インサイダー取引は、金融市場の公正さを損ねてしまう不正行為です。
しかし、インサイダー取引が悪いことだと理解していながらも、うっかり情報漏洩してしまうケースが見受けられます。日常の何気ない会話、SNS投稿もインサイダー取引となり懲戒処分など罰を受ける恐れがあるため注意してください。
今回は、インサイダー取引についてわかりやすく解説します。「うっかりインサイダー」のケーススタディも紹介してわかりやすく解説しているため、皆さまのお役に立てれば幸いです。
インサイダー取引とは?
インサイダー取引とは、会社情報に接する立場の人が、重要事実の公表前に会社の特定有価証券の売買取引をすることをいいます。
重要事実の公表前に投資判断に著しい影響を及ぼす会社情報を取得できてしまうと、投資家間で不公平が生じて、金融市場の公平性・健全性が損なわれてしまいかねません。そのため、金融商品取引法にてインサイダー取引が禁止されています。
インサイダー取引に違反すると、取引で得た金銭が没収されるだけでなく、5年以下の懲役または5億円以下(※個人の場合は500万円)の罰金の刑罰が科せられます。また、情報を漏らした側も罪に問われるため注意してください。
うっかりインサイダー取引で逮捕されるケースは多いため、実例と防止策をチェックしておきましょう。
有名なインサイダー取引の実例
国内で起きたインサイダー取引の実例の中でも有名なのが「村上ファンド事件」です。
村上ファンドの村上世彰元代表は、株式会社ライブドアがニッポン放送株を大量に取得しようと動いているインサイダー情報を入手して、ニッポン放送株の売買で多額の利益を得ていた。
村上世彰元代表はライブドアを指南しており、その際に入手したインサイダー情報で株の売買をしていたとして、逮捕・立件されて有罪と認定されました。
この事件の判決は、懲役2年、執行猶予3年、罰金300万円、11億5000万円の追徴金の支払いが確定して大きな話題を集めました。
参考:裁判所判例「 証券取引法違反被告事件」
身近な「うっかりインサイダー」のケーススタディ
インサイダー取引は意図的に行われるものばかりではなく、うっかりインサイダー情報を漏らしてしまい刑罰に問われることもあります。
このような「うっかりインサイダー」のケーススタディには、次のようなものがあります。情報を漏らした側も懲戒処分など重い罰を受けるため注意してください。
友人との飲み会でうっかり
友人との飲み会では、お互いの近況報告をすることがあります。仕事の話では、新製品に関する情報や業務提携に関する情報をうっかり漏らしてしまいがちです。それらの情報を入手した友人が株式取引をした場合、情報漏洩した側も責任が問われます。
友人との飲み会 A:『今の会社に転職してから仕事にやりがいを感じているんだ』 B:『それはよかったね!どんなことをやっているの?』 A:『今度、大企業A社と大きなプロジェクトで業務提携することになったんだ』 B:『それはすごいね!(大企業A社の株を購入しておこう)』 |
勤務先で撮った写真をSNSにアップしたら…
近頃、X(旧:Twitter)やInstagram、FacebokなどSNSを楽しむ人が増えましたが、会社の株価を揺るがすような出来事を情報公開前に匂わせて、うっかりインサイダーになることも増えました。そのため、会社に関する情報は慎重に配信するようにしましょう。
SNSにアップ 『大規模なリストラで大人気のプログラムが廃止することになった』と投稿 『残業中(´;ω;`)』と開発中の新製品やサービスが写り込んだ写真をアップ 『お疲れ様です!』と何気なく写真を投稿したら極秘会議のホワイトボードが窓に反射して写っていた |
同僚との情報交換で…
同僚と何気ない話をの情報交換をする上で、情報漏洩してしまうこともあります。とくに持株会で株式を保有している従業員がうっかりインサイダーをしてしまう恐れがあるため注意してください。
持株会での情報交換 A:『入社30年目、持株会で自社株を購入していて時価総額1,000万円の試算になったよ!』 B:『ここだけの話だけど、得意先の大手A社が大赤字で取引終了になったことを明日報告するよ』 A:『え!自社株の株価が下がる前に売らないと!』 |
うっかりインサイダー取引の対策方法
インサイダー取引を防ぐためには、以下のポイントを意識することが重要です。
社内情報の取り扱いに注意する
社内情報は厳重に管理して必要以上に外部へ漏れないようにしましょう。重要事実は役職者のみ閲覧できるように権限付与するなど工夫します。
また、重要事実を共有する場合、メールの場合は暗号化を施す、会議の場合は資料を回収して処分しましょう。また、情報の持ち出しなどが発生した際に、誰が事件を起こしたか特定できるように、ログを監視しておくと安心です。
外部パートナー企業と情報共有する場合は、秘密保持契約(NDA)を締結するなど、社内情報の取り扱いに注意しましょう。
SNSの投稿を見直す
SNSで情報漏洩することもあるため、投稿方法を見直しましょう。例えば、SNS投稿前に「会社の未公開情報が含まれていないか?」「機密情報が推測される内容がないか?」を確認するだけでも、情報漏洩を防げます。
また、SNS投稿者とは別の人が投稿内容に問題がないかチェックする体制やガイドラインを整えることで、うっかりインサイダーを防げます。
研修を実施する
インサイダー取引規制研修を実施して、インサイダー取引への理解と違反を起こさない意識付けを行うことも大切です。
インサイダー取引とは何かについて正しく理解することができなければ、どのような情報の取り扱いに注意しなければいけないのかわからず、違反してしまいます。そのため、インサイダー取引について正しく理解するための研修を実施しましょう。
社内研修が難しい場合は、研修サービスを利用することをおすすめします。インターネット上でインサイダー取引規制研修と検索すれば、さまざまな研修が見つかります。
まとめ
インサイダー取引は、意識が低いと誰もが関与してしまう可能性があります。
うっかりインサイダーを防ぐためには、日常的に社内情報の取り扱いに気を配ったり、SNS投稿の内容を確認したりすることが大切です。
また、インサイダー取引規制研修を実施してリスクへの意識を高めることも大切です。日頃から適切な行動を心掛け、うっかりインサイダーにならないよう気をつけましょう。
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