営業戦略・営業ノウハウ

1分でわかる!「売上高」と「年商」の違い、計算方法をスッキリ解説

営業にとって、企業分析は商談を成功に導くカギです。取引先の課題やニーズを正確に把握することで、的確な提案ができるためです。

しかし、企業分析では会計用語がよく出てくるため、苦手意識を持つ営業担当者もいるでしょう。例えば、売上高と年商の違いがわからず、「どのように使い分ければ良いのか」と感じていませんか? 

本記事では今さら聞けないという方に向けて、売上高と年商の違いや計算式、営業先の情報を調べる方法をわかりやすく解説します。

売上高とは

売上高とは、企業がある期間内で商品やサービスを販売した売上金額の総額のことです。

企業が新商品を開発・販売したり、宣伝により自社商品やサービスの認知度を高めたりしているのは、売上高を伸ばすためといっても過言ではありません。

そのため、企業分析においても売上高は重要な指標です。

売上高の計算方法

1つの商品やサービスの売上高は、以下の計算方法で求めることができます。

例えば、販売単価1万円の商品が100個売れたとすると、売上高は1万円×100個で100万円です。

企業の場合は、複数の商品やサービスを販売していることがほとんどなので、それらの売上高を合計すると全体の売上高を算出できます。

売上と売上高の違い

売上高と売上は混同しやすい言葉ですが、正確には違いがあります。

売上高はある期間内の売上金額の総額で、売上は個別の売上金額を指します。このように売上高と売上は似ていますが、使い分けが必要です。

年商とは

年商とは、企業が1年間で得た売上金額の総額のことです。年商は企業の規模を示す指標としてよく利用されます。

例えば、年間の売上金額の総額が1億円の場合は「年商1億円の企業」で、10億円であれば「年商10億円の企業」と呼ばれます。 

ここで注意が必要なのは、年商が多いほど儲かっている企業とはいえないことです。年商10億円の企業であっても、11億円の経費がかかっていれば1億円の赤字になるためです。

ただし、一般的に年商が大きいほど、社会的な信用が高まる傾向にあるのは確かです。

年商の計算方法

年商は、以下の計算方法で求められます。

ここで、売上高と年商は同じ意味と勘違いするかもしれませんが、正確には異なります。次の章では、売上高と年商の違いについて解説します。

売上高と年商の違い

売上高と年商の違いは、期間の概念を含んでいるかどうかです。

売上高はある期間における売上金額の総額なので、期間を自由に設定できます。一方、年商は1年間の売上高の総額で、期間が決まっています。企業の場合、年商は一般的に1事業年度(決算月の翌月から1年間)の売上高です。

他にも期間の概念を含んだ言葉に、月商日商があります。これらの違いをまとめると以下の図の通りです。

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売上高と年商はどんなときに使う?

売上高は、企業の業績を示す際によく使われます。なぜなら、企業の業績を把握するには、月間・四半期・年間など、さまざまな期間の売上高を比較する必要があるためです。

また、売上高は目標の設定にもよく利用されます。例えば、「来月の目標売上高」や「来期の目標売上高」といった具合です。 

一方、年商は企業の規模を示すのによく使われます。実際に、ニュースやテレビ番組などで、「年商〇億円の企業」と紹介するのを聞いた経験がある方も多いでしょう。年商が大きいほど、社会的な信用が高いと考えられるため、広告の宣伝文にも活用されることがあります。 

このような使い方の違いから、営業担当者にとって企業分析で重要な指標は売上高です。

企業分析に必要な財務知識

企業分析を効果的に行うには、基本的な財務知識を押さえておく必要があります。

そこでこの章では、企業の売上高を調べる具体的な方法、売上高と利益の違い、さらに資本金の意味まで、営業活動に役立つ財務知識をわかりやすく解説します。 

企業の売上高を調べる方法

企業の売上高は、有価証券報告書決算短信の損益計算書に記載されています。これらの資料は上場企業であれば、企業のホームページ(IRぺージ)から確認できます。 

また、一部の非上場企業にも有価証券報告書の提出義務があるため、金融庁のEDINETから確認することも可能です。 

上記の2つの方法で有価証券報告書や決算短信を確認できない場合は、以下のような民間サービスを利用して売上高を調査する方法もあります。

ただし、これらの民間サービスは基本的に有料です。

※有価証券報告書とは、企業の経営状況をまとめた資料のこと。
※決算短信とは、決算発表の内容をまとめた資料のこと。
※損益計算書とは、企業の一定期間の売上高・利益・費用をまとめた資料です。

売上高と利益の違い

損益計算書を読み解くために、ここでは売上高利益の違いを確認します。 

売上高とは、商品やサービスを販売して得られる収益の総額です。一方、利益は売上高から経費や仕入れ費用などを差し引いた金額です。また、利益には差し引く費用によって複数の種類があります。 

具体的に損益計算書には、一定期間の売上高に加えて、売上総利益、営業利益、経常利益、税引前当期純利益、当期純利益の5種類の利益が記載されています。 

これらの関係性をまとめたのが以下の図です。

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資本金とは

多くの企業では、ホームページの会社概要に資本金の項目を記載しています。この資本金は企業分析の基本的な財務情報なので、意味や資本金の金額からわかることを整理します。

資本金とは、事業を運営するための元手となる資金です。具体的には、経営者の手元資金や投資家が出資した資金の総額を指します。

資本金の金額からわかることは、企業の規模や信頼性です。多いほど金融機関から融資を受けやすくなるため、信頼性の高い企業と判断できるためです。

財務情報を営業に役立てよう

売上高や年商、各種利益、資本金といった財務情報は、企業分析において欠かせない情報です。これらの意味や違いを理解することで、正確に営業先の現状を読み取れるようになります。そのうえで、営業先の課題やニーズを見極め、的確な提案により成約率を高めていきましょう。

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Akala Note編集部


右も左もわからないままIT企業に入社。研修でテレアポ、テレマーケティングのおもしろさにはまり、インサイドセールス部門に配属を希望。法人営業、マーケティング部門も経験し、いまでは新人研修も担当する。BtoB営業・マーケティングのオールラウンダーをめざして奮闘中!

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