マーケティングの法則は、確度の高い戦略を立案するのに役立ちます。
しかし、ビジネスに使えるマーケティングの法則は複数あるため、「どのような種類があるのか」や「どのような場面で使えば良いのか」と悩んでしまう方もいるでしょう。
そこで本記事では、ビジネスに使える7つのマーケティングの法則についてわかりやすく解説します。知ることでより使いやすくなりますので、ぜひご覧ください。
マーケティングの法則とは
人間の心理や行動を分析し、予測することで効果的なマーケティング施策を立案できます。
しかし、人間の行動はすべて合理的とはいえず、数値で表せない心理や感情なども複雑に絡んで影響を与えます。
そのため、人間の行動を予測・推察するのに利用されているのがマーケティングの法則です。フレームワークとしてマーケティングの法則を用いることで、より確度の高い戦略の立案につながります。
マーケティングの法則一覧
マーケティング戦略は何も参考にせずに立案すると、客観的な視点が抜けたり、十分な検証が不足したりするリスクがあります。
そこでおすすめなのは、以下のマーケティングの法則に沿った検討を行うことです。 この章では、ビジネスに使えるマーケティングの法則をわかりやすく解説します。
マズローの法則(欲求5段階説)
マズローの法則は、アメリカの心理学者アブラハム・ハロルド・マズロー氏が提唱した理論です。
人間の欲求は5段階のピラミッド構造で、今の欲求が満たされると上の階層の欲求を満たそうとする人間の心理を説いています。
マーケティングとも相性が良く、ターゲット層がどの段階の欲求なのか、自社の事業・商品がどの欲求にアプローチできるかなどを分析する際に役立ちます。
5段階の欲求を最下層から並べると以下のとおりです。
・生理的欲求
最下層の欲求で空気・水・食事・睡眠・衣服といった、人間が生存するために最低限必要なものに対する欲求です。
・安全欲求
生理的欲求が満たされると、次は「仕事を続けられる」「適正な賃金を得られる」「暴力を受けない」「健康状態を維持できる」など、安全な暮らしや経済的な安定を求める安全欲求を満たそうとします。
・社会的欲求
社会的欲求は「愛の欲求」とも呼ばれ、家族や会社・クラブなど何らかの集団に所属し、精神的に満たされたいという欲求です。例えば、「寂しいから友人や恋人と一緒にいたい」は、社会的欲求といえます。
・承認欲求
所属している社会的集団において、「自分の存在を認められたい」「褒められたい」「評価されたい」と思う外的な欲求です。
・自己実現欲求
これまでの4段階の欲求が満たされると、「もっと成長したい」や「もっと自分らしく生きたい」など、さらなる欲求として自己実現の欲求が生まれます。
またマズローは晩年に「自己超越欲求」が最高位の欲求と述べているため、マズローの法則は6段階欲求説として紹介・使用されることもあります。
ランチェスターの法則
ランチェスターの法則は、イギリスのランチェスター氏が第1次世界大戦において、飛行機の損害状況を調べて得られた軍事的法則のことです。簡単にいえば、2つの法則から弱者と強者がそれぞれ勝つための戦略をまとめた理論になります。
【第1法則(一騎打ちの法則)】 別名「弱者の戦略」 剣などの近接戦闘の場合、使用する武器の効率が同じだと兵力数が多いほうが勝つこと 戦闘力=武器効率(質)× 兵力数(量) |
【第2法則(集中効果の法則)】 別名「強者の戦略」 銃や飛行機などの武器によって1人で複数の相手に対して攻撃できる場合、武器効率に加えて、兵力の数が多いほど圧倒的に有利になること 戦闘力=武器効率(質)× 兵力数の2乗(量) |
この2つの法則から弱者・強者がとるべき戦略は以下のとおりです。
これらの戦略は、ビジネスのマーケティング戦略においても有効で、多くの企業が取り入れています。ちなみにビジネスにおける強者はシェア1位の企業で、それ以外は弱者になります。
弱者の5大戦略 | ①局地戦 ②一騎打ち ③接近戦 ④一点集中 ⑤陽動作戦 | ①ニッチな市場で勝負する ②1社のみと競合する ③顧客に接近する ④リソースを一点に集中する ⑤競合相手の裏をかく |
