PDCAはビジネスパーソンであれば一度は聞いたことがある言葉ではないでしょうか。日本では第二次世界大戦後に品質管理の手法として導入されました。今日では品質管理だけではなく、業務プロセス管理にも使われています。
この記事ではPDCAサイクルの意味について詳しく紹介します。また、PDCAサイクルの事例から、よくある失敗の原因も紹介。それらを踏まえてPDCAサイクルを効果的に回すポイントを解説します。ぜひ、最後までご覧ください。
PDCAとは
PDCA とは?
PDCAとは、Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)の頭文字を取ったもので、これらのプロセスを順番通りに繰り返し行うことで、継続的に改善を行うためのフレームワークです。
アメリカの統計学者W.エドワーズ・デミング博士とウォルター・シューハート博士が提唱したとされ、サイクル的に繰り返すことから「PDCAサイクル」とも呼ばれます。
日本では、企業などの品質管理に広く取り入れられています。
近年では、一部問題点や欠点が指摘され始め、提唱者のデミング博士自身も思考が停止しがちなCheck(評価)の代わりにStudy(研究)を入れたPDSAサイクルとすべき、と主張するなど、時代や企業文化にあわせて変容しています。
◆関連用語
PDCAの意味
ここではP・D・C・AのステップごとにPDCAサイクルの回し方の要点を紹介します。
Plan(計画)
計画を立てる時に重要なことは目標設定です。目標があいまいだと、それに続くPDCAサイクルを効率的に回すことができません。
計画は、目標が達成できたかどうか検証できるように「数値化」することが有効です。また、「期限」も設定しましょう。
Do(実行)
計画の実行段階が「Do」です。この段階での要点は、Planで設定した計画通りのことを実行することです。計画通りに実行されていなければ、Planを評価できなくなります。
それから、もう1点重要なことは実行した行動の記録を残すことです。
Check(評価)
Checkは「評価」の段階です。Planで計画し、Doで実行する。これが計画通りに実行できたか評価します。この際に、PlanやDoの段階で目標を数値化していたのであれば、目標の評価が容易になります。
目標が達成されていたのであれば、Planで立てた計画が正しかったことを意味します。しかし、この場合、Planで立てた目標が低かった可能性も否定できません。この後のActionのステップを通じて、計画を見直すとよいでしょう。
また、目標が達成されなかった場合は入念に工程を見直す必要があるでしょう。たとえば、Planで立てた計画が実現可能なものであったか、Doの時に何が原因で達成できなかったかなどです。
PDCAサイクルを回していく上で、Checkのステップはとても重要です。よい点も悪い点もこのステップで要因を洗い出すことが大切です。
Action(改善)
Checkのステップで洗い出した要点を改善するのが「Action」です。
Checkの段階で計画通りに実行できていた場合は、計画を上方修正するとよいでしょう。逆に計画通りにいかなかった場合は、どこに無理があったか徹底的に追究する必要があります。そして、どこをどのように改善すればよいか検討します。
Actionのステップが終われば、その改善策を生かした新しいPDCAのPlanに反映させます。
「PDCAサイクルを回す」とは
このようにPlan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)を1サイクルとして繰り返していき、業務品質などの改善を図ります。このことを「PDCAを回す」といいます。改善をしたら次の計画に反映させます。このサイクルを何度も繰り返すことで、業務効率などを継続的に改善させます。
PDCAのメリット・デメリット
PDCAサイクルは、業務フローに沿って継続的に業務改善するものです。しかし、PDCAサイクルによる仕事の進め方にも、メリット・デメリットがあります。ここではそれらをいくつか紹介します。
メリット
PDCAは目標から計画を立てて、問題を解決することが構造化されているので、以下のようなメリットがあります。
1.行動すべきことが明確になる
PDCAサイクルを回すことで、自然に目標を意識するようになります。また、目標を実行可能な計画・行動に落とし込めます。その結果、「自分が今、何をすべきか」という行動が明確になります。
2.業務目標を達成できる
PDCAサイクルは改善したら終わりというものではありません。計画し、実行したことを評価。その評価により改善された新しいPDCAサイクルを回します。うまく進んでいない計画も評価・行動することにより改善されていきます。
その改善された計画で、新たな行動が計画されるため。業務目標の達成に近づきやすいといえるでしょう。
