営業活動を最大化させ生産性を上げるために、営業プロセスの分業化が始まっています。そのような背景により「インサイドセールス」や「カスタマーサクセス」という新たな職種も登場してきています。これらは、どのような職種なのでしょうか?
今回は、注目を集める職種「インサイドセールス」「カスタマーサクセス」の仕事内容から営業プロセスの分業化を成功させるポイントまで解説します。
営業プロセスの分業化とは
法人営業では「アポイント獲得」「提案書の作成」「商談」「契約書の作成」「受注後のフォロー」を1人の担当者が行うと非効率です。営業業務を効率化するために、営業プロセスの分業化が進んできています。
そして、営業プロセスの分業化により、従来の職種にはなかった「インサイドセールス」と「カスタマーサクセス」が誕生しました。
大手転職情報サイトdodaを運営するパーソルキャリア株式会社の調査データによると、インサイドセールスとカスタマーサクセスの求人数は約7.4倍にも伸びていることが分かります。
これらは、どのような役割を担う職種なのでしょうか? 営業プロセスの分業化のコツまで詳しく解説します。
インサイドセールスとフィールドセールスの違い
インサイドセールスとフィールドセールスは、顧客に対してアプローチする点では同じですが、何が違うのでしょうか?
営業プロセスの分業化を実現するためにも、インサイドセールスとフィールドセールスの役割、目標値(KPI)、アプローチ方法の違いについて理解をしておきましょう。
役割
インサイドセールスは、マーケティング部門が獲得した見込み顧客に対して、有益な情報を提供して案件を商談化させる役割を担います。
その一方で、フィールドセールスは、インサイドセールス部門が商談化した顧客に対して、商品の提案、契約を獲得していく役割を担います。
それぞれの業務内容について、以下に簡単にまとめてみました。
インサイドセールス/フィールドセールス とは?
インサイドセールスとは営業形態のひとつで、見込み顧客をリスト化してアポ取り、訪問、クロージングまでの営業業務のうち、非対面で行える業務を「インサイドセールス」として区別しています。
「内勤型営業」とも呼ばれ、おもにSDR(反響型・PULL型)とBDR(新規開拓型・PUSH型)のふたつの手法があります。
SDRはホームページやフォームからの問い合わせに対してアプローチする営業手法、BDRはこちらを認知していない企業に対して飛び込み的にアプローチする営業手法のことをいいます。
インサイドセールの対義語としてフィールドセールスがありますが、フィールドセールスとは「外勤型営業」とも呼ばれ、相手先を訪問して行う営業の形態を指しています。
インサイドセールスが獲得した見込み顧客に対して、フィールドセールスが訪問や商品説明などを通じてクロージング活動を行い、連携して成約を獲得する手法が一般的です。
◆関連用語
目標値(KPI)
インサイドセールスとフィールドセールスでは、効果測定で活用される目標値(KPI)が異なります。
インサイドセールス | フィールドセールス |
コール数
通電数 担当者通話数 アポ数 商談化数 メール開封率 など | 受注数 顧客単価 売上 解約件数 |
アプローチ方法
インサイドセールスは、見込み顧客と良好な関係を構築して、商談化する役割を担います。電話やメール、ウェビナー主催などの方法でアプローチしていきます。基本的には内勤営業です。
その一方で、フィールドセールスは必要に応じて訪問営業して、商品やサービスの説明や提案をしに先方に出向きます。このように、顧客に対するアプローチ方法も違います。
カスタマーサクセスとカスタマーサポートの違い
営業プロセスの分業化でカスタマーサクセスが注目を集めていますが、カスタマーサポートと間違われやすいです。営業業務の分業化を成功させるためにも、2つの職種の違いについて理解しておきましょう。
役割
カスタマーサクセスとは、顧客が望む成果が得られるように支援する役割を担います。その一方で、カスタマーサポートとは顧客が抱えている課題を迅速に解決する役割を担います。
カスタマーサクセスの詳しい解説について、以下にまとめています。
カスタマーサクセス とは?