強者の5大戦略 | ①広域戦 ②確率戦 ③遠隔戦 ④総合戦 ⑤誘導作戦 | ①大きな市場で勝負する ②アイテム数の増加、新製品を積極的に投入する ③大々的な広告を実施する ④商品・サービス・資本を総動員して勝負する ⑤戦いやすい場所に誘導する |
ランチェスターの法則は軍事的法則であるものの、ビジネスとの共通項が多く、マーケティング戦略を練るうえで役立つ法則の1つです。
ジラードの法則
ジラードの法則とは、「12年連続世界ナンバーワンのセールスマン」としてギネスに認定されているジョー・ジラード氏が提唱した法則です。法則の内容は、「1人の人は、平均250人の人とつながっている」というものです。
つまり1人の顧客を満足させると250人に波及する可能性があり、反対に1人の顧客から不満を買うと、250人に悪評が伝わってしまうことを意味しています。
具体的にジラード氏は1人の顧客を満足させるために、13のルールを実践していました。そのなかの「絶対禁止リスト」では、顧客を不快にさせないように「タバコ・ガム・香水・汚い言葉・下ネタ・携帯・遅刻」を禁止しています。
ジラード氏は15年間で1万3,000台以上の車を販売した実績があるので、営業職にとって参考にすべき法則といえるでしょう。
ハインリッヒの法則(1:29:300の法則)
ハインリッヒの法則とは、アメリカのハインリッヒ氏が労働災害のケガの程度を分類・分析し、「1件の重大事故には29件の軽微な事故、300件のケガに至らない事故(ヒヤリ・ハット)がある」と提唱した法則です。
つまり1件の重大事故を防ぐために、ヒヤリ・ハットの情報を共有し、対策を講じる重要性を訴えています。現在では労働災害を予防するために、製造業・建築現場・医療・介護などの様々な労働現場でハインリッヒの法則が活用されています。
マーケティングに当てはめてみると、「重大なコンプライアンス違反を予防するために軽微な違反を見逃さない」や「1件のクレームの裏には多数の顧客が同様の不満を持っている」といった考え方ができるでしょう。
1:5の法則
1:5の法則とは、新規顧客を獲得するには既存顧客に販売するコストの5倍かかるという法則です。既存顧客は一度購入しているため、より少ないコストで購入する可能性を高められるためです。
そのため新規顧客の獲得にコストを集中させてしまうと、コストばかりかかってしまい成果につながらない可能性があります。マーケティング戦略では、新規顧客・既存顧客の双方に対して、バランス良くコストをかけることが大切になります。
5:25の法則
5:25の法則は、顧客離れを5%改善すると、利益率が25%改善されるという法則です。1:5の法則とともに、既存顧客の重要性を示す法則として有名です。
これらの法則から利益向上のためには、顧客の離反率を下げることや既存顧客の売上増加を目指すほうが重要といえます。マーケティング戦略を考える際は、新規顧客の獲得方法が論点になりがちですが、既存顧客をリピーターやファンに育成することが長期的な売上向上のために重要なのです。
1:5の法則、5:25の法則ともに、アメリカのコンサルティング会社Bain & Company社のフレデリック・F・ライクヘルド氏が提唱したとされています。
パレートの法則(2:8の法則)
パレートの法則とは、イタリアの経済学者ビルフレッド・パレート氏が提唱した法則です。内容は、「結果の80%は、全体の20%の要素から生み出される」になります。
例えば「ECサイトの売上の80%は、売上上位20%の商品で達成している」や、営業であれば「全体の売上の80%を20%の営業職がもたらしている」などです。
マーケティング戦略の立案では、上位20%のユーザーに注目することで本当に必要な機能やニーズを分析・検討できるでしょう。
法則を活用してマーケティングの成功率を高めよう
今回紹介した7つのマーケティングの法則は、どれも有名なものばかりです。
そのため、マーケティング戦略を練るうえで、多くの企業や担当者が使っている法則ともいえます。ただし本質を理解せず、使い方を間違えると成果につながらないこともあるので、マーケティングの法則をしっかりと把握したうえで活用しましょう。
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