニングは必要になる」と目的を伝えるように心がけてください。
アクティブリスニングのトレーニング方法
アクティブリスニングの方法を説明しましたが、傾聴スキルは以下のトレーニングで鍛えられます。
- ロールプレイング(ロープレ)を行う
- 書籍を読む
- 研修に参加する
ここでは、各トレーニング方法について詳しく解説します。
ロールプレイング(ロープレ)を行う
ロールプレイングは、傾聴スキルを向上させるために実施されることが多いです。商談など本番を想定してロールプレイングをするため、各自の傾聴スキルの課題の発見や能力の向上ができます。
ロールプレイングを繰り返し行えば、本番のときに理想的な応対ができるようになります。アクティブリスニングのロールプレイングは、以下の流れを意識して行いましょう。
【ロールプレイングの流れ】 1.信頼関係を構築する 2.相手に質問をする 3.問題の本質をつかむ 4.解決方法を導き出す |
書籍を読む
アクティブリスニング関連の書籍を読めば、相手の話を聞くときのコツや返事の仕方などが分かるようになります。さまざまな書籍を読めば読むほど、知識をアップデートしていけるため、ぜひたくさん読んでみましょう。
アクティブリスニング関連の書籍には、以下のようなものがあります。
【アクティブリスニング関連の書籍】
研修に参加する
アクティブリスニング研修に参加すれば、深い知識を持つ講師陣から知識や実践スキルを学べます。
研修費用が必要になりますが、分からないことがあった場合は、講師に聞くことができることがアクティブリスニング研修のメリットです。
アクティブリスニング研修の主なカリキュラム内容は以下の通りです。
【アクティブリスニング研修のカリキュラム内容】 1. アクティブリスニングとは 2. 相手から好かれる話の聴き方 3. 話を聞く技術 |
まとめ
アクティブリスニング とは?
アクティブリスニングとはもともとは臨床心理学用語で「積極的傾聴」という意味です。
ビジネスシーン、おもにコールセンターにおいては効果的なコミュニケーション方法として、顧客との関係構築に欠かせないスキルだと考えらえています。
アクティブリスニングの本質は、ただ話を聞いて相槌を打つのではなく、オペレーターが顧客との会話から問題点や要望を引き出し、自己解決へ導くことにあります。
顧客の課題に共感することで、理解してもらえた、話を聞いてもらえたという感情とともに、商品やサービスについても好意的に捉えてくれるでしょう。
テレマーケティングではお互いの顔が見えないため、アクティブリスニングの姿勢は基本ながらも非常に重要になります。
◆関連用語
相手を尊重しながら積極的に話を聞くことで、強い信頼関係が結べるでしょう。
顧客との商談だけでなく、上司と部下の間でもアクティブリスニングは効果的です。アクティブリスニングによって心理的安全性が高まることで、仕事に対するモチベーションが上がったり、報告・連絡・相談が増えて生産性が上がるなどの効果が期待できます。
ぜひ実践してみましょう!
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