カスタマーサクセスとは、「顧客の成功体験」という意味で「顧客を成功に導くためのビジネス方法」のことを指します。
顧客が企業のサービスや商品を利用することで、利益や成果を上げられるようサポートすることをいいます。
カスタマーサクセスの目的は、顧客満足度を上げ、顧客離れを減らし、結果的に企業の利益に繋げることにあります。
最近では、企業経営において重要性が高まりつつあり、「カスタマーサクセスマネージャー」や「カスタマーサクセス部」といった役職や部署も増えています。
顧客が「成功」できるように、顧客が抱える課題に気づき、いちはやく解決し、さらに商品やサービス改善に反映することが必要です。
結果的にロイヤルティが生まれ、LTV(ライフタイムバリュー)の向上にも繋がるでしょう。
◆関連用語
業務内容
カスタマーサクセスは顧客が期待している成果や成功が実現できるように支援していく職種です。そのため、顧客が期待する成功とは何かを掴むだけではなく、顧客が気づいていない潜在的なニーズを掴む力も必要です。能動的に顧客に働きかける必要があります。
その一方で、カスタマーサポートは顧客が抱えている課題を迅速に解決していく職種です。ヒアリング能力が求められ、基本的には受動的な姿勢になります。
カスタマーサクセスやカスタマーサポートは「CS」とも呼ばれることがありますが、CSにはカスタマーサティスファクションという意味もあります。また、コールセンターとも混同されがちなので、それぞれの役割と意味をしっかりと理解しておきましょう。
カスタマーサティスファクションについては、以下の記事を参照してください。
対応頻度
カスタマーサクセスは「顧客支援」の役割を担うため、継続的に対応していく必要があります。その一方で、カスタマーサポートは「顧客の課題解決」をしていくため、対応は単発的になりがちです。
営業プロセスを分業化するメリット・デメリット
営業プロセスを分業化することで、どのような効果が得られるのでしょうか? 営業プロセスの分業化をする上で懸念点はないのでしょうか? ここでは営業プロセスを分業化するメリット・デメリットをご紹介します。
メリット1・売上アップが狙える
営業プロセスを分業して、各部門のKPIを洗い出して可視化すれば、どこを改善すれば良いかが明確に分かるようになります。また、各部門で追うべき数値が明らかになり、生産性を上げることができます。
各部門のKPI設定は以下を参考にしてみてください。
マーケティング | 来訪者数×獲得率=見込み顧客数 |
インサイドセールス | 見込み顧客数×案件化率=案件数 |
フィールドセールス | 案件数×受注率=受注数 |
カスタマーサクセス | 受注数×更新率=契約数 |
メリット2・部門別で専門性を高められる
営業プロセスを分業化することで、部門ごとに専門性を高めていくことができます。集中的に業務を行うことで、効率化が進み、商談件数や受注件数を増やすことも可能になるでしょう。
とくに、高額商材を販売する場合は、フィールドセールスは専門知識を持っていなければ信頼を得ることができません。
1人の担当者がリード獲得、顧客育成、商談、契約まで行っていたら、知識を学ぶ時間が持てません。このような問題は、営業プロセスの分業化で解決できるでしょう。
デメリット1・他部門との連携不足に陥る
営業プロセスの分業化を成功させるためには、顧客情報や対応履歴の情報共有を徹底しなければいけません。これらの情報共有が上手くいかなければ、顧客に迷惑をかけてしまうことになります。失注の原因にもなるため連携不足には注意してください。
デメリット2・各部門の視野が狭くなる
各部門でKPIが定められており、それぞれKPI達成のために業務を担います。その結果、インサイドセールスから「マーケティングから渡されるリードの質が悪い」と声が上がったり、フィールドセールスから「インサイドセールスは見込み度が低い顧客を渡してきた」と声が上がることがあります。
このように各部門の視野が狭くなることが分業化のデメリットです。
営業プロセスの分業化を成功させるポイント
営業プロセスを分業化する場合、ポイントを押さえておかなければ業務効率化は実現できません。商談数・受注数を最大化させるためにも、営業プロセスの分業化をする場合のポイントを押さえておきましょう。
情報共有を徹底する
営業プロセスを分業化する場合は、顧客情報や情報共有を徹底する必要があります。顧客側も同じ質問をされたら面倒に感じるものです。そのため、顧客情報や対応履歴などの情報共有は徹底しておきましょう。
情報はテキストだけでなく、音声や動画なども残しておくと情報共有が強化できます。
パスする基準を設けておく
営業プロセスの分業化の成功に欠かせないのが「リード」「案件」をパスする基準を設けることです。明確な基準を設けて、担当者毎の差異が出ないようにしましょう。
この基準を設けることで、部署間での相違がなくなり連携しやすくなります。
デジタルツールを活用する
営業プロセスの分業化を実現するためには、情報共有とリードをパスする基準の見極めが必要になります。これらの課題を解決できるのがデジタルツールです。
以下のデジタルツールを導入して営業プロセスの分業化を実現しましょう。
- SFA/CRM:顧客情報や対応履歴を共有する
- MA:メール配信などマーケティング業務を効率化する、各顧客の見込み度を測定する
- IP電話アプリ:通話内容を録音して共有する
- オンライン商談ツール:商談内容を保存して共有する
まとめ
近頃は営業プロセスを「マーケティング」「インサイドセールス」「フィールドセールス」「カスタマーサクセス」と分業化する動きが出てきました。
分業化することで、売上の因数分解ができ、どこを見直せば良いかが明確になります。また、各部門で専門性を上げられるため売上拡大が狙えます。
情報共有を徹底したり、パスする基準を明確にしたりする必要はありますが、営業活動を最大化させるために必要不可欠なものです。ぜひ、これを機会に営業プロセスの分業化に取り組んでみてください。
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