3.課題解決ができる
PDCAは今の業務プロセスを改善し、新しい業務プロセスの計画を立案することからはじまります。そして、実際に新しい業務プロセスをやってみて、Checkでその問題点や改善点を評価します。Actionでは、Checkの評価を元に業務プロセスを改善します。
このように小さく、早くPDCAサイクルを回すことで、業務の課題解決が可能です。
また、業務がひとつのフローで成り立っていることはほとんどありません。多くの業務フローが複雑に絡み合っています。PDCAサイクルでひとつの業務フローを改善することで、その他の多くの業務フローもよい影響を受けるでしょう。
デメリット
メリットの多いPDCAですが、いくつかのデメリットもあります。
1.既存の業務を一度に大きく変革することには向かない
PDCAは既存の業務や過去の業務を改善しようとするケースがほとんどです。また、PDCAで新しい仕事の手法を考えたとしても、それは過去の仕事のバージョンアップです。PDCAのサイクルを回すことにより、少しずつ業務は確実に改善されます。
しかし、大幅な業務改善には、PDCAのサイクルを相当数繰り返す必要があります。そのため、いちどに業務プロセスを大幅に見直すことには向きません。
2.イノベーションが生まれにくい
PDCAはサイクルを繰り返すことで、小さな改善を積み重ねます。これにより品質向上が期待できます。
一方、新商品や新業界への参入、あるいは変化の早い分野では、過去のパターンを生かせません。このようなイノベーションを必要とする分野では、別のツールを使う方がよいでしょう。
3.PDCAのサイクルを回すことが自己目的化する恐れ
業務目標を達成するのがPDCAサイクルです。しかし、PDCAサイクルを導入することで、今までになかった業務が増えることになります。また、PDCAサイクルを回すことに注力しすぎてしまい、PDCAを回すことが自己目的化することもあります。
よくあるPDCAの失敗原因
PDCAサイクルを回す上で、よくある失敗原因を紹介します
Plan
PDCAのPlanはとても大切です。目標を正しく設定して計画しないと、Planに続く、Do・Check・Actionのすべてに影響を及ぼします。Planでありがちなのは、高すぎる目標設定です。実行の難しい計画は、Doのステップでつまずきます。
また、あいまいな目標設定もよくありません。「誰が」「いつまでに」「何を」をはっきり決めないと失敗の原因になります。また、DoやCheckの時に検証できるような数値目標の計画が望ましいでしょう。
Do
Doで失敗しやすいのが計測不足です。Planで決めた方法により作業して、どのような効果があったのか計測しないと、次のCheckで正しい評価ができません。計測をする意味を伝えることが重要です。
Check
判断指標に数値を取り入れていれば客観的な評価が可能です。定性的な評価や個人の主観による評価では、判断基準があいまいになります。あいまいな評価で次のActionに進むと、大きく進路を間違えることになってしまいます。
Action
PDCAのActionは「改善」です。PDCAのサイクルを1回で終わらせることはまれで、何回も繰り返して大きな成果を生み出します。しかし、失敗事例の中にはPDCAサイクルを十分に回しておらず、成果をあげていない場合も多いようです。
PDCAを効果的に回すポイント
PDCAを効果的に回すには、いくつかのポイントがあります。
とくに重要なことはPlan(計画)です。目標から計画に落とし込む時、あいまいな計画であるとPDCAサイクルがうまく回りません。計画は可能な限り数値化して、期限を設けて具体的なものにすべきです。
また、PDCAサイクルは繰り返すことで、少しずつ業務を改善していくものです。PDCAサイクルを回すために、日常業務がおろそかになるようでは問題があります。
SMARTの法則に基づいてPDCAプランを決めていくと良さそうです。
まとめ
PDCAは古くからある改善手法です。そして、実際に今でもトヨタやソフトバンクが自社の方式としてカスタマイズして使っています。PDCAを正しく使えば、大きな効果が期待できるでしょう。
Planでは組織の目標に基づいた実行可能な計画を立案。Doでは計画に基づいたやり方で仕事を実施・計測。CheckではDoの内容を正しく評価。Actionでは、うまくいった行動は伸張し、うまくいかなかった行動は原因を追究し改善する。そして、Planに戻る。
PDCAサイクルは例えばトークスクリプトの改善やLPのCV(コンバージョン)ボタンの改善などにすぐに導入できるでしょう。小さな成功体験は、自信に繋がるものです。少しずつ改善を重ねていくことができる、理にかなった方法といえるでしょう。
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